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幕間章 雷鯨セルジアのお仕事
雷鯨セルジアのお仕事②
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『到着致しました、こちらに御座います』
案内された場所からは、大量の水が湧き出ているポイントだった。
これは普通の水じゃねえな?
『詳しくは知りませぬが、この湧き水はこの地下に眠る巨大な魔石より生まれてきているお水に御座います』
『へえ?・・・ああ、なるほどな。自然に湧き出ている水じゃないのか』
通りで水の透明度が高い訳だ。
この水じゃ、確かに生き物は育たねえ。
『あ?でも今までは?』
『あの右手側に転がる巨大な白い岩がありますでしょう?あれがこの湧き出る水の上にあったのですが、約一年前に転がり落ちてしまったのです』
岩、岩ねえ?
オレ様はその岩を触り、少し爪でひっかいてみる。
『これは、岩塩か』
『作用に御座います』
『これが動いただけで水草は弱って魚が減るのか?』
『海にお住いの雷鯨様はお知りにならないかも知れませんが、生き物が生きるには塩は必須に御座います。人でも魔族でも、そして我々のような小さな生き物、それに植物でも』
『そうなのか!』
『塩だけでは御座いませんが、ここの水草達はこの塩が溶け込んだ水に合うように体を作り変えて生きて来ましたからね』
『ああ、そういう連中いるよな。それで?この岩を元に戻せばいいのか?』
『どうでしょうねえ。運が良ければ、一時的に改善するでしょうけれども』
『運が良ければ?一時的に?』
どういうことだ?
『湖の環境が元に戻るまで、他の生き物たちがもつかどうか』
なるほど。
『それに環境が戻っても、再び岩塩が動いてしまっても同じでございますし』
ああ?ああ、確かにそうだな。水に押し上げられて徐々に岩塩も小さくなってきてるんだろうな。そう考えると、湖の寿命っていうのも言えて妙だ。
『じゃあ・・・どうするかだな。例えば塩を自身で生成する生き物がいればいいのか?』
『そのような生き物おりますまい』
『や、いるぞ?ここよりももっと南の海だけど。ソルトマイマイって巻貝の仲間でな?水中の魔素を食べて生きている魔物の一種だけど』
『魔物でございますか』
『魔力以外は食わない危険のない生物だぜ?連れてくるか?』
オレ様が本気で泳げば2、3カ月で連れて来れるはずだ。あ、ダメか。シオの大会があった。
『それらが定住する前に我等が力尽きる可能性が高いお話ですな』
『そうか、難しいな』
オレ様は顎に手を当てて考える。
そもそも魚達は水中の目に見えない生き物を食べて生活しているんだが、ここの水が綺麗すぎて目に見えない生き物が繁殖出来ないんだろうな。
それで仕方なく、水草を食べて・・・水草は食べられると減っていって更に目に見えない生き物が減ってしまってるってところか?
『それに他所から生き物を連れてくると、そやつらが原因で今度は今いる生き物達にも変な影響を与えかねませぬ』
『ソルトマイマイを食べる外敵が必要になるか?確かにあいつらは増えるのは早いな!ここの水は魔素も強いし、それなら貝を食うタコを用意・・・いやいや、あいつらは海じゃないと生きていけないな・・・今いる生き物達の餌になり得て、かつ食事をあまり必要とせずに貝が増え過ぎるのを管理させて・・・』
いっその事ここにオレ様の城を繋げちまうか?いやいや、この湖は海に繋がってないから無理だ。転移門でも用意して誰かに管理させるのもダメ・・・。
なんかこういう時の手があった気がするんだけどな。
『がー!思い出せねえ!』
どうするか?水中でのオレ様の活動に諦めの文字なんてねえぞ!
『セルジア様、良いので御座います』
『よくねえ!主にオレ様のプライド的によくねえ!』
海洋生物の長にして青い月の眷属の頂点(付近)に立つオレ様が、こんなところで躓くなんてありえねえ!
『ちょっと待ってろ!聞いて来る!』
思い出せないなら、知ってる奴に聞けばいい!オレ様天才!
『どちらにですか?』
『城!ってダメか!シオの大会があった!』
『塩・・・ですか?』
『塩じゃなくてシオだ!オレのダチだぜ?ごっつい体でそこそこ話の分かるゴーレムで、あ!』
そうだよ!シオいるじゃん!こっちから行かなくてもあいつに呼び出させればいいだけの話じゃねえか!
