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26 三つ巴
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「はーっはっは! それにしても驚いたぞ! まさか断られるとは思っていなかったからな!」
朝食の時間、3人の王太子と一緒に食事をしているけど、アーロン王太子は相変わらずうるさかった。
昨日の今日で、よくそんなに元気でいられると思う。
自国の考えが全く通らず、場合によっては少し下の立場での同盟参加なのに。
そう、昨夜遅くに戻ってきたアーロン王太子は、こちらの言い分を丸々飲んだ形での同盟参加となった。
セックトン国も後が無かったんだと思うけど、かなり焦っていたみたいね。
そんな事があったのに、アーロン王太子はいつも通りだ。
「リチャード王太子の考えには驚いた。よくあの短時間であんな事を思いついたものだね」
「ああ、少し前から他にやれる事は無いかと考えていたんだけど、順調に行っていて安心しているよ」
お兄様がリチャードの案(私が考えたんだけどね)を褒めたたえている。
ほっ、このままいけばリシア連邦とシチーナ共和国は軍を引くだろうし、上手くいけば東西両国とも同盟が組めるかもしれない。
そうなれば周辺の小国も巻き込んで、リシア連邦・シチーナ共和国に対抗できる同盟が出来る可能性が見えてきた。
通行手当は安くなるけど、その代わり人の行き来が盛んになって、経済も回ると思う。
「ところで諸君! 諸君等はまだシュタット国に留まるのか?」
「私は昼には出ようと思っている。父上に報告もしたいからね」
「私はもう1日残ろうと思う」
「なんだ、みんな帰ってしまうのか? もう少しゆっくりしていけばいいのに」
どうやらみんな早めに帰ってしまうみたい。
まぁそれもそうか、今はのんびりしている時間はないものね。
「そうか残念だ! では仕方がない、イングリッドは私が連れ帰るとしよう!」
「「ダメだ」」
「君達2人は気があっているな、ハッハッハ!」
まさかアーロン王太子まで私を口説こうとするとは思わなかったけど、しばらくは会う事は無いと思うし、早めにリシア連邦とシチーナ共和国の問題を解決して、国に帰れるようにしないと。
「安心しろイングリッド! 私はしばらく滞在する!」
「……は?」
「私は父上に使いを送ったからな、急いで帰る必要もない! ゆえにこの国でバカンスを楽しもうと思っている!」
「はぁ、それはどうぞ?」
「何を気の無い返事をしている、キミとの婚前旅行なんだぞ?」
「「「「……はぁ!?!?!?」」」」
私だけじゃなく、3人の王太子も一緒に驚いている。
それはそうよね、口説こうとしたのは知ってるけど、どうして結婚前提になっているの?
「アーロン王太子! イングリッドさんは私の許嫁だと言ったはずだ! 冗談はよしてもらおうか!」
「まつんだフィリップ王太子、イングリッドは我が国が迎えるつもりでいる、それは一旦止めてもらおうか」
「え? え? どういう事だ? なんでイングリッドが?」
言い争うリチャードとフィリップ王太子、そして何が起きているのか理解できないお兄様。
ええ、ええ、私も理解できていないわ。
リチャードとフィリップ王太子は知っている、でもアーロン王太子はなんで?
「ハッハッハ! 三つ巴か? 結構結構、俺はその方が燃えるというものだ!」
り、理解できないわ! 仕事で色んな人と接してきたつもりだったけど、こんなタイプは初めてよ。
どうしよう、本当に苦手なタイプだし、ハッキリと断った方が……あれ? でも前に口説かれた時は断ったような?
