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孤独のなかで
違う世界
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それから私はお祖母様に認めてもらうべく、猛勉強を始めた。
幸村の屋敷に住みはじめても、決しておごることなくひたすら学び続けた。
ある日、私は勉強の息抜きに庭を散歩していた。集中がきれた時には休んだ方が効率がいいと言われ部屋をだされた。焦っていても仕方が無い。わかってはいるがつい生き急いでいる自分がいた。
私が連れてこれたのは武家の屋敷のような広い屋敷だった。黒々とした瓦、屋敷に不釣り合いなほどの防犯設備。さすがは幸村グループの屋敷といったようなところだ。
この屋敷もとても広いが、庭がとても綺麗で、息抜きの際には私はよく庭を訪れていた。
ふと、人の気配を感じて立ち止まった。
屋敷の庭奥の方から誰かが歩いてくる。
4人…?親子のようだった。
とても幸せそうだった。とても。とても。
涙が出るくらい幸せそうだった。
綺麗な母親と小さな子供、優しそうな父親が手を繋いでいた。その横を私と同い年ぐらいの男の人がゆったりと歩いていた。優しそうな父親が小さな子供に花の種類を教えている。椿の花をみて目を輝かせる子供を幸せそうに見つめている。
「…お父さん。」
口が勝手にそう呟いた。父親には会ったこともないし、なにもきかされていない。わかるわけがないのに、なぜか確信がもてた。
とてもとても幸せそうだった。
自分とは違う世界にいるように感じた。
私は黙って来た道を引き返した。
着ている服がなぜか少し濡れていた。
だけど私は見て見ぬふりをした。
廊下で会う使用人は私のことをみて、そそくさと道をあけた。誰も何も言わなかった。
強くならなければならないと思った。
誰よりも、なによりも。
誰かを、自分を、守る力がほしくてたまらなかった。
幸村の屋敷に住みはじめても、決しておごることなくひたすら学び続けた。
ある日、私は勉強の息抜きに庭を散歩していた。集中がきれた時には休んだ方が効率がいいと言われ部屋をだされた。焦っていても仕方が無い。わかってはいるがつい生き急いでいる自分がいた。
私が連れてこれたのは武家の屋敷のような広い屋敷だった。黒々とした瓦、屋敷に不釣り合いなほどの防犯設備。さすがは幸村グループの屋敷といったようなところだ。
この屋敷もとても広いが、庭がとても綺麗で、息抜きの際には私はよく庭を訪れていた。
ふと、人の気配を感じて立ち止まった。
屋敷の庭奥の方から誰かが歩いてくる。
4人…?親子のようだった。
とても幸せそうだった。とても。とても。
涙が出るくらい幸せそうだった。
綺麗な母親と小さな子供、優しそうな父親が手を繋いでいた。その横を私と同い年ぐらいの男の人がゆったりと歩いていた。優しそうな父親が小さな子供に花の種類を教えている。椿の花をみて目を輝かせる子供を幸せそうに見つめている。
「…お父さん。」
口が勝手にそう呟いた。父親には会ったこともないし、なにもきかされていない。わかるわけがないのに、なぜか確信がもてた。
とてもとても幸せそうだった。
自分とは違う世界にいるように感じた。
私は黙って来た道を引き返した。
着ている服がなぜか少し濡れていた。
だけど私は見て見ぬふりをした。
廊下で会う使用人は私のことをみて、そそくさと道をあけた。誰も何も言わなかった。
強くならなければならないと思った。
誰よりも、なによりも。
誰かを、自分を、守る力がほしくてたまらなかった。
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