『やっぱりちょっと聞いて来る!すぐ戻るからその辺で漂ってな・・・いや、一緒に来るか!』
『はあ・・・構いませぬが』
『よし!肩に乗れ!』
『これはこれは、雷鯨様の御身に触れる日がこようとは』
『そういうのはいいから!とっとと行くぞ!』
オレ様はパンダ亀を捕まえて肩に乗せると、一気に水面へと泳ぎ始めた。
シオ、結構便利じゃんか!
「おっちゃん!オレ様の連れ知らねえか!」
「お?おお、戻ったのか?一向に戻って来ないから心配したぞ?」
「心配なんざオレ様には必要ねえさ!それよりオレ様の連れはどこだ?」
「あ?さっき迷子になったっつって無かったか?」
「そうだった!あいつ間抜けだった!探してくる!」
「まあ街自体はそこまで広くないからすぐ見つかるだろ?冒険者なら冒険者ギルドに行ってるはずじゃねえか?」
「わかった!ありがとう!」
「おい!ついでにオレ達の依頼をそこで・・・・行っちまった、大丈夫か?あいつ」
実際シオは冒険者じゃねえんだけどな。あのでかい図体のゴーレムならまあ目立つだろ?
オレは適当に歩き回って、その辺の連中に話しかけてシオを探した。
『雷鯨様、あなた様のお連れ様はあちらの方では?』
「ん?おお?シオ・・・・っと違うな。わりい、ゴーレム違いだわ」
結構いるな、ゴーレム。
『この地方は昔から、重い荷物を運搬するのにゴーレムを使いますから』
「まあ、便利だよな。寝ないし力あるし」
オレ様の方が力あるけどな!
『どこら辺で別れられたのですか?』
「ん?さっきのおっちゃんのところから見て対岸だけど」
『ならばそちらに向かった方が良いかも知れませんね。一般的なゴーレムであれば、動きは遅いですからあまり動き回らせますまい』
それもそうか。
「泳ぐか!」
『ええ』
オレ様は再び湖に飛び込むと、対岸に向かって泳ぐことになった。
「清蓮!シオどこだ?」
「・・・おかえりなさいませ、セルジア様。次に動き回るときには一言お願いいたしますね?」
「お、おう。スマン」
対岸の浅瀬で水浴びをしていた清蓮をうまく見つける事が出来た。
そしてちょっと怒られた!
「セルジア様の行動を私がどうこう言うつもりはございませんけど、集合方法も決めずどうするおつもりだったのですか?シオ様にずっと同じ場所で待ってろとでも言うつもりですか?私にそんな事をさせろと?シオ様はセルジア様のように水中を達者に泳げない事はご存知でしょう?追いかけようとして『あれは無理だ』とシオ様は笑っていらっしゃいましたけれども・・・シオ様は私達と違って水浴びを楽しむ事はしないのですよ?気持ち良さそうだなとおっしゃるシオ様のお気持ちをどう感じられるのですか?この炎天下の中日陰にも入ることが出来ず、少し水に足を付けただけですぐに陸地に戻ってセルジア様のお帰りを待っていらっしゃって・・・シオ様のお体に何かあったらどうするおつもりなんですか?セルジア様?聞いていらっしゃいますか?」
「え、や・・・あいつ、どうせゴーレムだし?」
ちょっとじゃねえ!だいぶ怒られてる!
「ゴーレムだったら何をしてもいいんですか!?何をさせてもいいんですか!?」
「や、それは・・・」
『まあまあお若いの、そのくらいで勘弁してあげて下さいな。雷鯨様にはこの老体のパンダ亀の愚痴を聞いて頂いていただけに御座います。雷鯨様を引き留めていたのはこのパンダ亀ですので、どうかこの辺りで雷鯨様を許してあげて下さいませんか』
ナイスだ亀!てか清蓮いきなり説教モードはビビるわ!
