5年越しの花嫁

紅蓮。:*

文字の大きさ
3 / 18
青春の日々

店主(奏視点)

しおりを挟む
私ははると離れ、レジに向かった。

「すみません。これラッピングもおねがいします。」

その店の店主であろう老人は優しそうな雰囲気の人だった。

「贈り物かなにかですか?」

「はい。もうすぐ彼の誕生日なんです。」

ラッピングを終えると、その人はそれと一緒に液体のようなものが入った小瓶と一緒に手渡した。

「…これは?」

「この店からのおまけです。どうぞ受け取ってください。」

はるが誕生日のことをきいて、気を利かせてくれたのだろうか。

「ありがとうございます。彼もきっと喜びます。」

「いえ、それは彼ではなくあなたに。」

「…私にですか?」

「あなたにきっと必要になるでしょうから」

「…これは?」

「それは全てです。」

その人は優しい顔で答える。

「あなたが望めば不老不死の薬にも。完全犯罪を成し遂げる劇薬にもなるものです。」

にわかには信じ難いことだった。そんな薬があるのなら現代の医学がひっくりかえってしまう。だが、この人が嘘を言っているようにも思えなかった。

「正しく使えるのなら、誰かの幸せを守ることもできるでしょう。」

「幸せを…守る……。」

その人は最初と変わらず優しそうな顔でそれだけ言うと、店の奥へと戻って行った。

私は小瓶を制服のポケットに隠し、はるのところへと戻った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貴方にはもう何も期待しません〜夫は唯の同居人〜

きんのたまご
恋愛
夫に何かを期待するから裏切られた気持ちになるの。 もう期待しなければ裏切られる事も無い。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

貴方なんて大嫌い

ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...