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初任務
17話 任務に行こう
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さて、依頼は受理したし、さっそく向か……
「あ、というかあなたって……」
受け付けの先生が僕を見て反応する。
……はいはい。どうせ永遠なんたらって言うんでしょ?
先生にまでエンツーとか言われるしね……
「エクス・リコード、アールス・リコードの弟さんよね!」
――!?
ま、まさかここでその名を聞くとはね……
明らかに僕の様子が変わったからか、シールちゃんとユーノさんは首をかしげてる。
「先生ね、アールスとは同じ学園出身だったのよ~。どう? 彼元気してる? 風の噂では病気かなにかとか聞いて心配してたのよ~」
「……」
――――――――――――――――――――
『エクス、お前は魔王になれる才をもってる。兄ちゃんとは違ってな。だからさ……なってくれよ。不甲斐ない兄の変わりにさ』
――――――――――――――――――――
わかってるよ兄さん。僕は魔王になってみせるから。
僕は受け付けの先生に軽く振り向き一言。
「元気ですよ」
「そうなの! よかった~心配してたからさ」
軽く会釈し、そのまま集会所を出る。するとユーノさんが疑問を口にする。
「エクス、あなたお兄様がいたの? 聞いたことなかったですわね」
「まあ、ね」
「どんな方なんですの? いずれご挨拶にうか、じゃなくて単純に興味あるのですけれど」
「……優しい人だよ。誰よりもね」
そう、素晴らしい兄……
「優しいのはエクスさんもだよぉ」
シールちゃんが食いついてきた。
「僕はたいしたことないよ」
「うっそだあ! あたしにあんなに奢ってくれたり助けてくれたじゃん!」
「……それは君に興味があったからで」
「興味ですってぇ!!」
ユーノさんが何故か大声を張り上げる。どうしたんですか。
「でもぉ。興味なくても見捨てる人にはみえないっていうかぁ」
「それはそうですわね。エクスは差別せず、誰にでも分け隔てない殿方ですから」
何故かユーノさんが誇らしげにしてる。……なぜ?
「だよねぇ」
「当然ですわ! エンツーとかつまらないあだ名で呼ぶ輩が多いのに、そんな者達にまで手を差しのべる……そんな優しさがエクスの魅力ですわ!」
「ふんふん」
「そのうえ、品行方正、貴族としての礼儀もあり……そ、その、綺麗な顔立ちといい好……って! 何言わせるんですの小娘!」
「えええ!? なに逆ギレ!? このデブお嬢おかしくないい?」
「だからわたくしのどこがデブなんですの!」
……なんか、この二人といると飽きないな。
それにユーノさん、僕をそこまで評価してくれてるなんて、よく見てくれてるというか……嬉しいね。
♢
僕達は、依頼のあった村にたどり着く。
受けた依頼の内容はこれだ。
近隣に住み着く野盗団の殲滅。
ハッキリ言って、たかが野盗ならAランクになるような依頼ではない。
ただ、厄介なボディーガードに魔物を従えてるという噂があるらしい。
村の自警団達ではとても太刀打ちできないんだとか。
依頼を受け失敗した生徒もいたらしい。
……実戦に、これほど使えそうなものはないよ。
悪党に手加減する必要もないしね。シールちゃんに気持ちよく暴れてもらおう。
「え、三人だけなのですか?」
依頼主の村長に驚かれた。
「いえ、僕とこちらのユーノさんは引率です。受けるのはシールちゃんだけ」
「よろしくぅ!」
「一人!?」
驚きすぎて、ぶっ倒れそうになる村長。いやいや驚きすぎですよ。
「こんなかわいらしい女の子だけだなんて無謀ですぞ!」
「えへへ~かわいらしいだって! エクスさん!」
かわいらしいのフレーズだけにしか反応しなかったシールちゃん。うん。自信あるようで結構結構。
「エクスさんもかわいいと思うぅ?」
「うん。かわいいかわいい」
軽く頭を撫でてあげる……と、
「キイイイ! なんで小娘ばかり小娘ばかり!」
ユーノさん……最近どうしたんですか。こんな荒ぶる方ではなかったのに。
……もしや撫でられたい?
「あの、撫でましょうか?」
「は、はえあああ!? な、なにをい、言って? ま、まあ? どうしても撫でたいというのなら? 仕方ないですので? 撫でさせてあげても? いいですけど?」
だからなんで疑問?
「じゃあ、どうしても撫でたいので」
そう言ってユーノさんの頭を撫でてあげる。
「げ、ゲヘヘ……い、いいですわね……ゲヘヘ」
かわいいんだけど、ゲヘヘはないでしょ。かわいいけどね。
まあ、嬉しそうで何より。
「こんな方々に任せていいんかのお……」
あ、村長さんがあきれてる……
「あ、というかあなたって……」
受け付けの先生が僕を見て反応する。
……はいはい。どうせ永遠なんたらって言うんでしょ?
