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舞が壊れた日9
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「……あ、その手があったね」
舞のあどけない一言を聞いて、彼女のことをよく知る人は一斉に1歩距離を離していた。
恐ろしいまでに強固な信頼関係が築かれている証である、それが好意的なものであればなお良かったのだが求めすぎであろう。
またろくでもないことをしでかすのだろうという目線を一身に浴びながら舞は標的を探すように周囲を1周、それも半ばで止まり、とある人物に笑みを向けていた。
「――ジーザス、神は死んだわ」
命の儚さを憂うのは戸事だった。舞の毒牙から逃れられるのなら今からでも改宗すると言うように胸の前で十字を切る。
「……はい? いきなりどうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないわよ。で、私は何をしたらいいの? 言っとくけどあの化け物に突撃したところで死体が1つ増えるだけよ」
「そんなことさせるわけがないじゃないですか……ちょっと失礼しますね」
そう言って舞は戸事の後ろに回る。危険人物に背後を取られるという危機的状況に戸事が表情を固くする傍らで、標的にならずに済んだと安堵の笑みを浮かべる新堂をきつく睨みつける。
舞は戸事の腕を持っていた。前に突き出すように介添えし、それも両腕、向けられた先はあの怪物であった。
「……で、これからどうするの?」
戸事が聞く。前ならえの姿勢を強要されているが、手持ち無沙汰の指は形に困る。手のひらをかざすのか、それとも拳を突き立てるのか、指示役の舞ではそこまで届かないため意味不明なのだ。
周囲の目線が厳しくなる中、舞は真剣な声色で、
「ビーム発射!」
ふざけたことをのたまっても何も起きない。起きるはずがない。
女児2人がふざけ合っているようにしか見えない光景に、不謹慎だと目線が刺さる。被害者は間違いなく戸事であり、
「……ごめん、これなんの真似?」
「真剣にやってくださいよ。銘が出来るようになったって言ったんですから」
責められるいわれなどないというのに何時になく切羽詰まった口調が、怒るに怒れなくさせる。
とはいえそもそも何がしたいか分からず、銘とは誰かも知らない戸事にとって、解決の糸口もみつからない。
「いつもの事だけど前提として話すこと8段くらいすっ飛ばしてるのよ、あなた。もうちょっと丁寧に細かく話しなさい」
「……手からビームが出るって本気で信じて発射って言ってください」
「出るわけないでしょ、馬鹿なの?」
「出たもん!」
「出たの!?」
「……ガーディアンがですけど」
話にならないわと戸事が首を振る。これが男を相手していたならその無防備な足を踏み砕いていたことだろう。
しかし、しかしである。目の前、グラウンドでは戦闘が続けられ、援護射撃も効果は薄い。勇み足でチェーンソー片手に突っ込もうとする職員まで出る始末となれば、早急に対応を求められていた。
「……本当にできるのね?」
「出来ます。あの辛い食事の日々の成果が今出るんですよ」
「辛い……食事……うっぷ」
味、食感、風味を思い出し戸事は思わず嘔吐く。手から光線を出すために始めたことでは無いにしても、成果があるとわかれば報われるというもの。
ならば――。
戸事は利き手の手首をもう片方の手で握る。立てた親指はサイトを示し、銃口に見立てた人差し指が怪物に向く。いわゆる指鉄砲の形を作り、そして、
「――っ、発射!」
出ない、なんてことは許されない。仲間のため、顔見知りのため、そして怪物の目を引くために戦う愛する人のため。戸事はありえないという常識を捨て、声を張り上げる。
「――まさか」
それは誰の声だったのか。新堂か、それとも他の職員か。どちらにせよ、目を疑う事態を目の当たりにして出た言葉に違いはなかった。
戸事の指先に光が宿る。種も仕掛けもない、まさに魔法だった。
しかし――。
チョロチョロと細い光線は蛇口のように地面に垂れて小さな穴を開ける。ただそれだけだった。
「ほ、ほんとに出た……」
成果よりも事象が現れたことに感無量で心が震える。彼女は人類の偉大なる1歩へ先に到達した事を知らず、それでも感動せざるを得なかった。
そこへ水を差すのが舞という女なのだが。
「いや、ちゃんとしてくださいよ。なにこの、ジジイの残尿みたいなの。びっと、しゃっとさぁ、あるじゃないですか!」
「あんたねぇ……そんなに言うならあんたがやればいいじゃない」
「山ゴブリンが魔法なんて使えるわけないでしょう!」
理不尽に逆ギレされ、はいそうですかと頷ける人はどれほどいるだろうか。
心地よい感動に浸っていた戸事はついに堪忍袋の緒が切れた。意味不明なことをやれと言われてやったのだ、キレる前に言うことがあるだろう、それは社会人としてではなく人間として当然なことであるはず。
「……わかった。要はあの化け物さえぶっ殺せればいいわけでしょ。なら黙って見てなさい」
ふつふつと湧き上がる憤怒を押し殺し、戸事は無理やり笑みを作る。
人間が単純なのか、1度出来るとわかってしまえば今までの疑心暗鬼が嘘のように信じられるというもの、漕ぎ出すまで苦労した自転車と同じであり、何もそれは光線に限ったことでは無いと戸事は理解していた。
肝心なのは魔法という安っぽい言葉で示される超常現象を引き起こせるということ。ならばと手を振れば何も無かったはずの空間にメタルカラーの小さなパイナップルが突如現れていた。
