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第九十四話
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「よしシルビア! 今月中に香水を百本仕入れて来るんや!」
ステージア様にそんな事を言われ、商会の外へと追い出されてしまいました。
……え? これはどういうことですか?
私に香水を仕入れろとおっしゃいましたか??
貴族が私を気に止める事なくお店に入っていきます。
ここにいては邪魔になりますから、少し場所を移動しましょう。
お店の脇にずれ、呆然とお店に入っていく貴族を眺めています。
香水……女性が買うだけではなく、男性も香水を使います。
私も香水を持っていますが、花の香りがほのかにする程度の安物です。
香水の種類なんて知りませんし、そもそも香水を仕入れてお店で売るのでしょうか?
「それよりも、ステージア様は私に何をさせようとしているのでしょうか」
それを考えないといけませんね。
香水を百本仕入れる……適当な香水を百本仕入れたところで、ステージア様はご満足されないでしょう。
では一体どうしたらご満足いただけるのか……
「単純に考えればお店で売れる香水だわ。でも貴族相手のお店に置けるような高級な香水なんて、私には仕入れる事は出来ないでしょうし」
香水百本……ステージア様からしたら大した事ないのでしょうが、私が用意するとなると何とハードルの高い事でしょう。
何とか香水を仕入れる方法を考えなくてはいけません。
しかし私にそんなつてなんて……
「あ、ありました」
数日前に戻っていらしたから、今からお会いできないかしら。
私は急いで王城へと戻ります。
「どうしたのシルビア……シルビアから来てくれるなんて……珍しいね」
「突然お邪魔してしまい申し訳ありませんリック様」
私はリック様のお部屋にお邪魔しました。
リック様は現在行商をしており、王都に戻っている間は一般の商人のお店で働いてらっしゃる。
ステージア様とは違い、平民を対象とした商売をしてらっしゃる。
「お茶をいれ……久しぶりにシルビアのお茶……飲みたいな」
「はい、ではリック様、しばらくお待ちください」
久しぶりにリック様にお茶を入れるわね。
腕によりをかけて楽しんでいただこう。
「うん……美味しいよ」
「ありがとうございます。リック様に喜んでいただけると、私もとても嬉しいです」
お茶を入れて差し上げ、私とリック様は丸テーブルに向かい合って座ります。
あ、本当は王族であるリック様と同じテーブルに座るなんてありえませんが、二人の時、リック様とお呼びしてよい時は友人として接してくださいます。
「それでどうしたの?……今のシルビアが……僕の所に来るなんて」
「はい実はお願いしたい事があります」
「なに?」
ステージア様に香水を仕入れるように言われた事、そして香水を仕入れるルートが無い事、何とか香水を仕入れることが出来ないかなど、リック様に一通りお話しました。
しかし。
「それは……僕では力になれない……ね」
「リック様のお店では、香水の取り扱いがありませんか?」
「香水は……あるよ。でもね……ステージアお姉様は僕の店の……品ぞろえを全部知ってる……だから、僕から仕入れたとわかれば……多分突っ返されるよ」
! 私は大きな勘違いをしていました。
香水を仕入れる事ばかりに気を取られ、ステージア様が何を望んでらっしゃるのかを考えていません。
平民向けの香水を仕入れた、もしくはそのルートで香水を仕入れたところで、ステージア様にはご満足いただけないでしょう。
「そうですね。申し訳ありません、肝心なところが抜けていました」
「うん……でもステージアお姉様も……意地悪な事をいうね」
「意地悪、ですか?」
「そう……香水はね……作れる場所が決まっているんだ」
「それは数か所の決まった場所で香水が作られて、そこから各お店へと卸されている、という事でしょうか?」
「そうだよ……仕入れるには商人の資格が必要……だからシルビアは……香水を仕入れることが出来ないんだ」
「そ、それではステージア様は私に無理難題を吹っ掛けられたのですか?」
「……多分違うと思う……ステージアお姉様は……商売にはとても真摯」
商売に真摯という事は、商品に対しても真面目という事でしょう。
素人の私に商人の資格を取れとか、出来もしない事を言う事はないのでしょう。
では一体どうしろというのでしょうか。
「ごめん……力になれなくて」
「いえこちらこそ申し訳ございません。お手を煩わせてしまいました」
「ううん何でも言って欲しい……シルビアのお願いなら……なんでも叶えてあげたいから」
「ありがとうございます。では悩んだ時に相談に乗ってください」
「ふふふ……お安い御用だよ」
リック様の部屋を出て、私はお城の廊下を歩いています。
香水を仕入れる事は無理。
しかし香水を百本用意しないといけません。
ああそうですね、仕入れて来いとは言われましたが、どこから仕入れろとは言われていません。
そう、どこからも仕入れられないのですから、そんな事を言うはずがありません。
ではどうしたら……
「行き詰ってしまいました。とりあえずはお店にどのような香水があるか、それを調べてみましょう」
王都にある貴族向けのお店を順番にまわり、それが終わると平民向けのお店を見て回ります。
見ていて思いましたが、香水、特に貴族向けの物はとても高級品です!