「あら、こちらの湖の知恵者の方ですか?」
『ええ、亀に御座います』
パンダ亀はオレ様の肩から降りる(落ちる)と、清蓮に挨拶を始めた。
「ご丁寧に。私は清蓮と申します。セルジア様の同行者の一人です」
『よろしくお願い致します。それで、もう一人の同行者の方にセルジア様が御用があるそうでして。私事に巻き込んでしまう形になってしまい大変恐縮で御座いますが、案内をお願いしてもよろしいでしょうか?』
「承りました、こちらになります」
濡れた服を絞りながら、清蓮がオレ様達を先導して歩き出した。
助かったぜ!
『おかえり』
「ただいまだ。悪いなシオ、放置しちまって」
『構わねえよ』
「私も戻りました。シオ様、こちらの方がシオ様にお願いがあるとの事でお連れ致しました」
『こちらの?』
『雷鯨様、こちらがお探しになられていたシオ様ですか?』
「おう、そうだぞ」
『ゴーレムに見えますが・・・』
「ゴーレムだな」
『誰と話をしてるんだ?』
「ん?この亀だ」
『亀に御座います・・が、どうやらこの亀の念話ではこちらのシオ様にはお話が通じないようですな』
「そうか、まあオレ様が話すからいいや」
『何?』
「シオ頼む!出して欲しい生き物がいるんだ!力貸してくれ!」
オレ様は両手をバンッと合わせてシオにお願いする。
『生き物?』
「そーそー、クラーケンの力使ってくれ」
『クラーケン?この方はクラーケン様なのですか!?』
「ふふ、そうですよ?すべての水魔族の頂点に立つお方、クラーケンのシオ様です」
『なんと、このゴーレムが』
「成り行きだけどな」
『何?なんて?』
「お前がクラーケンだからって崇めてるんだ」
『ああ、またそういう感じか』
『一日に、雷鯨様とクラーケン様のお二人に出会えるとは長生きするものですね』
「ええ、すごい光景ですわね。私はもう慣れてしまいましたが」
お前はもっとオレ様を敬ってくれていいんだぞ?シオばっかり世話焼きやがって。
『クラーケンの力で生き物なんか出せるのか?』
「こないだリヴァイアサン出しただろ?アレの要領だよ」
『あれか、まあいいけど?ここで?』
「いや、湖で頼む。出して欲しい生き物はこいつだ。遥か北に生息するアクアウォンバットだ」
『りょーかい』
案内された場所からは、大量の水が湧き出ているポイントだった。
これは普通の水じゃねえな?
『詳しくは知りませぬが、この湧き水はこの地下に眠る巨大な魔石より生まれてきているお水に御座います』
『へえ?・・・ああ、なるほどな。自然に湧き出ている水じゃないのか』
通りで水の透明度が高い訳だ。
この水じゃ、確かに生き物は育たねえ。
『あ?でも今までは?』
『あの右手側に転がる巨大な白い岩がありますでしょう?あれがこの湧き出る水の上にあったのですが、約一年前に転がり落ちてしまったのです』
岩、岩ねえ?
オレ様はその岩を触り、少し爪でひっかいてみる。
『これは、岩塩か』
『作用に御座います』
『これが動いただけで水草は弱って魚が減るのか?』
『海にお住いの雷鯨様はお知りにならないかも知れませんが、生き物が生きるには塩は必須に御座います。人でも魔族でも、そして我々のような小さな生き物、それに植物でも』
『そうなのか!』
『塩だけでは御座いませんが、ここの水草達はこの塩が溶け込んだ水に合うように体を作り変えて生きて来ましたからね』
『ああ、そういう連中いるよな。それで?この岩を元に戻せばいいのか?』
『どうでしょうねえ。運が良ければ、一時的に改善するでしょうけれども』
『運が良ければ?一時的に?』
どういうことだ?
『湖の環境が元に戻るまで、他の生き物たちがもつかどうか』
なるほど。
『それに環境が戻っても、再び岩塩が動いてしまっても同じでございますし』
ああ?ああ、確かにそうだな。水に押し上げられて徐々に岩塩も小さくなってきてるんだろうな。そう考えると、湖の寿命っていうのも言えて妙だ。
『じゃあ・・・どうするかだな。例えば塩を自身で生成する生き物がいればいいのか?』
『そのような生き物おりますまい』
『や、いるぞ?ここよりももっと南の海だけど。ソルトマイマイって巻貝の仲間でな?水中の魔素を食べて生きている魔物の一種だけど』
『魔物でございますか』
『魔力以外は食わない危険のない生物だぜ?連れてくるか?』
オレ様が本気で泳げば2、3カ月で連れて来れるはずだ。あ、ダメか。シオの大会があった。
『それらが定住する前に我等が力尽きる可能性が高いお話ですな』
『そうか、難しいな』
オレ様は顎に手を当てて考える。
そもそも魚達は水中の目に見えない生き物を食べて生活しているんだが、ここの水が綺麗すぎて目に見えない生き物が繁殖出来ないんだろうな。
それで仕方なく、水草を食べて・・・水草は食べられると減っていって更に目に見えない生き物が減ってしまってるってところか?
