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第21話 【R18】晴人2
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それはほんの一瞬の出来事だった。
海は何事も無かったようにテレビを見ていた。映画は濡れ場が終わりいよいよ佳境へと向かっていた。
晴人はその横顔見つめたまま時が止まっていた。先程のことはどういうことなのか。誘っているのか。彼氏がいるのに? 夢か、現実か。都合のいい妄想なのか。
……わかんねえ。
頭は混乱を極めていた。心臓のはるか下から湧き上がる感情を理性が押し止める。
好きだ。やめておけ。やっぱり好きだ。駄目だろ。愛している。拒否されたらどうする。手に入れたい。遅いんだよ。
人生で初めて熱に浮かされていた。今までのどんな風邪よりもくらくらして、意識が遠のきそうになる。
まるで溶鉱炉に落ちたようだ。横顔を見ているだけで、耐え難い愛情が膨れ上がってくる。もう胸の当たりまで浸かってしまっただろうか。ために溜めた想いは酷く粘ついていて抜け出すことを許そうとしない。
「海」
気がつけば彼女の手に触れていた。一瞬大きく跳ね上がる肩に、警戒心が見て取れた。
拒否をするなら今しかない。それならそれで受け入れよう。晴人は握る力を強めていた。
抵抗は無かった。
指を絡ませるように手を動かす。
拒否されなかった。
空いている手で肩を抱いた。
身を寄せてきた。
肩を合わせて、垂れてきた頭を撫でる。微かに震える身体が伝わっていた。
……どうしよう。
罪悪感はある。しかしもはや引き返すことは無い。
晴人は海の頬に手を添えた。ゆっくりと正面を向く彼女の顔を自分の方へと向ける。錆び付いた音が聞こえそうなほどぎこちない動きで、海は首を回していた。
「海」
彼女は答えない。ただその目は熱く涙で潤み、頬は熱した鉄のように紅潮していた。
今まで見たことの無い姿に晴人は畏怖と後悔と、そして嫉妬を覚えていた。何よりも美しい女性にこれから手を出すことと、この姿を他の男が見慣れていることに対して。
未だ拒否する様子は無い。身体は意思のない人形そのものなのに、表情だけは雄弁に感情を語る。
「ずっと前から好きだった」
そして晴人は地獄の道へ一歩踏み出した。
互いに吸い付くようなキスを交わす。舌を絡め、熱い吐息を混ぜる。唾液を啜り歯の裏まで舌を這わせる。
息をするのも億劫なほど激しく気持ちを伝える。手を握りあい、身体を求めあった。
「っはぁ…」
先に耐えきれなくなったのは海だった。唇を離し、息を荒げて唇に着いた唾液を舐めとる。
「かわいい」
「ん…」
海は気恥しそうに首を小さく縦に振っていた。
その姿もまた劣情を誘う。
晴人は海の華奢な、しかし肉付きの良い身体を抱きしめていた。表面をなぞるだけの軽いキスをして、指で背中をまさぐる。
「やっ、だめ…」
言葉だけの拒否は受け付けない。晴人は背筋に指を当て、上へと撫であげる。
「んっ…」
ぴくっと浅い反応が返ってくる。
感じてる……
吐息に色が混じった。目の蕩け具合が強くなる。
「背中弱いの?」
「……ばか」
怒られた。少しむくれる彼女の頬に唇を当てる。舌を出してくすぐるように動かしているあいだ、背中にある手がブラジャーのホックをつまむようにして外していた。
「あっ、もう」
「駄目じゃないだろ?」
「……手慣れてる感じでムカつく」
手慣れてる、か……
そりゃ初めてじゃないけどと、晴人は苦笑していた。
晴人はキスを続けながら海の全身を優しく撫でていく。肩、腹、背中、足に腕。明確に敏感なところは避けて、産毛を逆立てるように反応を確かめていく。
「んっ…くすぐったいよ。笑っちゃいそう」
「笑ってもいいよ。楽しいから」
「何それ。ちょっと変態っぽいよ」
この状況で変態も何もないだろと、晴人は思いながら指の動きを加速させていく。
だんだんと強く、長く、そして敏感なところへと向かうように。上半身なら胸の、下半身なら股の近くに指を這わせていた。
吸い付くような瑞々しい肌は押せば力強く押し返してくる。わずかに膨らんだ胸の輪郭をなぞり、寄せあげては手を放して揺れる様を楽しんでいた。
「……ねちっこいのね」
「そうかな?」
それは誰と比べて? と晴人は心の中で呟いた。
ならばお望みどおりと服の下に手を滑り込ませる。腹を通り越し、ブラの隙間に手を入れて、その先にある小さな突起を指で軽く弾いた。
「ぁんっ!」
苦悶にも似た表情を海は浮かべていた。晴人はかまわずそのまま小ぶりな乳房を親指で押し上げる。
ぐにぐにと、形を変える乳房に、