断り足りなかったのかしら。
でも断っても懲りなさそうだし……あ! そうだ、良い事を思いついたわ。
「皆さん落ち着いてください! 私は物ではありません、感情を持った人間です! そんなに人の気持ちを無視して言い争いをするのならどうぞご勝手に! 私は国へ帰ります!」
そう言って食堂を飛び出し、部屋へと戻って荷物をまとめると、さっさと馬車に乗り込んで祖国・ロイツェン=バッハへと向かった。
あ~、なにかしら、スッキリしたわ。
まぁどうせ連れ戻されると思うけど、精々つかの間の休息を楽しませてもらうとしましょう。
朝食の時間、3人の王太子と一緒に食事をしているけど、アーロン王太子は相変わらずうるさかった。
昨日の今日で、よくそんなに元気でいられると思う。
自国の考えが全く通らず、場合によっては少し下の立場での同盟参加なのに。
そう、昨夜遅くに戻ってきたアーロン王太子は、こちらの言い分を丸々飲んだ形での同盟参加となった。
セックトン国も後が無かったんだと思うけど、かなり焦っていたみたいね。
そんな事があったのに、アーロン王太子はいつも通りだ。
「リチャード王太子の考えには驚いた。よくあの短時間であんな事を思いついたものだね」
「ああ、少し前から他にやれる事は無いかと考えていたんだけど、順調に行っていて安心しているよ」
お兄様がリチャードの案(私が考えたんだけどね)を褒めたたえている。
ほっ、このままいけばリシア連邦とシチーナ共和国は軍を引くだろうし、上手くいけば東西両国とも同盟が組めるかもしれない。
そうなれば周辺の小国も巻き込んで、リシア連邦・シチーナ共和国に対抗できる同盟が出来る可能性が見えてきた。
通行手当は安くなるけど、その代わり人の行き来が盛んになって、経済も回ると思う。
「ところで諸君! 諸君等はまだシュタット国に留まるのか?」
「私は昼には出ようと思っている。父上に報告もしたいからね」
「私はもう1日残ろうと思う」
「なんだ、みんな帰ってしまうのか? もう少しゆっくりしていけばいいのに」
どうやらみんな早めに帰ってしまうみたい。
まぁそれもそうか、今はのんびりしている時間はないものね。
「そうか残念だ! では仕方がない、イングリッドは私が連れ帰るとしよう!」
「「ダメだ」」
「君達2人は気があっているな、ハッハッハ!」
まさかアーロン王太子まで私を口説こうとするとは思わなかったけど、しばらくは会う事は無いと思うし、早めにリシア連邦とシチーナ共和国の問題を解決して、国に帰れるようにしないと。
「安心しろイングリッド! 私はしばらく滞在する!」
「……は?」
「私は父上に使いを送ったからな、急いで帰る必要もない! ゆえにこの国でバカンスを楽しもうと思っている!」
「はぁ、それはどうぞ?」
「何を気の無い返事をしている、キミとの婚前旅行なんだぞ?」
「「「「……はぁ!?!?!?」」」」
私だけじゃなく、3人の王太子も一緒に驚いている。
それはそうよね、口説こうとしたのは知ってるけど、どうして結婚前提になっているの?
「アーロン王太子! イングリッドさんは私の許嫁だと言ったはずだ! 冗談はよしてもらおうか!」
「まつんだフィリップ王太子、イングリッドは我が国が迎えるつもりでいる、それは一旦止めてもらおうか」
「え? え? どういう事だ? なんでイングリッドが?」
言い争うリチャードとフィリップ王太子、そして何が起きているのか理解できないお兄様。
ええ、ええ、私も理解できていないわ。
リチャードとフィリップ王太子は知っている、でもアーロン王太子はなんで?
「ハッハッハ! 三つ巴か? 結構結構、俺はその方が燃えるというものだ!」
り、理解できないわ! 仕事で色んな人と接してきたつもりだったけど、こんなタイプは初めてよ。
どうしよう、本当に苦手なタイプだし、ハッキリと断った方が……あれ? でも前に口説かれた時は断ったような?
断り足りなかったのかしら。
でも断っても懲りなさそうだし……あ! そうだ、良い事を思いついたわ。
「皆さん落ち着いてください! 私は物ではありません、感情を持った人間です! そんなに人の気持ちを無視して言い争いをするのならどうぞご勝手に! 私は国へ帰ります!」
そう言って食堂を飛び出し、部屋へと戻って荷物をまとめると、さっさと馬車に乗り込んで祖国・ロイツェン=バッハへと向かった。
あ~、なにかしら、スッキリしたわ。
まぁどうせ連れ戻されると思うけど、精々つかの間の休息を楽しませてもらうとしましょう。
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