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一章 高校生の春、私は貴方と再会した

4話

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生徒会長の話も無事に終わり、私は自分の教室へと向かった。

「さっき掲示板で見たら、私はAクラスだったんだよね。
……黒炎くんは、どこのクラスなんだろ?」

静かに教室の扉を開けた。

「へぇー。お前、黒炎っていうの? それ、本名?」

「まぁ、一応な」

「学校が終わったら、私たちと紅茶専門店にでも行きませんか?」

「いや……遠慮しとく。今日、寄るところあるから」

「そうですか、残念です」

「……」

黒炎くんと同じクラスで安堵するも、すでにたくさんのクラスメイトから囲まれていた。

(これだと、近付けないよ!)

きっと、さっきまでの私だったら気さくに話しかけられるかもしれない。
だって、人目を気にせず、通学路で抱きつけるくらいだよ!?

だけど、“アイツ”の存在を知った私では近付くことは出来ない。

けど、黒炎くんが他の女子と話してるのを見るとイライラする。
うぅ、私ってなんて最低なの!

黒炎くんに彼女がいたとしたら、さっきの通学路でのハグはめちゃくちゃ迷惑じゃん! 私が彼女さんの立場だったとしても嫌だよ。

これは、一体なんていう気持ちなの? 自分でもよくわからない。

(そういえば寄るところがあるって……)

盗み聞きしたのは悪いと思ったけど、聞こえてきたんだから仕方ない。
私は黒炎くんの後をつけようと密かに決めたのであった。

そんなに気にしてはなかったけれど、黒炎くんは名字を言っていない。
私と再会したときも、今だってそうだ。
これって、急な引越しと何か関係があるのかな?

* * *

学校が終わると、お母さんに「友達と遊ぶんだ」と嘘をついた。

そして、今は黒炎くんに気付かれないように尾行をしている私。

(これって、はたから見たら、ただのストー〇ーじゃん)

せっかく同じクラスになれたのに、話せなかったし。

さすがにバレたらマズいと思いつつも、真相を確かめるまでは! と、この恋を諦めきれない私であった。

「さっきから、痛いくらいに悪寒が……」

「!?」

黒炎くんがチラリと後ろを見る。私はすかさず、看板の裏に隠れる。

「……気のせい、か? そんなことより早く行かねえと!」

(良かった、バレてない)

私はホッと肩の荷が下りるように安堵する。

早く行くって、やっぱり恋人のところ? 他校に彼女がいるってこと?
私の心はモヤモヤで積もっていく。
まるで、雨が降りそうで降らない曇り空のときみたい。
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