……やば。
精神的興奮が抑えきれない。下唇を噛んで声を殺す海の姿も愛らしく感じていた。
胸を触る手とは別に、太ももを撫でていた指がショーツにまで触れるようになっていた。肌とは違う女性器特有の肉感に、心臓が早鐘を打つ。
ここが……
一度は手に入らないと諦めた場所。隠された門の上から下の唇を合わせるようにつまんでいた。
「あっ、んっ」
ぐにぐにと上に下にと指を動かす。じわりと湿り気を帯びたショーツを指が感じていた。
「濡れてきたね」
「っ…いうな、ばか」
また怒られる。晴人はショーツの上から膣口を下からなぞるようにゆっくりと指を這わせていた。
「んんっ…」
終点、クリトリスを円を描くように軽く撫でる。海はその刺激に悶え、筋肉を硬直させていた。
「気持ちいい?」
「……あっ、はぁ、はぁあんっ!」
胸と陰核を交互にいじられて、海は喘ぎ声を大きくしながら身体を丸めていた。腕を晴人の首に回し、ぶら下がるように体重を預けている。
可愛い。悶える姿も、恥ずかしがって見せまいとする所も。急いてしまいそうになる気持ちを抑えながら晴人は手淫を続けていた。
決定的な何かがないまま五分、十分と浅い快楽を与え続ける。時折欲しがるように海の腰がうねるが、晴人は焦らし続けていた。
「もっと顔見せて」
「はぁ、んっ、いやぁ…」
感じながら、海は首を横に振る。だらしなく開いた口からは溶けた気持ちが零れ落ちた。
感度いいな……
胸を、乳輪をなぞれば背を逸らし、秘所に手を添れば腹を丸める。甘い吐息に目を緩ませ、身体を支えている腕は最早力なく垂れていた。
「大丈夫?」
「んっ…な、何が?」
「感じすぎじゃない?」
流石に心配になって晴人は声をかける。
海は下唇を噛むと、力の入らない腕で晴人の胸を軽く叩いていた。
「だめ、なの?」
駄目じゃない。むしろ嬉しい。
ただ最後までしたら死んでしまうのではないかというほど妖艶に悶える様に、冷静になる部分があった。
……まあ、そっちがその気なら。
勝手にしておいて勝手に気持ちが萎えるのは流石に失礼と思い、晴人は前戯を再開する。今度はより快感を感じるように。
胸は小さくとも高く立った乳首はコルクのように大きく、根元から扱くように先端を優しくつまみ上げていく。
「んんっ、だめっ」
「いいんだろ?」
「ん、きもち、いいよ。かんじちゃう…」
囁く声に、晴人はいきり立つ気持ちを抑えるのが辛くなっていた。
海は何事も無かったようにテレビを見ていた。映画は濡れ場が終わりいよいよ佳境へと向かっていた。
晴人はその横顔見つめたまま時が止まっていた。先程のことはどういうことなのか。誘っているのか。彼氏がいるのに? 夢か、現実か。都合のいい妄想なのか。
……わかんねえ。
頭は混乱を極めていた。心臓のはるか下から湧き上がる感情を理性が押し止める。
好きだ。やめておけ。やっぱり好きだ。駄目だろ。愛している。拒否されたらどうする。手に入れたい。遅いんだよ。
人生で初めて熱に浮かされていた。今までのどんな風邪よりもくらくらして、意識が遠のきそうになる。
まるで溶鉱炉に落ちたようだ。横顔を見ているだけで、耐え難い愛情が膨れ上がってくる。もう胸の当たりまで浸かってしまっただろうか。ために溜めた想いは酷く粘ついていて抜け出すことを許そうとしない。
「海」
気がつけば彼女の手に触れていた。一瞬大きく跳ね上がる肩に、警戒心が見て取れた。
拒否をするなら今しかない。それならそれで受け入れよう。晴人は握る力を強めていた。
抵抗は無かった。
指を絡ませるように手を動かす。
拒否されなかった。
空いている手で肩を抱いた。
身を寄せてきた。
肩を合わせて、垂れてきた頭を撫でる。微かに震える身体が伝わっていた。
……どうしよう。
罪悪感はある。しかしもはや引き返すことは無い。
晴人は海の頬に手を添えた。ゆっくりと正面を向く彼女の顔を自分の方へと向ける。錆び付いた音が聞こえそうなほどぎこちない動きで、海は首を回していた。
「海」
彼女は答えない。ただその目は熱く涙で潤み、頬は熱した鉄のように紅潮していた。
今まで見たことの無い姿に晴人は畏怖と後悔と、そして嫉妬を覚えていた。何よりも美しい女性にこれから手を出すことと、この姿を他の男が見慣れていることに対して。
未だ拒否する様子は無い。身体は意思のない人形そのものなのに、表情だけは雄弁に感情を語る。
「ずっと前から好きだった」
そして晴人は地獄の道へ一歩踏み出した。
互いに吸い付くようなキスを交わす。舌を絡め、熱い吐息を混ぜる。唾液を啜り歯の裏まで舌を這わせる。
息をするのも億劫なほど激しく気持ちを伝える。手を握りあい、身体を求めあった。