『それに他所から生き物を連れてくると、そやつらが原因で今度は今いる生き物達にも変な影響を与えかねませぬ』
『ソルトマイマイを食べる外敵が必要になるか?確かにあいつらは増えるのは早いな!ここの水は魔素も強いし、それなら貝を食うタコを用意・・・いやいや、あいつらは海じゃないと生きていけないな・・・今いる生き物達の餌になり得て、かつ食事をあまり必要とせずに貝が増え過ぎるのを管理させて・・・』
いっその事ここにオレ様の城を繋げちまうか?いやいや、この湖は海に繋がってないから無理だ。転移門でも用意して誰かに管理させるのもダメ・・・。
なんかこういう時の手があった気がするんだけどな。
『がー!思い出せねえ!』
どうするか?水中でのオレ様の活動に諦めの文字なんてねえぞ!
『セルジア様、良いので御座います』
『よくねえ!主にオレ様のプライド的によくねえ!』
海洋生物の長にして青い月の眷属の頂点(付近)に立つオレ様が、こんなところで躓くなんてありえねえ!
『ちょっと待ってろ!聞いて来る!』
思い出せないなら、知ってる奴に聞けばいい!オレ様天才!
『どちらにですか?』
『城!ってダメか!シオの大会があった!』
『塩・・・ですか?』
『塩じゃなくてシオだ!オレのダチだぜ?ごっつい体でそこそこ話の分かるゴーレムで、あ!』
そうだよ!シオいるじゃん!こっちから行かなくてもあいつに呼び出させればいいだけの話じゃねえか!
『やっぱりちょっと聞いて来る!すぐ戻るからその辺で漂ってな・・・いや、一緒に来るか!』
『はあ・・・構いませぬが』
『よし!肩に乗れ!』
『これはこれは、雷鯨様の御身に触れる日がこようとは』
『そういうのはいいから!とっとと行くぞ!』
オレ様はパンダ亀を捕まえて肩に乗せると、一気に水面へと泳ぎ始めた。
シオ、結構便利じゃんか!
「おっちゃん!オレ様の連れ知らねえか!」
「お?おお、戻ったのか?一向に戻って来ないから心配したぞ?」
「心配なんざオレ様には必要ねえさ!それよりオレ様の連れはどこだ?」
「あ?さっき迷子になったっつって無かったか?」
「そうだった!あいつ間抜けだった!探してくる!」
「まあ街自体はそこまで広くないからすぐ見つかるだろ?冒険者なら冒険者ギルドに行ってるはずじゃねえか?」
「わかった!ありがとう!」
「おい!ついでにオレ達の依頼をそこで・・・・行っちまった、大丈夫か?あいつ」
実際シオは冒険者じゃねえんだけどな。あのでかい図体のゴーレムならまあ目立つだろ?
オレは適当に歩き回って、その辺の連中に話しかけてシオを探した。
『雷鯨様、あなた様のお連れ様はあちらの方では?』
「ん?おお?シオ・・・・っと違うな。わりい、ゴーレム違いだわ」
結構いるな、ゴーレム。
『この地方は昔から、重い荷物を運搬するのにゴーレムを使いますから』
「まあ、便利だよな。寝ないし力あるし」
オレ様の方が力あるけどな!
『どこら辺で別れられたのですか?』
「ん?さっきのおっちゃんのところから見て対岸だけど」
『ならばそちらに向かった方が良いかも知れませんね。一般的なゴーレムであれば、動きは遅いですからあまり動き回らせますまい』
それもそうか。
「泳ぐか!」
『ええ』
オレ様は再び湖に飛び込むと、対岸に向かって泳ぐことになった。
「清蓮!シオどこだ?」
「・・・おかえりなさいませ、セルジア様。次に動き回るときには一言お願いいたしますね?」
「お、おう。スマン」
対岸の浅瀬で水浴びをしていた清蓮をうまく見つける事が出来た。
そしてちょっと怒られた!
