再会した幼馴染は××オタクになっていました。

星空永遠

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九章 ハロウィンはドキドキがいっぱいで

75話

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「黒炎くんもカッコいいよ。前は試着だったけど、そのタキシードもカッコい……」

「名前は出さないように、だろ?」

最後まで言い終わる前に注意をされてしまった。私は名前を出してしまったとハッとしてしまう。
黒炎くんの指が私の口に当たってる。これ以上、名前を出さないようにというサインなんだろうけど人前でこれは恥ずかしすぎる。

「お嬢様、俺と一曲踊りませんか」

黒炎くんから差し出される手。しかも私のことをお嬢様って……。黒炎くんがその姿でいうと本物の王子様みたいに見えてくる。

「ぜひ、お願いします」

私は緊張していたけど、黒炎くんの手を握り返す。触れた手がやけに熱かったのは黒炎くんのことを意識していたからなのか。
さっきのように曲が流れ出すと、私たちは踊りだす。だけど、意外だったのは黒炎くんがしっかりとリードしてくれていたこと。普段からなんでも完璧にできるけど、まさかダンスまで出来るなんて。

「あ……ごめん」

私は考え事をしながら踊っていたせいで、黒炎くんの足を踏んでしまった。

「お嬢様、焦らずゆっくりと」

「は、はい!」

黒炎くんは痛そうな素振りなど微塵も見せず、ダンスを続けてくれた。ヒールで踏まれたんだから絶対痛いはずなのに。

しばらくすると曲が終わり、私たちは手を離した。

「あれぇ~、もしかして柊家のとこのお坊ちゃまかい?」

かなりお酒臭いオジさんがこっちにフラフラしながら近づいてくる。
お坊ちゃまって……黒炎くんのこと?

「お嬢様、良ければ外の空気を吸いに行きませんか」

「えっ……」

オジさんをガン無視するように私を強引に引っ張ると、外へ連れ出す黒炎くん。

「ここなら仮面外しても問題ないだろ……」

外に出ると、大きな噴水がある場所で一息ついていた。
マスクを外しながら、ベンチに腰をかける黒炎くん。

良かった。いつもの黒炎くんに戻ってる。さっきのリードしてくれる黒炎くんもカッコ良かったけど、やっぱり私は普段通りの黒炎くんのほうが好きだな。

「朱里もこっちに来て、座ったらどうだ?」

「そうするね」

私は黒炎くんの隣に座る。黒炎くんと男性とダンスをして、会長さんとも会話してたせいか足が疲れてしまった。座る場所もちらほらあったんだけど、なかなか座れなかったし、高いヒールを履いていたら疲労感もどっと来るわけで。
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