「っはぁ…」
先に耐えきれなくなったのは海だった。唇を離し、息を荒げて唇に着いた唾液を舐めとる。
「かわいい」
「ん…」
海は気恥しそうに首を小さく縦に振っていた。
その姿もまた劣情を誘う。
晴人は海の華奢な、しかし肉付きの良い身体を抱きしめていた。表面をなぞるだけの軽いキスをして、指で背中をまさぐる。
「やっ、だめ…」
言葉だけの拒否は受け付けない。晴人は背筋に指を当て、上へと撫であげる。
「んっ…」
ぴくっと浅い反応が返ってくる。
感じてる……
吐息に色が混じった。目の蕩け具合が強くなる。
「背中弱いの?」
「……ばか」
怒られた。少しむくれる彼女の頬に唇を当てる。舌を出してくすぐるように動かしているあいだ、背中にある手がブラジャーのホックをつまむようにして外していた。
「あっ、もう」
「駄目じゃないだろ?」
「……手慣れてる感じでムカつく」
手慣れてる、か……
そりゃ初めてじゃないけどと、晴人は苦笑していた。
晴人はキスを続けながら海の全身を優しく撫でていく。肩、腹、背中、足に腕。明確に敏感なところは避けて、産毛を逆立てるように反応を確かめていく。
「んっ…くすぐったいよ。笑っちゃいそう」
「笑ってもいいよ。楽しいから」
「何それ。ちょっと変態っぽいよ」
この状況で変態も何もないだろと、晴人は思いながら指の動きを加速させていく。
だんだんと強く、長く、そして敏感なところへと向かうように。上半身なら胸の、下半身なら股の近くに指を這わせていた。
吸い付くような瑞々しい肌は押せば力強く押し返してくる。わずかに膨らんだ胸の輪郭をなぞり、寄せあげては手を放して揺れる様を楽しんでいた。
「……ねちっこいのね」
「そうかな?」
それは誰と比べて? と晴人は心の中で呟いた。
ならばお望みどおりと服の下に手を滑り込ませる。腹を通り越し、ブラの隙間に手を入れて、その先にある小さな突起を指で軽く弾いた。
「ぁんっ!」
苦悶にも似た表情を海は浮かべていた。晴人はかまわずそのまま小ぶりな乳房を親指で押し上げる。
ぐにぐにと、形を変える乳房に、
……やば。
精神的興奮が抑えきれない。下唇を噛んで声を殺す海の姿も愛らしく感じていた。
胸を触る手とは別に、太ももを撫でていた指がショーツにまで触れるようになっていた。肌とは違う女性器特有の肉感に、心臓が早鐘を打つ。
ここが……
一度は手に入らないと諦めた場所。隠された門の上から下の唇を合わせるようにつまんでいた。
「あっ、んっ」
ぐにぐにと上に下にと指を動かす。じわりと湿り気を帯びたショーツを指が感じていた。
「濡れてきたね」
「っ…いうな、ばか」
また怒られる。晴人はショーツの上から膣口を下からなぞるようにゆっくりと指を這わせていた。
「んんっ…」
終点、クリトリスを円を描くように軽く撫でる。海はその刺激に悶え、筋肉を硬直させていた。
「気持ちいい?」
「……あっ、はぁ、はぁあんっ!」
胸と陰核を交互にいじられて、海は喘ぎ声を大きくしながら身体を丸めていた。腕を晴人の首に回し、ぶら下がるように体重を預けている。
可愛い。悶える姿も、恥ずかしがって見せまいとする所も。急いてしまいそうになる気持ちを抑えながら晴人は手淫を続けていた。
決定的な何かがないまま五分、十分と浅い快楽を与え続ける。時折欲しがるように海の腰がうねるが、晴人は焦らし続けていた。
「もっと顔見せて」
「はぁ、んっ、いやぁ…」
感じながら、海は首を横に振る。だらしなく開いた口からは溶けた気持ちが零れ落ちた。
感度いいな……
胸を、乳輪をなぞれば背を逸らし、秘所に手を添れば腹を丸める。甘い吐息に目を緩ませ、身体を支えている腕は最早力なく垂れていた。
「大丈夫?」
「んっ…な、何が?」
「感じすぎじゃない?」
流石に心配になって晴人は声をかける。
海は下唇を噛むと、力の入らない腕で晴人の胸を軽く叩いていた。
「だめ、なの?」
駄目じゃない。むしろ嬉しい。
ただ最後までしたら死んでしまうのではないかというほど妖艶に悶える様に、冷静になる部分があった。
……まあ、そっちがその気なら。
勝手にしておいて勝手に気持ちが萎えるのは流石に失礼と思い、晴人は前戯を再開する。今度はより快感を感じるように。
胸は小さくとも高く立った乳首はコルクのように大きく、根元から扱くように先端を優しくつまみ上げていく。
「んんっ、だめっ」
「いいんだろ?」
「ん、きもち、いいよ。かんじちゃう…」
囁く声に、晴人はいきり立つ気持ちを抑えるのが辛くなっていた。
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