「セルジア様の行動を私がどうこう言うつもりはございませんけど、集合方法も決めずどうするおつもりだったのですか?シオ様にずっと同じ場所で待ってろとでも言うつもりですか?私にそんな事をさせろと?シオ様はセルジア様のように水中を達者に泳げない事はご存知でしょう?追いかけようとして『あれは無理だ』とシオ様は笑っていらっしゃいましたけれども・・・シオ様は私達と違って水浴びを楽しむ事はしないのですよ?気持ち良さそうだなとおっしゃるシオ様のお気持ちをどう感じられるのですか?この炎天下の中日陰にも入ることが出来ず、少し水に足を付けただけですぐに陸地に戻ってセルジア様のお帰りを待っていらっしゃって・・・シオ様のお体に何かあったらどうするおつもりなんですか?セルジア様?聞いていらっしゃいますか?」
「え、や・・・あいつ、どうせゴーレムだし?」
ちょっとじゃねえ!だいぶ怒られてる!
「ゴーレムだったら何をしてもいいんですか!?何をさせてもいいんですか!?」
「や、それは・・・」
『まあまあお若いの、そのくらいで勘弁してあげて下さいな。雷鯨様にはこの老体のパンダ亀の愚痴を聞いて頂いていただけに御座います。雷鯨様を引き留めていたのはこのパンダ亀ですので、どうかこの辺りで雷鯨様を許してあげて下さいませんか』
ナイスだ亀!てか清蓮いきなり説教モードはビビるわ!
「あら、こちらの湖の知恵者の方ですか?」
『ええ、亀に御座います』
パンダ亀はオレ様の肩から降りる(落ちる)と、清蓮に挨拶を始めた。
「ご丁寧に。私は清蓮と申します。セルジア様の同行者の一人です」
『よろしくお願い致します。それで、もう一人の同行者の方にセルジア様が御用があるそうでして。私事に巻き込んでしまう形になってしまい大変恐縮で御座いますが、案内をお願いしてもよろしいでしょうか?』
「承りました、こちらになります」
濡れた服を絞りながら、清蓮がオレ様達を先導して歩き出した。
助かったぜ!
『おかえり』
「ただいまだ。悪いなシオ、放置しちまって」
『構わねえよ』
「私も戻りました。シオ様、こちらの方がシオ様にお願いがあるとの事でお連れ致しました」
『こちらの?』
『雷鯨様、こちらがお探しになられていたシオ様ですか?』
「おう、そうだぞ」
『ゴーレムに見えますが・・・』
「ゴーレムだな」
『誰と話をしてるんだ?』
「ん?この亀だ」
『亀に御座います・・が、どうやらこの亀の念話ではこちらのシオ様にはお話が通じないようですな』
「そうか、まあオレ様が話すからいいや」
『何?』
「シオ頼む!出して欲しい生き物がいるんだ!力貸してくれ!」
オレ様は両手をバンッと合わせてシオにお願いする。
『生き物?』
「そーそー、クラーケンの力使ってくれ」
『クラーケン?この方はクラーケン様なのですか!?』
「ふふ、そうですよ?すべての水魔族の頂点に立つお方、クラーケンのシオ様です」
『なんと、このゴーレムが』
「成り行きだけどな」
『何?なんて?』
「お前がクラーケンだからって崇めてるんだ」
『ああ、またそういう感じか』
『一日に、雷鯨様とクラーケン様のお二人に出会えるとは長生きするものですね』
「ええ、すごい光景ですわね。私はもう慣れてしまいましたが」
お前はもっとオレ様を敬ってくれていいんだぞ?シオばっかり世話焼きやがって。
『クラーケンの力で生き物なんか出せるのか?』
「こないだリヴァイアサン出しただろ?アレの要領だよ」
『あれか、まあいいけど?ここで?』
「いや、湖で頼む。出して欲しい生き物はこいつだ。遥か北に生息するアクアウォンバットだ」
『りょーかい』
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