え? え? このローズウォーターは平民の一年分の収入ですよ!?
「こんな価格のもの、私には仕入れる事すら不可能だわ」
えっと、つまり私はどうしたら良いのでしょうか。
仕入れる事は不可能、そもそも高すぎて手が出ません。
ステージア様は一体私に何をさせたいのかしら。
気落ちして街中を歩いていますが、ずっと歩き回っていたので喉が渇いてしまいました。
あの露店で果物水を買おう。
「いよう、アンタ王城のメイドさんかい? こんな場所で買い物なんて珍しいね!」
愛嬌のあるスキンヘッドの店員さんが果物水を渡してくれました。
王城メイドの襟には専用のバッヂがあるため、知ってる人なら一目でわかります。
お城のメイドは貴族が多いので、平民が多い街中では買い物をしませんしね。
「私は平民の出なので、こういう場所の方が落ち着くんです」
「おおそうなのか! じゃあこいつはオマケしとくぜ!」
そう言って違う果物水をお玉ですくってコップに入れてくれました。
何種類もあるんですね。
「ん? 果物水……これだわ!」
ステージア様にそんな事を言われ、商会の外へと追い出されてしまいました。
……え? これはどういうことですか?
私に香水を仕入れろとおっしゃいましたか??
貴族が私を気に止める事なくお店に入っていきます。
ここにいては邪魔になりますから、少し場所を移動しましょう。
お店の脇にずれ、呆然とお店に入っていく貴族を眺めています。
香水……女性が買うだけではなく、男性も香水を使います。
私も香水を持っていますが、花の香りがほのかにする程度の安物です。
香水の種類なんて知りませんし、そもそも香水を仕入れてお店で売るのでしょうか?
「それよりも、ステージア様は私に何をさせようとしているのでしょうか」
それを考えないといけませんね。
香水を百本仕入れる……適当な香水を百本仕入れたところで、ステージア様はご満足されないでしょう。
では一体どうしたらご満足いただけるのか……
「単純に考えればお店で売れる香水だわ。でも貴族相手のお店に置けるような高級な香水なんて、私には仕入れる事は出来ないでしょうし」
香水百本……ステージア様からしたら大した事ないのでしょうが、私が用意するとなると何とハードルの高い事でしょう。
何とか香水を仕入れる方法を考えなくてはいけません。
しかし私にそんなつてなんて……
「あ、ありました」
数日前に戻っていらしたから、今からお会いできないかしら。
私は急いで王城へと戻ります。
「どうしたのシルビア……シルビアから来てくれるなんて……珍しいね」
「突然お邪魔してしまい申し訳ありませんリック様」
私はリック様のお部屋にお邪魔しました。
リック様は現在行商をしており、王都に戻っている間は一般の商人のお店で働いてらっしゃる。
ステージア様とは違い、平民を対象とした商売をしてらっしゃる。
「お茶をいれ……久しぶりにシルビアのお茶……飲みたいな」
「はい、ではリック様、しばらくお待ちください」
久しぶりにリック様にお茶を入れるわね。
腕によりをかけて楽しんでいただこう。
「うん……美味しいよ」
「ありがとうございます。リック様に喜んでいただけると、私もとても嬉しいです」
お茶を入れて差し上げ、私とリック様は丸テーブルに向かい合って座ります。
あ、本当は王族であるリック様と同じテーブルに座るなんてありえませんが、二人の時、リック様とお呼びしてよい時は友人として接してくださいます。
「それでどうしたの?……今のシルビアが……僕の所に来るなんて」
「はい実はお願いしたい事があります」
「なに?」
ステージア様に香水を仕入れるように言われた事、そして香水を仕入れるルートが無い事、何とか香水を仕入れることが出来ないかなど、リック様に一通りお話しました。
