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第九章 ゴーレム、体を張る
第八十六話 ゴーレム、色々まとめて片付ける
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「全員戻ったな?ゲートを閉じるぞ」
男は扉を閉めて消した。
「避難民の状況は?」
「全員疲弊してます。衰弱も酷いです。幸い水と食事は大量に準備されていたのでなんとかなっていますが、野菜類がほとんどありません」
「怪我人も多く医薬品が足りません、そもそも医療施設が診療所レベルの物しかありません。医師も不足しています」
「災害救助部隊の準備は?」
「連絡が来ています。ケイ様のゲート待ちです」
「じゃあゲート開くぞ。場所開けろ」
「はっ!」
男は先ほど開いた扉よりも更に巨大な、それこそ大きな車両でも簡単に通れるようなサイズの扉を虚空から作り出した。
おもむろにその扉に手を付けると、扉があっさりと開く。
ちょっとだけ、ギギギギギとかゴゴゴゴゴとか想像したのに残念だ。
扉が開くと、そこから大量の人と馬車が出て来る。
代表者っぽい人が男の前に来たが、それ以外の人間は素通りですぐに作業に入る。
「事前に話していた通りだ。北側の蟻の死骸を片付けてくれ、そこにテント村を作る。逸れ蟻は狩って構わん」
「了解です」
「上位ランクの冒険者達は何人来ている?」
「30人程です」
「よし、西の迷宮を解放するぞ。適当に攻略を始めさせるんだ。植物系のモンスターは通常の報酬に色を付けて買い取りだ」
「「「「アイアイサー!」」」」
「しばらく塞いでいたから大量にいるだろうしボスもリポップしてるはずだから一応気を付けていけよ! 気を付けるのはお前らの心配じゃなくて素材の状態だからな!」
「「「「ハハハハハ」」」」
「中位ランクの冒険者は逸れ蟻の掃討だ! 巣に向かって行軍! 龍の撃ち漏らしを片付けろ!」
「「「「ブーブー」」」」
「うるせえ! 報酬出すんだからしっかり働けよ!」
「「「「うぇーい」」」」
「グランツはいるか!?」
「ここに」
「中位ランクの指揮を頼む。無理そうなら応援を出す」
「畏まりました」
「手の空いてる連中は大通りの瓦礫の撤去だ! 全員行動開始!」
「「「「「了解! 」」」」」
男はまくし立てるように次々と指示を出すと、満足そうに頷いた。
「さて、お前達には礼を言わないとな。蟻の足止めだけでなく、人命の救助まで……本当に助かった! ありがとう」
「感謝ならシオに、こいつが言い出さなければこの街で退避の支援をして終わりだったはずだ」
「シオ?」
はーい、と手を上げる。
「巨大化してたゴーレムか。意思の疎通も可能とか驚きだな」
まあ普通じゃないらしいからね。
「ん? ……んー。お前さん、ゴーレムなのか?」
ゴーレムなんじゃないの?
「ああ、人の魂が中に入っているのか。久しぶりに見たな」
過去にもそういうの居たんだ!?
「てことは、ああ。念話出来るか? 分かるか?」
分かるよ。
「そうか! 助かったぜ。感謝してもしきれねえ」
どうもどうも。
「報酬を用意してやらんとな。何か欲しい?」
てかあんた誰よ? 仕切ってたから偉い人?
「そう言えば自己紹介してなかったな。オレっちは魔法都市ムルマーのケイ=ジューだこう見えて偉いぞ」
偉いんだ?
「おう、多少なら無茶が効くぞ? ただしオレっちと敵対するようなお願いは却下だ」
ケイの目が怪しく光る。
対するオレの目は相変わらず空洞だ。今言う必要は無いか。
あんまり無茶なお願いはやめておこう。
ふむ。それじゃあさっきの扉の魔法でムルマーまで連れてって貰える?
「出来るぞ。ムルマーに何か用事か?」
うん。レベッカ=ダンゲからの依頼でサフィーラ副学長に渡すものと解析をお願いしたい物があるんだ。
「……意外と大物の名前が出てきたな。お前ら何者だ?」
オレ達はただのゴーレムとただの愉快な仲間達だよ。
「愉快なゴーレムは巨大化したり話したり出来るのがデフォなのか? それに愉快な仲間達の中に勇者様やら蛮勇やら混じってる様だが」
およ? アイとゴートは意外と有名人?
