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幕間章 雷鯨セルジアのお仕事
雷鯨セルジアのお仕事①
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いやっほーーーーーーーーーーーい!
水だ!水だ!みーーーずーーーだーーーー!
シオに同行して、ようやく大きな湖にたどり着いた!
やっぱ海から離れた生活はオレには向いてないな!
思わず飛び込んじまうぜ!
『バッシャーーーーン!!!』
ふー、気持ちいい。
本当は元の姿に戻って泳ぎたいところだが、周りにも水浴びを楽しんでいる人間がいるからな。自重自重、オレは大人の鯨だからな。
いやー、しかし暑かった!
とんでもなく暑かった!
あと何がキツイって乾燥がキツイ!
シオはオレが考えなしに頭から水をかけてたと思ってたかもしれんが、オレ様のボディは立派な鯨肌だ。
当然のように乾燥に弱い。
陸に打ち上げられたオレ様の仲間達の死因の大半は乾燥による衰弱死だからな!
まあ、そんな死に方をする仲間達は大抵が食い意地の張った奴らだが。
人型に変化してても、乾くものは乾く。
だからこそ、何度もシオに水を出させて頭からかぶってたんだぜ!
変に我慢すると人化が解けちまうし?
そうなると陸地にいきなりどでかいオレ様が登場だ!
まあ空も泳げるから海まで逃げ帰るけどな!
清蓮は水魔族だから、陸上というか水上での生活もお手の物だ。
とはいうものの、乾燥はやっぱ苦手だからそこそこの水を欲してたけど。
こんな旅の仕方なんて今までやったこと無かったからなあ。本気で水の作成魔法でも覚えるようにするか?
新しい魔法に興味を持つなんて何十年ぶりだろうか?百年か?まあ知らんが。
「兄ちゃん、随分潜ってたな!服を着たまま泳ぐってことは、やっぱ海人族かなんかか!?」
ほう?人族か。ドワーフばっかかとも思ったが、人族もいるんだな?人族のおっさんがおる。
「おう!ここまで地獄だったぜ!」
「そうだろそうだろ、だがまだこの辺りは可愛いもんさ!商店が立ち並んでるところは街の外よりも暑いからだ!」
「マジか!?なんでそんなところで生きていけるんだ!?」
「むしろ熱くしないと生きていけねえんだよ。なんてったって商店の大半は鍛冶工房と一体になってるからな!メシのタネ作るのにどうしてもみんな竃やら溶鉱炉がいるから温度が一気に上がりやがる」
「うへえ、じゃああんま近寄らない様にするよ!」
「ああ?いやいやいや、兄ちゃんも武器やら防具やらを調達しに来たんじゃないのか?そういう温度の高い所の方が腕のいい職人が揃ってるもんなんだぜ?」
「え?ああ、違う違う。オレはこいつを・・・・」
「こいつ?」
そう言って振り向くとシオと清蓮がいなかった、というか対岸まで来ていたらしい。
「ツレが迷子だ!」
「マジか!大変じゃねえか!」
ちゃんと付いて泳いで来るもんだと思っていたが、シオは泳げないんだったな。清蓮はなんだかんだ言ってシオにべったりだし、付いてこないのもしょうがないか。
まああとで探してやるか。
「まあ、あいつら目立つから大丈夫だろ」
あいつら、というかあいつだが。
「目立つお仲間?やっぱり冒険者かい?」
「まあそんな感じかな?」