しかし。
「それは……僕では力になれない……ね」
「リック様のお店では、香水の取り扱いがありませんか?」
「香水は……あるよ。でもね……ステージアお姉様は僕の店の……品ぞろえを全部知ってる……だから、僕から仕入れたとわかれば……多分突っ返されるよ」
! 私は大きな勘違いをしていました。
香水を仕入れる事ばかりに気を取られ、ステージア様が何を望んでらっしゃるのかを考えていません。
平民向けの香水を仕入れた、もしくはそのルートで香水を仕入れたところで、ステージア様にはご満足いただけないでしょう。
「そうですね。申し訳ありません、肝心なところが抜けていました」
「うん……でもステージアお姉様も……意地悪な事をいうね」
「意地悪、ですか?」
「そう……香水はね……作れる場所が決まっているんだ」
「それは数か所の決まった場所で香水が作られて、そこから各お店へと卸されている、という事でしょうか?」
「そうだよ……仕入れるには商人の資格が必要……だからシルビアは……香水を仕入れることが出来ないんだ」
「そ、それではステージア様は私に無理難題を吹っ掛けられたのですか?」
「……多分違うと思う……ステージアお姉様は……商売にはとても真摯」
商売に真摯という事は、商品に対しても真面目という事でしょう。
素人の私に商人の資格を取れとか、出来もしない事を言う事はないのでしょう。
では一体どうしろというのでしょうか。
「ごめん……力になれなくて」
「いえこちらこそ申し訳ございません。お手を煩わせてしまいました」
「ううん何でも言って欲しい……シルビアのお願いなら……なんでも叶えてあげたいから」
「ありがとうございます。では悩んだ時に相談に乗ってください」
「ふふふ……お安い御用だよ」
リック様の部屋を出て、私はお城の廊下を歩いています。
香水を仕入れる事は無理。
しかし香水を百本用意しないといけません。
ああそうですね、仕入れて来いとは言われましたが、どこから仕入れろとは言われていません。
そう、どこからも仕入れられないのですから、そんな事を言うはずがありません。
ではどうしたら……
「行き詰ってしまいました。とりあえずはお店にどのような香水があるか、それを調べてみましょう」
王都にある貴族向けのお店を順番にまわり、それが終わると平民向けのお店を見て回ります。
見ていて思いましたが、香水、特に貴族向けの物はとても高級品です!
え? え? このローズウォーターは平民の一年分の収入ですよ!?
「こんな価格のもの、私には仕入れる事すら不可能だわ」
えっと、つまり私はどうしたら良いのでしょうか。
仕入れる事は不可能、そもそも高すぎて手が出ません。
ステージア様は一体私に何をさせたいのかしら。
気落ちして街中を歩いていますが、ずっと歩き回っていたので喉が渇いてしまいました。
あの露店で果物水を買おう。
「いよう、アンタ王城のメイドさんかい? こんな場所で買い物なんて珍しいね!」
愛嬌のあるスキンヘッドの店員さんが果物水を渡してくれました。
王城メイドの襟には専用のバッヂがあるため、知ってる人なら一目でわかります。
お城のメイドは貴族が多いので、平民が多い街中では買い物をしませんしね。
「私は平民の出なので、こういう場所の方が落ち着くんです」
「おおそうなのか! じゃあこいつはオマケしとくぜ!」
そう言って違う果物水をお玉ですくってコップに入れてくれました。
何種類もあるんですね。
「ん? 果物水……これだわ!」
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