18 / 35
18話
翌日学園に行くと、ナンシーは来なかった。
それはそうよね、引っ越してしまったんだから来るはずがないわ。
でもどうして? 婚約者もいるのに引っ越しなんて、婚約者も一緒に行ったのかしら。
「今日もナンシーは休みなのか?」
「いいえ……引っ越しをするそうです」
「引っ越し!? なぜだ? そんなこと一言も言ってなかったじゃないか!」
バート様も理由は知らないみたい。
というより引っ越したこと自体を知らないのね。
そういえば昨晩、ごめんなさいって言ってたけど、どういう事かしら。
それに気が付かなかったって……何があったっていうの?
その日からあるウワサが学園内に流れた。
私がナンシーをイジメて王都から追い出した、と。
それからは教室では誰も話をしてくれず、時々物が無くなるようになった。
必死に知らないと説明をしたけど、誰も聞く耳を持たない。
おかしい、いくら何でもここまで話を聞いてくれないなんて……婚約破棄された時や、ジャネットが来た時でさえここまで酷くは無かった。
でも理由は直ぐに判明した。
ウワサは1年生から流れ、バート様と仲のいい私が気に食わない上級生が学園中に広めたのだ。
1年生……ジャネットかしら。
ウワサの内容としては『アシュリーは婚約者を妹に奪われ、腹いせに結婚を認めないどころか友人のナンシーにも嫌がらせをしている』だった。
そして今日聞いた新しい噂として『邪魔なナンシーを追いやって、バート王子に色仕掛けをしている』だ。
妹に婚約者を奪われたこと以外、全部間違ってる。
私、何か悪い事をしたかしら。
いつからだろう、両親やジャネットに酷い事をされるようになったのは。
小さい時……昔の楽しかった思い出がないわね。
そうね、学園を卒業だけさせてもらって、後は仕事を探して家を出よう。
きっと私は気が付かない内に悪い事をしていたんだ。
1年が過ぎて3年生になった。
2年生はほぼ1人で過ごしたわ。
時々バート様が話かけてくるけど、私とバート様がウワサになっているのを知ってか、ほとんど会話をしなかった。
でもそのお陰で、成績は学年1位になれたわ。
勉強しか……する事がないもの。
物が無くなる事は無くなった。
全部持ち歩けばいいから。
時々人がぶつかってきたり、足をかけられたりするけど、我慢すればいい。
そんなある日、私は学園長に呼び出された。
何かしら、まさか学園を追い出されるなんて事は無いわよね?
「こんにちはアシュリーさん。今日呼び出された理由は分かりますか?」
学園長さんは50歳くらいのおじいさんで、口の周りに髭を生やしている。
「……分かりません」
「そうですか。あるウワサについて聞きたいのだがね」
それはそうよね、引っ越してしまったんだから来るはずがないわ。
でもどうして? 婚約者もいるのに引っ越しなんて、婚約者も一緒に行ったのかしら。
「今日もナンシーは休みなのか?」
「いいえ……引っ越しをするそうです」
「引っ越し!? なぜだ? そんなこと一言も言ってなかったじゃないか!」
バート様も理由は知らないみたい。
というより引っ越したこと自体を知らないのね。
そういえば昨晩、ごめんなさいって言ってたけど、どういう事かしら。
それに気が付かなかったって……何があったっていうの?
その日からあるウワサが学園内に流れた。
私がナンシーをイジメて王都から追い出した、と。
それからは教室では誰も話をしてくれず、時々物が無くなるようになった。
必死に知らないと説明をしたけど、誰も聞く耳を持たない。
おかしい、いくら何でもここまで話を聞いてくれないなんて……婚約破棄された時や、ジャネットが来た時でさえここまで酷くは無かった。
でも理由は直ぐに判明した。
ウワサは1年生から流れ、バート様と仲のいい私が気に食わない上級生が学園中に広めたのだ。
1年生……ジャネットかしら。
ウワサの内容としては『アシュリーは婚約者を妹に奪われ、腹いせに結婚を認めないどころか友人のナンシーにも嫌がらせをしている』だった。
そして今日聞いた新しい噂として『邪魔なナンシーを追いやって、バート王子に色仕掛けをしている』だ。
妹に婚約者を奪われたこと以外、全部間違ってる。
私、何か悪い事をしたかしら。
いつからだろう、両親やジャネットに酷い事をされるようになったのは。
小さい時……昔の楽しかった思い出がないわね。
そうね、学園を卒業だけさせてもらって、後は仕事を探して家を出よう。
きっと私は気が付かない内に悪い事をしていたんだ。
1年が過ぎて3年生になった。
2年生はほぼ1人で過ごしたわ。
時々バート様が話かけてくるけど、私とバート様がウワサになっているのを知ってか、ほとんど会話をしなかった。
でもそのお陰で、成績は学年1位になれたわ。
勉強しか……する事がないもの。
物が無くなる事は無くなった。
全部持ち歩けばいいから。
時々人がぶつかってきたり、足をかけられたりするけど、我慢すればいい。
そんなある日、私は学園長に呼び出された。
何かしら、まさか学園を追い出されるなんて事は無いわよね?