「ほほう?じゃあいっちょ依頼を受けちゃあくれねえかい?」
「依頼?」
「ああ、このパロット湖に関する依頼なんだ。だがいかんせん水の中に長く潜っていられる海人族や水魔族がこの辺はほとんどいなくてな、依頼料も安いしだーれも受けてくれないんだよ」
「どんな内容なんだ?」
「受けてくれるか!?・・・この湖、生き物が少ないと思わないか?」
「あ?・・・ちょっと待ってろ」
言われると、オレは少し潜って周りを見渡す。
少ない、というかほとんどいないな。これだけの広さの湖なら勝手に生き物が住み着きそうなもんだが。
「ぶはっ・・・少し覗いてみたが、全然いないな。魚が数匹いるくらいだ」
「そうなんだ。昔はもっと魚が多くてそこそこ漁業も栄えてたんだが・・・気が付いたら、な」
「でも水は悪い水じゃないな」
「分かるのか?ここの水はこの辺りの水源を一手に引き受けてるからな、生活ゴミや鍛冶産廃なんかを投げ込んだ奴にはキツイ罰則が設けられているんだ」
「ふむふむ」
「そしてそのキツイ罰則は一発くらったら一家離散、場合によっては死罪だ。誰もここの水を望んで汚したりはしねえがな」
「どうりでこれだけの人が生活している場所にしては、水が綺麗な訳だ」
オレは水を手で掬うと、口を付けて飲む。
泳げるし、飲むことも出来る。人の営みが近くにある湖にしては珍しい環境だ。
「だけど近年、漁獲量が減ってる。俺の仲間の漁師も船から降りる奴が出るくらいだ」
「おっさん漁師か?」
「おお、だがそろそろ俺もきつい。組合で冒険者ギルドに依頼をかけはしたが、さっきも言った通りの理由で誰も受けてくれん」
「了解だ、ちょっと見てきてやるよ!」
「あ?おい!まずは冒険者ギル・・・・」
ん?なんか言ってたか?まあいいか。とっとと見てこよう。
オレは水の中に潜ると、周りを見渡した。
魚が群生するとしたら、もう少し深い所に向かわないとダメだな。
お、ちょうどいいのがいたな。
『おい、そこの小魚』
『え?アッシですかい?』
『ああ、そうだ』
『へえ、こりゃあ珍しい!アッシらに声をかけてくる人間がいるなんて不思議な事もあるもんだ!』
『あ?ああ、ここには知恵ある海や水獣はいないのか?』
『海獣?水獣?』
『そうだよ、数百年生きている魚とか?でかい魚以外の化け物とか?』
『うーん・・・うーん・・・』
『なんだ?知らねえのか?』
『え?なんですかい?アッシですかい?』
『ああ?そうだよお前だよ?』
『へえ、こりゃあ珍しい!アッシらに声をかけてくる人間がいるなんて不思議な事もあるもんだ!』
しまった、声をかけた魚が下級過ぎた。
ほぼほぼ本能で生きる魚はまともに会話が通じる奴の方が少ないんだった。
『なんでもない!邪魔したな』
オレ様は諦めて更に深く潜る事にした、てか思いのほか広くて深いなこの湖。
潜れば潜る程、透明度の高い水の綺麗さがはっきりと分かる。
いい湖じゃないか。
だが湖の表層部分には小魚がいたが、ここまで潜ると魚の気配がほとんどないな。それに何か違和感が・・・。
その時、オレ様の横を腐った水草が通り過ぎた。
ああ、そういう事か。
周りを良く見渡してみる。
やはりオレ様の睨んだ通り、水草が少ない。
というか、背の高い水草が無い。
ついでに背の低い水草も、魚に齧られてほとんど残ってないな。
水草の生育が原因か?