「それって……しりゅう――」
「あら、舞さん。我社が爆発物なんて持っているはずがないでしょう? これはマジカルなパイナップルよ」
舞のあどけない一言を聞いて、彼女のことをよく知る人は一斉に1歩距離を離していた。
恐ろしいまでに強固な信頼関係が築かれている証である、それが好意的なものであればなお良かったのだが求めすぎであろう。
またろくでもないことをしでかすのだろうという目線を一身に浴びながら舞は標的を探すように周囲を1周、それも半ばで止まり、とある人物に笑みを向けていた。
「――ジーザス、神は死んだわ」
命の儚さを憂うのは戸事だった。舞の毒牙から逃れられるのなら今からでも改宗すると言うように胸の前で十字を切る。
「……はい? いきなりどうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないわよ。で、私は何をしたらいいの? 言っとくけどあの化け物に突撃したところで死体が1つ増えるだけよ」
「そんなことさせるわけがないじゃないですか……ちょっと失礼しますね」
そう言って舞は戸事の後ろに回る。危険人物に背後を取られるという危機的状況に戸事が表情を固くする傍らで、標的にならずに済んだと安堵の笑みを浮かべる新堂をきつく睨みつける。
舞は戸事の腕を持っていた。前に突き出すように介添えし、それも両腕、向けられた先はあの怪物であった。
「……で、これからどうするの?」
戸事が聞く。前ならえの姿勢を強要されているが、手持ち無沙汰の指は形に困る。手のひらをかざすのか、それとも拳を突き立てるのか、指示役の舞ではそこまで届かないため意味不明なのだ。
周囲の目線が厳しくなる中、舞は真剣な声色で、
「ビーム発射!」
ふざけたことをのたまっても何も起きない。起きるはずがない。
女児2人がふざけ合っているようにしか見えない光景に、不謹慎だと目線が刺さる。被害者は間違いなく戸事であり、
「……ごめん、これなんの真似?」
「真剣にやってくださいよ。銘が出来るようになったって言ったんですから」
責められるいわれなどないというのに何時になく切羽詰まった口調が、怒るに怒れなくさせる。
とはいえそもそも何がしたいか分からず、銘とは誰かも知らない戸事にとって、解決の糸口もみつからない。
「いつもの事だけど前提として話すこと8段くらいすっ飛ばしてるのよ、あなた。もうちょっと丁寧に細かく話しなさい」
「……手からビームが出るって本気で信じて発射って言ってください」
「出るわけないでしょ、馬鹿なの?」
「出たもん!」
「出たの!?」
「……ガーディアンがですけど」
話にならないわと戸事が首を振る。これが男を相手していたならその無防備な足を踏み砕いていたことだろう。
しかし、しかしである。目の前、グラウンドでは戦闘が続けられ、援護射撃も効果は薄い。勇み足でチェーンソー片手に突っ込もうとする職員まで出る始末となれば、早急に対応を求められていた。
「……本当にできるのね?」
「出来ます。あの辛い食事の日々の成果が今出るんですよ」
「辛い……食事……うっぷ」
味、食感、風味を思い出し戸事は思わず嘔吐く。手から光線を出すために始めたことでは無いにしても、成果があるとわかれば報われるというもの。
ならば――。
戸事は利き手の手首をもう片方の手で握る。立てた親指はサイトを示し、銃口に見立てた人差し指が怪物に向く。いわゆる指鉄砲の形を作り、そして、
「――っ、発射!」
出ない、なんてことは許されない。仲間のため、顔見知りのため、そして怪物の目を引くために戦う愛する人のため。戸事はありえないという常識を捨て、声を張り上げる。
「――まさか」
それは誰の声だったのか。新堂か、それとも他の職員か。どちらにせよ、目を疑う事態を目の当たりにして出た言葉に違いはなかった。
戸事の指先に光が宿る。種も仕掛けもない、まさに魔法だった。
しかし――。
チョロチョロと細い光線は蛇口のように地面に垂れて小さな穴を開ける。ただそれだけだった。
「ほ、ほんとに出た……」
成果よりも事象が現れたことに感無量で心が震える。彼女は人類の偉大なる1歩へ先に到達した事を知らず、それでも感動せざるを得なかった。
そこへ水を差すのが舞という女なのだが。
「いや、ちゃんとしてくださいよ。なにこの、ジジイの残尿みたいなの。びっと、しゃっとさぁ、あるじゃないですか!」
「あんたねぇ……そんなに言うならあんたがやればいいじゃない」
「山ゴブリンが魔法なんて使えるわけないでしょう!」
理不尽に逆ギレされ、はいそうですかと頷ける人はどれほどいるだろうか。
心地よい感動に浸っていた戸事はついに堪忍袋の緒が切れた。意味不明なことをやれと言われてやったのだ、キレる前に言うことがあるだろう、それは社会人としてではなく人間として当然なことであるはず。
「……わかった。要はあの化け物さえぶっ殺せればいいわけでしょ。なら黙って見てなさい」
ふつふつと湧き上がる憤怒を押し殺し、戸事は無理やり笑みを作る。
人間が単純なのか、1度出来るとわかってしまえば今までの疑心暗鬼が嘘のように信じられるというもの、漕ぎ出すまで苦労した自転車と同じであり、何もそれは光線に限ったことでは無いと戸事は理解していた。
肝心なのは魔法という安っぽい言葉で示される超常現象を引き起こせるということ。ならばと手を振れば何も無かったはずの空間にメタルカラーの小さなパイナップルが突如現れていた。
「それって……しりゅう――」
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