「こんにちはアシュリーさん。今日呼び出された理由は分かりますか?」
学園長さんは50歳くらいのおじいさんで、口の周りに髭を生やしている。
「……分かりません」
「そうですか。あるウワサについて聞きたいのだがね」
あなたにおすすめの小説
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。
しげむろ ゆうき
恋愛
姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。
全12話
殿下をくださいな、お姉さま~欲しがり過ぎた妹に、姉が最後に贈ったのは死の呪いだった~
和泉鷹央
恋愛
忌み子と呼ばれ、幼い頃から実家のなかに閉じ込められたいた少女――コンラッド伯爵の長女オリビア。
彼女は生まれながらにして、ある呪いを受け継いだ魔女だった。
本当ならば死ぬまで屋敷から出ることを許されないオリビアだったが、欲深い国王はその呪いを利用して更に国を豊かにしようと考え、第四王子との婚約を命じる。
この頃からだ。
姉のオリビアに婚約者が出来た頃から、妹のサンドラの様子がおかしくなった。
あれが欲しい、これが欲しいとわがままを言い出したのだ。
それまではとても物わかりのよい子だったのに。
半年後――。
オリビアと婚約者、王太子ジョシュアの結婚式が間近に迫ったある日。
サンドラは呆れたことに、王太子が欲しいと言い出した。
オリビアの我慢はとうとう限界に達してしまい……
最後はハッピーエンドです。
別の投稿サイトでも掲載しています。
妹は病弱アピールで全てを奪い去っていく
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢マチルダには妹がいる。
妹のビヨネッタは幼い頃に病気で何度か生死の境を彷徨った事実がある。
そのために両親は過保護になりビヨネッタばかり可愛がった。
それは成長した今も変わらない。
今はもう健康なくせに病弱アピールで周囲を思い通り操るビヨネッタ。
その魔の手はマチルダに求婚したレオポルドにまで伸びていく。
虐げられていた姉はひと月後には幸せになります~全てを奪ってきた妹やそんな妹を溺愛する両親や元婚約者には負けませんが何か?~
***あかしえ
恋愛
「どうしてお姉様はそんなひどいことを仰るの?!」
妹ベディは今日も、大きなまるい瞳に涙をためて私に喧嘩を売ってきます。
「そうだぞ、リュドミラ!君は、なぜそんな冷たいことをこんなかわいいベディに言えるんだ!」
元婚約者や家族がそうやって妹を甘やかしてきたからです。
両親は反省してくれたようですが、妹の更生には至っていません!
あとひと月でこの地をはなれ結婚する私には時間がありません。
他人に迷惑をかける前に、この妹をなんとかしなくては!
「結婚!?どういうことだ!」って・・・元婚約者がうるさいのですがなにが「どういうこと」なのですか?
あなたにはもう関係のない話ですが?
妹は公爵令嬢の婚約者にまで手を出している様子!ああもうっ本当に面倒ばかり!!
ですが公爵令嬢様、あなたの所業もちょぉっと問題ありそうですね?
私、いろいろ調べさせていただいたんですよ?
あと、人の婚約者に色目を使うのやめてもらっていいですか?
・・・××しますよ?
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。
売られたケンカは高く買いましょう《完結》
アーエル
恋愛
オーラシア・ルーブンバッハ。
それが今の私の名前です。
半年後には結婚して、オーラシア・リッツンとなる予定……はありません。
ケンカを売ってきたあなたがたには徹底的に仕返しさせていただくだけです。
他社でも公開中
結構グロいであろう内容があります。
ご注意ください。
☆構成
本章:9話
(うん、性格と口が悪い。けど理由あり)
番外編1:4話
(まあまあ残酷。一部救いあり)
番外編2:5話
(めっちゃ残酷。めっちゃ胸くそ悪い。作者救う気一切なし)