確かに川とかから水が流れこんできてる訳じゃなさそうだから流木とか少ないだろうが、水面には水鳥なども降りてきていた。
しかも人間達が周りを散白石で囲っているから魔獣などの外敵もいない。
魚が増え過ぎたか?だが人間達の漁師がいるんだから、ある程度の間引きは勝手にされているはずだ。
他に何か要因があるはずなんだが。
『おやおや、貴方様は雷鯨様ではありませぬか?』
『お?誰だ?てかどこだ?』
『ええ、ええ。こちらです、貴方様の下の岩場におりまする。亀にございます』
目を凝らしてみると、そこには過去には神とも言われた亀。白と黒のパーツに彩られた甲羅を持った亀がいた。
『へえ?もう北部の海であらかた保護したと思ってたが、こんなところにまだいたかパンダ亀』
『おやまあ?まだ仲間が生きておりましたか』
『おう!オレ様の城の近くで集落を作らせているぜ?お前らが作るべっ甲飴は絶品だからな!たまに食わせ貰ってるぜ!』
『あなた様が満足できる量を作るとなると、それはそれは大変な作業になりそうですねえ』
『だからほとんど顔出せねえんだ!あいつらのメシの種奪っちまう訳にはいかねえからな!年に1度だけ、少量を分けてもらう程度にしているさ』
『左様で御座いましたか、仲間達がお世話になっておりまする』
『オレ様はお前らのべっ甲飴が食いたかっただけだからな!しかし、あんたずいぶん小さいな。もしかしなくても、長老クラスか?』
パンダ亀は生まれた当初は小さく、年月が経つと3メートル近いサイズになる。その後は長い長い年月をかけて徐々に小さくなっていく。このパンタ亀サイズになるにはざっと考えても200年はかかるはずだ。
『ええ、まあ。とはいっても仲間達は皆もう息絶えましたが・・・天寿を全う出来て幸せだったはずです』
『そうか。外敵に襲われた訳じゃないんだな?』
『それもありますが・・・生存した固体は皆わたくしくらい小さい者達ですが』
大型のパンダ亀の甲羅は昔は防具として重宝されていた。つまり子供の亀が乱獲される時期があったのだ。オレ様はこいつらが絶滅する前にオレ様の保護下に入れて、人間達から守った。
『お前も来るか?きっと歓迎してくれるだろうぜ?まだあと数百年くらい生きる気だろ?』
『ええ、ええ。魅力的な提案有難う御座います・・・ですが、この湖が今まさに寿命を迎えようとしています。わたくしもこの湖と共に土になろうかとも思っていたのですから。仲間達の眠る地で共に』
『・・・気持ちはわからないでもないな。だけどこの湖が寿命?どういうことだ?別に水が湧き出なくて干上がる訳でもないだろう?』
『お水自体は今でも湧き上がってますが、お気づきですか?水生生物の少なさを』
『水草とか元気ないのは気づいていたが』
『原因は湧き水の質にあります』
『質?』
『見て頂ければわかりやすいと思います。付いてきて頂けますか?』
『おう!』
オレ様は小さなパンダ亀の後ろについて泳ぎ出す、シオにしろこいつにしろ最近遅い奴ばっかだな。オレ様は颯爽と泳ぎたいってのに。
水だ!水だ!みーーーずーーーだーーーー!
シオに同行して、ようやく大きな湖にたどり着いた!
やっぱ海から離れた生活はオレには向いてないな!
思わず飛び込んじまうぜ!
『バッシャーーーーン!!!』
ふー、気持ちいい。
本当は元の姿に戻って泳ぎたいところだが、周りにも水浴びを楽しんでいる人間がいるからな。自重自重、オレは大人の鯨だからな。
いやー、しかし暑かった!
とんでもなく暑かった!
あと何がキツイって乾燥がキツイ!
シオはオレが考えなしに頭から水をかけてたと思ってたかもしれんが、オレ様のボディは立派な鯨肌だ。
当然のように乾燥に弱い。
陸に打ち上げられたオレ様の仲間達の死因の大半は乾燥による衰弱死だからな!
まあ、そんな死に方をする仲間達は大抵が食い意地の張った奴らだが。
人型に変化してても、乾くものは乾く。
だからこそ、何度もシオに水を出させて頭からかぶってたんだぜ!
変に我慢すると人化が解けちまうし?
そうなると陸地にいきなりどでかいオレ様が登場だ!
まあ空も泳げるから海まで逃げ帰るけどな!
清蓮は水魔族だから、陸上というか水上での生活もお手の物だ。
とはいうものの、乾燥はやっぱ苦手だからそこそこの水を欲してたけど。
こんな旅の仕方なんて今までやったこと無かったからなあ。本気で水の作成魔法でも覚えるようにするか?
