永遠ナンバーツー!!

メガゴールド

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初任務

16話  任務選び

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「オーッホッホ! エクス! あなたがこんなところで珍しい。依頼でも受けるつもりですの?」

 いつもの調子で高笑いしつつ、口元を金ぴかの扇子で隠す。
 背後にはファンらしき男子生徒たちがつどってる。

 ちなみにだけど、彼女はワイズやオーリと違い、取り巻きはいない。こうしてよってくる者はいるが、彼女は自分の周囲に人が集まるのが好きではないらしい。
 だからお付きの配下みたいなのはいない。お嬢様だから意外に思うかもしれないが、一匹狼を気どってる。

「ユーノさんはこちらによく来られるのですか?」 

 僕がそう問うと、

「まさか! わたくし、そんなものこなさなくとも成績は優秀ですからね! お金が足りない時は実家に請求しますし!」

 結構豪遊してそうですもんね。
 三位だから相当な学園通貨貰ってるはずなのに……

「では何故ここに?」
「それはあなたがここに入……コホン」

 ……僕が何?
 
 ああ、僕が見えたからからかいに来たのかな?
 まあでも他の生徒と違い、煽りも少し優しいから嫌な気持ちにはならないけどね。

 彼女はエンツーと呼ばず名前で呼んでくれるし。

「ああ~いつかのエセお嬢ぉ~! べーっだ!」

 シールちゃんはユーノさんを見て舌をだす。

「この小娘……人間のくせに!」
「うっせえ! 成金!」

 仲悪いなこの二人……
 ユーノさんも人間人間と言わないであげてほしい。今度注意しよう。

「エクス! あなた本気でこの最下位の小娘と組む気なんですの!? わたくしのライバルとして、それは納得できませんわ!」
「まあ、見ててください。これから依頼受けるんで、ご興味あればついてきてご覧ください」
「え、ついてきてってデートのお誘い?」

 なんでそうなる。

「ま、まあわたくしも? 暇ではありませんし? でも? どうしてもというのなら? ついてってあげても? いいような?」

 なんで全部疑問系のニュアンスなんだ。

「ひっこめデブぅ」
「誰がデブですってえええ!」

 ブーイングするシールちゃん。
 僕は軽く頭を撫でながら注意する。

「シールちゃん。そういう事言っちゃダメだよ」
「でもあたしよりだいぶ太いよ」
「それはシールちゃんが細身なだけ。ちゃんと食べて……」

 ……食べてるな。うん。めっちゃ奢ったし。
 なんでこんなに背も小さくて細いのにあんなに食べるんだ?
 どこに栄養いってるんだろうか。
 ……胸にとかは言わない。セクハラだからね。

 まああのパワーにいって……

 いや待てよ。この前は奢れたから食べたが、シールちゃんはそんなに通貨ないはず。最下位だからね。
 ってことは、普段はあまり食べれてないのでは?

 ……心配になってきた。
 お金のためにもやはり依頼をこな……

「エクス! いつまで小娘の頭を撫でてるんですの!」
「え」

 あ、ずっと撫でてた。

「それならわたくしのことも……いえ、なんでもありませんわ」

 ……さっきからどうしたんだユーノさんは。顔も赤いし。

「エクスさんエクスさん! これこれ!」

 シールちゃんが一つの依頼書に食いつく。というか結構離れてるのによく見えるなシールちゃん。

 どれどれ……

 野盗退治か……それも並みの盗賊団ではないのか。
 実力のある魔族相手の実戦をしてみたい所だから都合いいね。

 ――ん? 危険度はAランク?

 ふーん。まあいいかこれで。

 僕は依頼書を外し、受付にもっていく。

「お願いいたします」
「はーい」

 受付の先生が受理してくれた。

「えっと、何人でこなす予定?」
「一人です。このシールちゃん一人」
「え!? その子最下位で有名な子よ!? あなたクラスならともかく、単独でこの依頼は自殺行為よ!」
「大丈夫です。僕が引率するんで」

 そもそも一緒にやったら通貨の独り占めができない。基本学園内通貨は生徒内で受け渡しはご法度はっとだ。
 シールちゃんに初依頼、多額の初報酬を与え、僕と協力するうまみを知ってもらいたいからね。

 万が一にならないよう僕が側にいれば何も問題はない。

「なんであの小娘ばかり小娘ばかり小娘ばかり……」

 なんかユーノさんから圧を感じる……

「ユーノ様こっち見て~」「ユーノ踏んで踏んで踏んで!」

「うっさいですわ!」

 ユーノさんの怒号でファンは吹き飛んでいった。
 やはり強いな。
 上を見るだけでなく、下からの突き上げも考えないと……

 だからこそ、僕にはシールちゃんが必要なんだ。
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