「まあそこそこだな。ある程度の冒険者なら情報収集中に名前を聞く程度には有名だぞ」
そうなんだー。
「お前の方が有名かもな。お前『国崩し』か?」
……そうだね。
「あっさり認めるとは意外だったな。グランフォールの有名人とゴーレム、まあ『国崩し』を疑うわな。大手の組織ではお前さんの情報は結構貴重なんだぜ? グランフォールを破壊した後グランフォールの再生に手を貸す。その後姿を眩ませて、再度出てきたときは海都。そこで海人族と人魚達を解放し、今度はサイナでゴーフェスに参加。映像見たぜ? 予選は結構笑わせて貰ったよ。決勝のフルアーマーは格好良かったな!」
あれは親切なドワーフ兄弟のおかげだけどな。決勝中に会場を離れたらしくって礼も言えなかった。
「破壊の後は基本善行、まあある程度は信用してもいいと思っている。だけどお前が危険な事には変わりない。ムルマーで暴れられても困るからな」
信用が無いならオレはムルマーに入らなくてもいい。清蓮とゴートだけでも許可してもらえれば用事は済むだろうしな。……そうだ二人にサフィーラさんて人を紹介して貰えるか?
「……構わないけど、なんか嫌な予感がするな」
無理強いはしないよ? お前が偉いっていうんだから全部用事済まさせちゃうか。
この買い物リストの商品も用意してもらっていい?
「ふむふむ……ほとんど土産物じゃねえか! しかもメシ系と菓子系!」
マジか! 読めないから預かってきただけなんだけど。
「ムルマー饅頭にムルマー焼き、ムルマープリンにムルマー塩。普通の調味料とか砂糖なんかも混じってるな」
まあ買い物を頼んできた奴らは基本お子様だからな。
「レベッカ=ダンケ、オレっちより年上だと思ったんだが」
気にするな。でだ、報酬の件はこれでいいか?
「うーん。もう少し欲を掻いて欲しいところだが」
じゃあ用が済んだらサイス大陸のレベッカの工房まで扉繋いで。
「いや、いいけどさ。オレっちをパシりみたいに使う人は久しぶりに見たぞ」
人じゃないからノーカウントだ。ついでに蟻の後始末も頼んだ。
「ぶはっ! ずるいなーお前! ……蟻については任せろ、巣から放たれた野良蟻の撤去には時間がかかりそうだが、まあ司令蟻さえ片付ければどうとでもなるだろ。そういう人選もしておいた」
そりゃどうも。じゃあ頼むわ。
「了解、他に頼みたい事があったら言ってくれ。可能な限り手を貸すよ」
有難う。
「……国を単独で亡ぼせるゴーレムに礼を言われるとはなー。オレっち感動だ」
目的地に到着する前に大体の用事が片付きそうな気配だ。うん。ラッキー。
男は扉を閉めて消した。
「避難民の状況は?」
「全員疲弊してます。衰弱も酷いです。幸い水と食事は大量に準備されていたのでなんとかなっていますが、野菜類がほとんどありません」
「怪我人も多く医薬品が足りません、そもそも医療施設が診療所レベルの物しかありません。医師も不足しています」
「災害救助部隊の準備は?」
「連絡が来ています。ケイ様のゲート待ちです」
「じゃあゲート開くぞ。場所開けろ」
「はっ!」
男は先ほど開いた扉よりも更に巨大な、それこそ大きな車両でも簡単に通れるようなサイズの扉を虚空から作り出した。
おもむろにその扉に手を付けると、扉があっさりと開く。
ちょっとだけ、ギギギギギとかゴゴゴゴゴとか想像したのに残念だ。
扉が開くと、そこから大量の人と馬車が出て来る。
代表者っぽい人が男の前に来たが、それ以外の人間は素通りですぐに作業に入る。
「事前に話していた通りだ。北側の蟻の死骸を片付けてくれ、そこにテント村を作る。逸れ蟻は狩って構わん」
「了解です」
「上位ランクの冒険者達は何人来ている?」
「30人程です」
「よし、西の迷宮を解放するぞ。適当に攻略を始めさせるんだ。植物系のモンスターは通常の報酬に色を付けて買い取りだ」
「「「「アイアイサー!」」」」
「しばらく塞いでいたから大量にいるだろうしボスもリポップしてるはずだから一応気を付けていけよ! 気を付けるのはお前らの心配じゃなくて素材の状態だからな!」
「「「「ハハハハハ」」」」
「中位ランクの冒険者は逸れ蟻の掃討だ! 巣に向かって行軍! 龍の撃ち漏らしを片付けろ!」
「「「「ブーブー」」」」
「うるせえ! 報酬出すんだからしっかり働けよ!」
「「「「うぇーい」」」」
「グランツはいるか!?」
「ここに」
「中位ランクの指揮を頼む。無理そうなら応援を出す」
「畏まりました」
「手の空いてる連中は大通りの瓦礫の撤去だ! 全員行動開始!」
「「「「「了解! 」」」」」
男はまくし立てるように次々と指示を出すと、満足そうに頷いた。
「さて、お前達には礼を言わないとな。蟻の足止めだけでなく、人命の救助まで……本当に助かった! ありがとう」
「感謝ならシオに、こいつが言い出さなければこの街で退避の支援をして終わりだったはずだ」
「シオ?」
はーい、と手を上げる。
「巨大化してたゴーレムか。意思の疎通も可能とか驚きだな」
まあ普通じゃないらしいからね。
「ん? ……んー。お前さん、ゴーレムなのか?」
ゴーレムなんじゃないの?