新しい魔法に興味を持つなんて何十年ぶりだろうか?百年か?まあ知らんが。
「兄ちゃん、随分潜ってたな!服を着たまま泳ぐってことは、やっぱ海人族かなんかか!?」
ほう?人族か。ドワーフばっかかとも思ったが、人族もいるんだな?人族のおっさんがおる。
「おう!ここまで地獄だったぜ!」
「そうだろそうだろ、だがまだこの辺りは可愛いもんさ!商店が立ち並んでるところは街の外よりも暑いからだ!」
「マジか!?なんでそんなところで生きていけるんだ!?」
「むしろ熱くしないと生きていけねえんだよ。なんてったって商店の大半は鍛冶工房と一体になってるからな!メシのタネ作るのにどうしてもみんな竃やら溶鉱炉がいるから温度が一気に上がりやがる」
「うへえ、じゃああんま近寄らない様にするよ!」
「ああ?いやいやいや、兄ちゃんも武器やら防具やらを調達しに来たんじゃないのか?そういう温度の高い所の方が腕のいい職人が揃ってるもんなんだぜ?」
「え?ああ、違う違う。オレはこいつを・・・・」
「こいつ?」
そう言って振り向くとシオと清蓮がいなかった、というか対岸まで来ていたらしい。
「ツレが迷子だ!」
「マジか!大変じゃねえか!」
ちゃんと付いて泳いで来るもんだと思っていたが、シオは泳げないんだったな。清蓮はなんだかんだ言ってシオにべったりだし、付いてこないのもしょうがないか。
まああとで探してやるか。
「まあ、あいつら目立つから大丈夫だろ」
あいつら、というかあいつだが。
「目立つお仲間?やっぱり冒険者かい?」
「まあそんな感じかな?」
「ほほう?じゃあいっちょ依頼を受けちゃあくれねえかい?」
「依頼?」
「ああ、このパロット湖に関する依頼なんだ。だがいかんせん水の中に長く潜っていられる海人族や水魔族がこの辺はほとんどいなくてな、依頼料も安いしだーれも受けてくれないんだよ」
「どんな内容なんだ?」
「受けてくれるか!?・・・この湖、生き物が少ないと思わないか?」
「あ?・・・ちょっと待ってろ」
言われると、オレは少し潜って周りを見渡す。
少ない、というかほとんどいないな。これだけの広さの湖なら勝手に生き物が住み着きそうなもんだが。
「ぶはっ・・・少し覗いてみたが、全然いないな。魚が数匹いるくらいだ」
「そうなんだ。昔はもっと魚が多くてそこそこ漁業も栄えてたんだが・・・気が付いたら、な」
「でも水は悪い水じゃないな」
「分かるのか?ここの水はこの辺りの水源を一手に引き受けてるからな、生活ゴミや鍛冶産廃なんかを投げ込んだ奴にはキツイ罰則が設けられているんだ」
「ふむふむ」
「そしてそのキツイ罰則は一発くらったら一家離散、場合によっては死罪だ。誰もここの水を望んで汚したりはしねえがな」
「どうりでこれだけの人が生活している場所にしては、水が綺麗な訳だ」
オレは水を手で掬うと、口を付けて飲む。
泳げるし、飲むことも出来る。人の営みが近くにある湖にしては珍しい環境だ。
「だけど近年、漁獲量が減ってる。俺の仲間の漁師も船から降りる奴が出るくらいだ」
「おっさん漁師か?」
「おお、だがそろそろ俺もきつい。組合で冒険者ギルドに依頼をかけはしたが、さっきも言った通りの理由で誰も受けてくれん」
「了解だ、ちょっと見てきてやるよ!」
「あ?おい!まずは冒険者ギル・・・・」
ん?なんか言ってたか?まあいいか。とっとと見てこよう。
オレは水の中に潜ると、周りを見渡した。
魚が群生するとしたら、もう少し深い所に向かわないとダメだな。
お、ちょうどいいのがいたな。
『おい、そこの小魚』
『え?アッシですかい?』
『ああ、そうだ』
『へえ、こりゃあ珍しい!アッシらに声をかけてくる人間がいるなんて不思議な事もあるもんだ!』
『あ?ああ、ここには知恵ある海や水獣はいないのか?』
『海獣?水獣?』
『そうだよ、数百年生きている魚とか?でかい魚以外の化け物とか?』
『うーん・・・うーん・・・』
『なんだ?知らねえのか?』
『え?なんですかい?アッシですかい?』
『ああ?そうだよお前だよ?』
『へえ、こりゃあ珍しい!アッシらに声をかけてくる人間がいるなんて不思議な事もあるもんだ!』
しまった、声をかけた魚が下級過ぎた。
ほぼほぼ本能で生きる魚はまともに会話が通じる奴の方が少ないんだった。
『なんでもない!邪魔したな』
オレ様は諦めて更に深く潜る事にした、てか思いのほか広くて深いなこの湖。
潜れば潜る程、透明度の高い水の綺麗さがはっきりと分かる。
いい湖じゃないか。
だが湖の表層部分には小魚がいたが、ここまで潜ると魚の気配がほとんどないな。それに何か違和感が・・・。
その時、オレ様の横を腐った水草が通り過ぎた。
ああ、そういう事か。
周りを良く見渡してみる。
やはりオレ様の睨んだ通り、水草が少ない。
というか、背の高い水草が無い。
ついでに背の低い水草も、魚に齧られてほとんど残ってないな。
水草の生育が原因か?