先生にまでエンツーとか言われるしね……
「エクス・リコード、アールス・リコードの弟さんよね!」
――!?
ま、まさかここでその名を聞くとはね……
明らかに僕の様子が変わったからか、シールちゃんとユーノさんは首をかしげてる。
「先生ね、アールスとは同じ学園出身だったのよ~。どう? 彼元気してる? 風の噂では病気かなにかとか聞いて心配してたのよ~」
「……」
――――――――――――――――――――
『エクス、お前は魔王になれる才をもってる。兄ちゃんとは違ってな。だからさ……なってくれよ。不甲斐ない兄の変わりにさ』
――――――――――――――――――――
わかってるよ兄さん。僕は魔王になってみせるから。
僕は受け付けの先生に軽く振り向き一言。
「元気ですよ」
「そうなの! よかった~心配してたからさ」
軽く会釈し、そのまま集会所を出る。するとユーノさんが疑問を口にする。
「エクス、あなたお兄様がいたの? 聞いたことなかったですわね」
「まあ、ね」
「どんな方なんですの? いずれご挨拶にうか、じゃなくて単純に興味あるのですけれど」
「……優しい人だよ。誰よりもね」
そう、素晴らしい兄……
「優しいのはエクスさんもだよぉ」
シールちゃんが食いついてきた。
「僕はたいしたことないよ」
「うっそだあ! あたしにあんなに奢ってくれたり助けてくれたじゃん!」
「……それは君に興味があったからで」
「興味ですってぇ!!」
ユーノさんが何故か大声を張り上げる。どうしたんですか。
「でもぉ。興味なくても見捨てる人にはみえないっていうかぁ」
「それはそうですわね。エクスは差別せず、誰にでも分け隔てない殿方ですから」
何故かユーノさんが誇らしげにしてる。……なぜ?
「だよねぇ」
「当然ですわ! エンツーとかつまらないあだ名で呼ぶ輩が多いのに、そんな者達にまで手を差しのべる……そんな優しさがエクスの魅力ですわ!」
「ふんふん」
「そのうえ、品行方正、貴族としての礼儀もあり……そ、その、綺麗な顔立ちといい好……って! 何言わせるんですの小娘!」
「えええ!? なに逆ギレ!? このデブお嬢おかしくないい?」
「だからわたくしのどこがデブなんですの!」
……なんか、この二人といると飽きないな。
それにユーノさん、僕をそこまで評価してくれてるなんて、よく見てくれてるというか……嬉しいね。
♢
僕達は、依頼のあった村にたどり着く。
受けた依頼の内容はこれだ。
近隣に住み着く野盗団の殲滅。
ハッキリ言って、たかが野盗ならAランクになるような依頼ではない。
ただ、厄介なボディーガードに魔物を従えてるという噂があるらしい。
村の自警団達ではとても太刀打ちできないんだとか。
依頼を受け失敗した生徒もいたらしい。
……実戦に、これほど使えそうなものはないよ。
悪党に手加減する必要もないしね。シールちゃんに気持ちよく暴れてもらおう。
「え、三人だけなのですか?」
依頼主の村長に驚かれた。
「いえ、僕とこちらのユーノさんは引率です。受けるのはシールちゃんだけ」
「よろしくぅ!」
「一人!?」
驚きすぎて、ぶっ倒れそうになる村長。いやいや驚きすぎですよ。
「こんなかわいらしい女の子だけだなんて無謀ですぞ!」
「えへへ~かわいらしいだって! エクスさん!」
かわいらしいのフレーズだけにしか反応しなかったシールちゃん。うん。自信あるようで結構結構。
「エクスさんもかわいいと思うぅ?」
「うん。かわいいかわいい」
軽く頭を撫でてあげる……と、
「キイイイ! なんで小娘ばかり小娘ばかり!」
ユーノさん……最近どうしたんですか。こんな荒ぶる方ではなかったのに。
……もしや撫でられたい?
「あの、撫でましょうか?」
「は、はえあああ!? な、なにをい、言って? ま、まあ? どうしても撫でたいというのなら? 仕方ないですので? 撫でさせてあげても? いいですけど?」
だからなんで疑問?
「じゃあ、どうしても撫でたいので」
そう言ってユーノさんの頭を撫でてあげる。
「げ、ゲヘヘ……い、いいですわね……ゲヘヘ」
かわいいんだけど、ゲヘヘはないでしょ。かわいいけどね。
まあ、嬉しそうで何より。
「こんな方々に任せていいんかのお……」
あ、村長さんがあきれてる……
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