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対決 1
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『では、拘束されていると言うブランドンに会いに参ります。』
お母さんは突然、そう言った。
あの男には二度と会いたくないんだけどな。
『何の為にでしょうか?
もう、ヒロとは会わせたくないんですが。』
マティアスさんにぎゅっとしがみついて、不安をまぎらわせます。
あの男の事を考えるだけで、嫌な汗が出てくるようですよ。
『あの者は我が王国の宝を持ち出しておりますから、取り返さねばなりませんので。
マティアス殿、協力していただけますね?』
『そう言う事でしたら。』
ああ、やっぱり行かなくちゃダメなんですね。
でも、マティアスさんが一緒ならば、どんな困難も乗り越えられますよね、きっと!
『では、行きましょうか。』
お母さんが右手を差し出したので、そっと握った。
暖かな母の愛が伝わってきた気がしました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『おや、チリカではないか。
それと、そなたの娘御のチヒロだな。
俺を迎えに参ったのだな。』
ブランドンのいる部屋に入るなり、その男がそう言った。
『ブランドン、あなたはもう、ジーズー王国とは何の関係もございません。
持ち出した王家の宝を返して下さい。』
『ふん。
俺は国王だぞ。』
『口を慎みなさい。
国王は兄のブィルップ陛下ですよ。
そもそも、あなたには継承権は与えられておりません。』
『俺はチヒロの夫だ。
継承権が発生するぞ。』
『チヒロはこの、マティアス殿に嫁ぎますから、ブランドンとは結婚しませんよ。』
『そんな事は誰も認めないな。
神からは俺とチヒロを夫婦とし、俺を国王にするとの言葉を賜ったのだぞ。
チリカも託宣を聞いたであろう?』
『それは、、、』
自信満々ににやけるブランドンがいた。
腹のたつ話だが、取りあえずは喋らせておかなければなるまい。
今は我慢の時だった。
お母さんは突然、そう言った。
あの男には二度と会いたくないんだけどな。
『何の為にでしょうか?
もう、ヒロとは会わせたくないんですが。』
マティアスさんにぎゅっとしがみついて、不安をまぎらわせます。
あの男の事を考えるだけで、嫌な汗が出てくるようですよ。
『あの者は我が王国の宝を持ち出しておりますから、取り返さねばなりませんので。
マティアス殿、協力していただけますね?』
『そう言う事でしたら。』
ああ、やっぱり行かなくちゃダメなんですね。
でも、マティアスさんが一緒ならば、どんな困難も乗り越えられますよね、きっと!
『では、行きましょうか。』
お母さんが右手を差し出したので、そっと握った。
暖かな母の愛が伝わってきた気がしました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『おや、チリカではないか。
それと、そなたの娘御のチヒロだな。
俺を迎えに参ったのだな。』
ブランドンのいる部屋に入るなり、その男がそう言った。
『ブランドン、あなたはもう、ジーズー王国とは何の関係もございません。
持ち出した王家の宝を返して下さい。』
『ふん。
俺は国王だぞ。』
『口を慎みなさい。
国王は兄のブィルップ陛下ですよ。
そもそも、あなたには継承権は与えられておりません。』
『俺はチヒロの夫だ。
継承権が発生するぞ。』
『チヒロはこの、マティアス殿に嫁ぎますから、ブランドンとは結婚しませんよ。』
『そんな事は誰も認めないな。
神からは俺とチヒロを夫婦とし、俺を国王にするとの言葉を賜ったのだぞ。
チリカも託宣を聞いたであろう?』
『それは、、、』
自信満々ににやけるブランドンがいた。
腹のたつ話だが、取りあえずは喋らせておかなければなるまい。
今は我慢の時だった。
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