フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

てぃー☆ちゃー

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第五章 ゴーレムの後ろ姿

第五十一話 ゴーレムの後ろ姿

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『許さん・・・許さんぞ土塊風情が・・・』

ドラゴンの・・・・・・・声?

『我が子供たちのみならず、我にも手をかけるか・・・その行為・・・許してはおけぬ・・・』

 オレは攻撃の手を止め、ドラゴンの次の言葉を待つことにする。

『土塊風情が・・・我が子たちを破壊し、その魂石のみを奪う・・・肉も食わず。ただただ捨てるだけのその行為を、許せるわけがなかろう!』

 ドラゴン?子供・・・オレがグランフォールを破壊した後に現れた魔物の中にはドラゴン型のモンスターも確かにいた。あいつらのことだろうか。

『命を持たぬ土塊が、命の限りある我が子たちの命をもて遊び辱めた!我はその復讐の為にのみ存在することになった!』

 こいつは・・・。

『何故じゃ!何故これ程の力を神は土塊風情に与えた!!何故これ程の力を持つ者が命を持たぬ土塊なのじゃ!』

 ドラゴンから悲痛な叫びが発せられる。

『我はこんな土塊よりも弱いのか!我が子らの仇も討てず!こんなところで朽ち果てなければならないのは何故じゃ!』

 その悲痛な叫びを聞いたオレは、ドラゴンの体から退いた。
 気が付くと体のサイズも元に戻していた。

『貴様・・・なんのつもりじゃ!我に手心を加えると言うのか!』

 オレは答えられない。
 何度でも言おう。口がないんだ。
 首を左右に振った。

『きさまあああああああああああああ!!!!!!!!!』

 ドラゴンの足がオレを蹴り飛ばした!オレの体は簡単に吹き飛ばされて後方に叩き落される。
 オレは再度立ち上がり、ドラゴンの目を見た。

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 ドラゴンのブレスがオレを包み込んだ。
 ダメだよ。それじゃあオレは破壊できない。さっきみたいに噛みついたり、ひっかいたりしないと。
 炎が収まると、ドラゴンはオレの体を掴んだ。
 オレのボディからいやの音が発せられて破片が落ちる。

『貴様は一体何を考えている!』

 何を考えている、か。久しぶりに念話を試してみる。

 お前の気がそれで済むなら、オレを壊してくれ。

『貴様・・・・』

 伝わったか?頼むよ、オレは眠れないしご飯も食べれない。体も冷たいゴーレムなんだ。街の復興の手助けもしてたけど・・・辛いんだよ。オレに家族や仲間を奪われた人が、オレに笑顔を向けてくれるのがキツイんだ。
 でもオレを壊せるヤツはいない。あんたなら出来るだろ?

『・・・土塊風情が、心を持つのか・・・』

 持ってないよ。オレはじじいに言われて国を壊して、ゴートさんに言われて街の復興を手伝っただけなんだから。そこにオレの意思はないんだ。心なんて大層なものきっと無いんだよ。

『それがお前か・・・』

 そうだ。だから頼む、オレを壊してくれ。オレはもう罪悪感で押しつぶされそうなんだ。

背後の街から悲鳴と何かを指示する声が聞こえて来た。
 街の連中が武装して出てきている。兵士だけではない。

 ああ、あいつらに手を出さないでやってくれるか?お前の復讐の相手はオレだけだろ。

『・・・・・・・』

 人じゃないけど、最後に言葉を交わせてうれしかったよ。オレ口ないから人との会話に飢えててさ。

『貴様は・・・・貴様はもうここにいるべきではない』

 うん、オレもそう思う。

『だが、我はもう貴様を壊す気がない。道具に八つ当たりをするなど、我が矜持に反する』

ドラゴンはオレを離すと、地面に落とした。
おい、なんだよ。きっちり壊してくれよ。

『土塊よ、心ある不思議な土塊よ。我と来るか?貴様は人ではない、魔物でもない。だが力あるものならば我らがミリオンピークでも生きていけよう』

 ミリオンピーク?

『この山の頂の更に先、我ら龍種の楽園であり監獄だ』

 ・・・迷惑はかけられないよ。オレももうすぐ、この街ではお払い箱だ。せっかくだからお前以外で、オレを壊してくれそうなヤツを探すことにするよ。

『そうか、ならば東に向かい海に行くが良い。海洋には陸地とは比べ物にならないほど巨大で異質な物が多い』

 ・・・・・・・ありがとう。

「ストームドラゴン!国崩しに手を出すな!オレ達が相手だ!」
「そうにゃ!それ以上そいつに攻撃したら許さんにゃ!」
「国崩しを守れ!」
「「「守れ!守れ!」」」
「ドラゴンを倒せ!」
「「「倒せ!倒せ!」」」

 や、お前らじゃ無理だって。

『ふん、存外愛されておるようじゃないか』

 これがつらいんだって。オレこいつらの仲間殺して住処破壊してるんだぜ?

『それはお前が土塊だからじゃろ。お前、こいつらと言葉をもっと交わすべきだったな』

 口がねえんだよ!

『不便なものよ。・・・・我はもう行く。次に我の仲間に手を出したら今度こそ容赦せんからな』

 ああ、すまない。お前の家族に手をかけてしまった事も含めて。謝るよ、本当にすまなかった。

『・・・・・・・・謝罪を聞けただけでも良しとするさ』

 ドラゴンはそういうと、一声雄たけびを上げて森へと・・・山へと帰っていった。

「竜が・・・逃げた」
「竜が逃げた!国崩しが勝ったんだ!」
「やったぞ!国崩しの勝利だ!!」
「「「「「「「「「国崩し!国崩し!国崩し!国崩し!・・・・・・・・・」」」」」」」」

 はあ、こいつらもなんだかなあ。
 もっと恨めよ、もっと文句言えよ。何でオレの事称えてんだよ・・・そんなんじゃ、そんなんじゃ謝れないだろうが。
 アイ達が嬉しそうな表情でこっちに向かってきた。
 オレは兵士や民衆に対し会釈をし、土の魔法を最大限まで発揮して、巨大な土壁をオレと民衆の間に作った。
どよめきが民衆たちから上がる。

「にゃ?どういうことにゃ?」
「おいおい、これは・・・」
「くにー?」

 オレは土壁を背にグランフォール王国を離れていく。
 もうこの国に戻ってくることはないだろう。
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