「ああ、人の魂が中に入っているのか。久しぶりに見たな」
過去にもそういうの居たんだ!?
「てことは、ああ。念話出来るか? 分かるか?」
分かるよ。
「そうか! 助かったぜ。感謝してもしきれねえ」
どうもどうも。
「報酬を用意してやらんとな。何か欲しい?」
てかあんた誰よ? 仕切ってたから偉い人?
「そう言えば自己紹介してなかったな。オレっちは魔法都市ムルマーのケイ=ジューだこう見えて偉いぞ」
偉いんだ?
「おう、多少なら無茶が効くぞ? ただしオレっちと敵対するようなお願いは却下だ」
ケイの目が怪しく光る。
対するオレの目は相変わらず空洞だ。今言う必要は無いか。
あんまり無茶なお願いはやめておこう。
ふむ。それじゃあさっきの扉の魔法でムルマーまで連れてって貰える?
「出来るぞ。ムルマーに何か用事か?」
うん。レベッカ=ダンゲからの依頼でサフィーラ副学長に渡すものと解析をお願いしたい物があるんだ。
「……意外と大物の名前が出てきたな。お前ら何者だ?」
オレ達はただのゴーレムとただの愉快な仲間達だよ。
「愉快なゴーレムは巨大化したり話したり出来るのがデフォなのか? それに愉快な仲間達の中に勇者様やら蛮勇やら混じってる様だが」
およ? アイとゴートは意外と有名人?
「まあそこそこだな。ある程度の冒険者なら情報収集中に名前を聞く程度には有名だぞ」
そうなんだー。
「お前の方が有名かもな。お前『国崩し』か?」
……そうだね。
「あっさり認めるとは意外だったな。グランフォールの有名人とゴーレム、まあ『国崩し』を疑うわな。大手の組織ではお前さんの情報は結構貴重なんだぜ? グランフォールを破壊した後グランフォールの再生に手を貸す。その後姿を眩ませて、再度出てきたときは海都。そこで海人族と人魚達を解放し、今度はサイナでゴーフェスに参加。映像見たぜ? 予選は結構笑わせて貰ったよ。決勝のフルアーマーは格好良かったな!」
あれは親切なドワーフ兄弟のおかげだけどな。決勝中に会場を離れたらしくって礼も言えなかった。
「破壊の後は基本善行、まあある程度は信用してもいいと思っている。だけどお前が危険な事には変わりない。ムルマーで暴れられても困るからな」
信用が無いならオレはムルマーに入らなくてもいい。清蓮とゴートだけでも許可してもらえれば用事は済むだろうしな。……そうだ二人にサフィーラさんて人を紹介して貰えるか?
「……構わないけど、なんか嫌な予感がするな」
無理強いはしないよ? お前が偉いっていうんだから全部用事済まさせちゃうか。
この買い物リストの商品も用意してもらっていい?
「ふむふむ……ほとんど土産物じゃねえか! しかもメシ系と菓子系!」
マジか! 読めないから預かってきただけなんだけど。
「ムルマー饅頭にムルマー焼き、ムルマープリンにムルマー塩。普通の調味料とか砂糖なんかも混じってるな」
まあ買い物を頼んできた奴らは基本お子様だからな。
「レベッカ=ダンケ、オレっちより年上だと思ったんだが」
気にするな。でだ、報酬の件はこれでいいか?
「うーん。もう少し欲を掻いて欲しいところだが」
じゃあ用が済んだらサイス大陸のレベッカの工房まで扉繋いで。
「いや、いいけどさ。オレっちをパシりみたいに使う人は久しぶりに見たぞ」
人じゃないからノーカウントだ。ついでに蟻の後始末も頼んだ。
「ぶはっ! ずるいなーお前! ……蟻については任せろ、巣から放たれた野良蟻の撤去には時間がかかりそうだが、まあ司令蟻さえ片付ければどうとでもなるだろ。そういう人選もしておいた」
そりゃどうも。じゃあ頼むわ。
「了解、他に頼みたい事があったら言ってくれ。可能な限り手を貸すよ」
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