確かに川とかから水が流れこんできてる訳じゃなさそうだから流木とか少ないだろうが、水面には水鳥なども降りてきていた。
しかも人間達が周りを散白石で囲っているから魔獣などの外敵もいない。
魚が増え過ぎたか?だが人間達の漁師がいるんだから、ある程度の間引きは勝手にされているはずだ。
他に何か要因があるはずなんだが。
『おやおや、貴方様は雷鯨様ではありませぬか?』
『お?誰だ?てかどこだ?』
『ええ、ええ。こちらです、貴方様の下の岩場におりまする。亀にございます』
目を凝らしてみると、そこには過去には神とも言われた亀。白と黒のパーツに彩られた甲羅を持った亀がいた。
『へえ?もう北部の海であらかた保護したと思ってたが、こんなところにまだいたかパンダ亀』
『おやまあ?まだ仲間が生きておりましたか』
『おう!オレ様の城の近くで集落を作らせているぜ?お前らが作るべっ甲飴は絶品だからな!たまに食わせ貰ってるぜ!』
『あなた様が満足できる量を作るとなると、それはそれは大変な作業になりそうですねえ』
『だからほとんど顔出せねえんだ!あいつらのメシの種奪っちまう訳にはいかねえからな!年に1度だけ、少量を分けてもらう程度にしているさ』
『左様で御座いましたか、仲間達がお世話になっておりまする』
『オレ様はお前らのべっ甲飴が食いたかっただけだからな!しかし、あんたずいぶん小さいな。もしかしなくても、長老クラスか?』
パンダ亀は生まれた当初は小さく、年月が経つと3メートル近いサイズになる。その後は長い長い年月をかけて徐々に小さくなっていく。このパンタ亀サイズになるにはざっと考えても200年はかかるはずだ。
『ええ、まあ。とはいっても仲間達は皆もう息絶えましたが・・・天寿を全う出来て幸せだったはずです』
『そうか。外敵に襲われた訳じゃないんだな?』
『それもありますが・・・生存した固体は皆わたくしくらい小さい者達ですが』
大型のパンダ亀の甲羅は昔は防具として重宝されていた。つまり子供の亀が乱獲される時期があったのだ。オレ様はこいつらが絶滅する前にオレ様の保護下に入れて、人間達から守った。
『お前も来るか?きっと歓迎してくれるだろうぜ?まだあと数百年くらい生きる気だろ?』
『ええ、ええ。魅力的な提案有難う御座います・・・ですが、この湖が今まさに寿命を迎えようとしています。わたくしもこの湖と共に土になろうかとも思っていたのですから。仲間達の眠る地で共に』
『・・・気持ちはわからないでもないな。だけどこの湖が寿命?どういうことだ?別に水が湧き出なくて干上がる訳でもないだろう?』
『お水自体は今でも湧き上がってますが、お気づきですか?水生生物の少なさを』
『水草とか元気ないのは気づいていたが』
『原因は湧き水の質にあります』
『質?』
『見て頂ければわかりやすいと思います。付いてきて頂けますか?』
『おう!』
オレ様は小さなパンダ亀の後ろについて泳ぎ出す、シオにしろこいつにしろ最近遅い奴ばっかだな。オレ様は颯爽と泳ぎたいってのに。
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