ラビットフライ

皇海翔

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イタコ――細田ヨネ巫女

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  青森へ向かう機内で巳一郎は玲奈に語った。
「霊媒的職業の成立するという恐山中心の風土には、僕は少なからず興味を持っていた。それは自分に理解しがたい不気味な異質の世界に対する僕の好奇心だったんだ。どのような異様な背景の中で、職業的巫女たちがその奇怪な一人合点的なささやきを交わしあっているのか、その風土を確かめてみたかったんだ」
「口寄せをするって言っていたわ・・・口寄せって何なの」
「『口寄せ』は、巫女を霊媒としていろいろな予言を聞くんだけど、『おしら様』から聞くんで、これは近親の亡霊から聴くらしい。やはり一定の賃金を払って仏を下ろしてもらうんだ。つまりローソクと賃金を巫女の前に差し出して、『何月何日の仏を呼んでくれ』と言うと、巫女は数珠を手繰りながら呪文を唱える。やがてその霊が巫女に乗り移り、亡霊の代弁としていろいろの伝言をなすんだ。しかもこれは予言をなすにとどまらず、亡霊の消息を伝えるらしい」
「Tの無意識に、チハルちゃんが植え付けた図像を再現するって言っていたけど、どうしてそんなことするのかしら」
「憑依型と言われるものも、毎回憑依するんじゃなくて、初めに憑依した心理状態を意識的に再現させるのが一般的なんだ。あの事件の体験を再現させ、繰り返し、声、表情、身振りを洗練させていくのさ」
 青森に着くと、巳一郎、玲奈、Tの三人はさっそく恐山の細田巫女の自宅へ向かった。ヨネは盲女だった。イタコ小屋には「口寄せ料三千円」の貼り紙がしてあり、床の間にはおしら様が祀られ、そのほかに季節の花や野菜――カブ、大根、白菜、ニンジン、果物、山菜、水、お神酒などが供えられていた。神前には、古式にのっとり「六曜盛」にされたコメと五穀――麦、アワ、キビ、豆が置かれている。ヨネは仕事に必要な道具、数珠、オダイジ、袈裟算木などの入った柳行李の前に端座していた。
「ようお越しなさった・・・お主がTじゃな。身内からチハルの呪縛をムンムンと感じる。さあ、私の前にお座りなされ。まずは口寄せ料三千円をいただこう。これからすることをかいつまんで説明するからな。しかとお聞きなされ」
「あの、ヨネさん。今日の模様を録音させてもらっていいかしら」
「録音するとホトケが中に入る。あなたはホトケを送り返すことができないでしょう。それはお断りします」
「ええっとですね。録音は諦めますが、この儀式は精神病理学的観点から大変貴重な結果が得られます。私は神経科学をやってますので、脳波を測定して憑依との関係をデータとして記録させていただけますでしょうか」巳一郎が言った。
「それは構わんよ」
「では、失礼します」
 巳一郎はさっそく電極パッドをヨネの頭部にあてがった。「どうぞ始めてください」
「これから何をするかというと、まずは交通事故で死んだチハルの霊をここに呼ぶ。そして私に憑依させる。次にTを私に憑依させ、チハルとTを対面させ同化する。これにより憑依した心理状態を再現させてチハルの呪縛を解いてやるんじゃ・・・では、始めるとするか」
 細田ヨネ巫女は数珠を手繰りながら呪文を唱えだした。死んだ子供の霊との交流「ハナコ」である。
「あなはかな わが花と見し孫子よ かくこそ行きしか。アアイやアアイや なんの花か 蓮の花とは呼ぶや 咲いたる花をば 傘に見せる   つぼめし花をば杖と頼む 二十一日の仏さま ハナ道よぶや」
 細田ヨネ巫女は開始六分ほどで口寄せの口調が一段と熱っぽくなった。七分後、巳一郎は脳波計を見て玲奈に告げた。「徐波が二十秒ほど出現している」
「精神医学的には異常な状態だわ・・・『祈祷性精神病』よ・・・」
「そーも、そーもや、年明けれや、アラめでたいや、門に立てる祝いの松、一の枝には金がなり、二の枝には銭がなり、三の枝には福がなる福徳幸いアラめでたいや」「そーも、そーもや、アラ面白いや、この殿の、春は花咲く夏は橘秋は菊、秋は実なり面白いや」「そーも、そーもや、じょうぶのお庭でたまをとる、孔雀仙人行座する、ぶほうの山を過ぎれや、一字を唱えて出でたもう、さんざら石は、巌となり、苔のふすまに、苔のたずな、君じょまします、アラめでたいや」・・・こうした文言が二十三節続いた頃、
「ばあば・・・!」細田ヨネ巫女についにチハルが憑依した。
「来たか・・・久しぶりじゃの。おまえに会わせたい男がおるんじゃ。しばし待たれよ。さあT、お主の出番じゃ。わしの手を握って」いうとヨネ女は再び先ほどの二十三節を唱えだした。
「・・・!。き、君はあの時の少女!」Tが絶句した。
「さあこれで準備は整った。チハルよ、お前は自身ではわからぬだろうが、あの事件の時、近隣にいた数名の者たちに呪縛をかけてしまったのだ。みな同じ悪夢にうなされ悩みぬいておる。さあチハルよ、お前がその時頭に念じたウサギとやらをここに見せておくれ・・・」
「わかった」
 カっとTの両眼が見開き、Tの脳裏に事件の時刻印された骨をむき出しにしたウサギの映像がありありと浮かび上がった。
「これは・・・!。ものすごい呪力じゃ、ものすごい念が込められておる。一般の者にはわからない・・・私の孫に、こんな力があったとは・・・Tよ、どうかな。ウサギの図像が少しずつ薄れておるな」
「はい」
「よろしかったの・・・チハル。今日はばあばのお願いを聞いてくれてありがとう。また機会があったら出会おうぞ」
「うん」
「よし。終わったようじゃ。千部、万部のご供養いただいたよりも喜んで帰るや、おいとま申そうや、お茶の道や、三千諸仏で送りもうそうや・・・」
 その時チハルの声がまたヨネに届いた。
「ばあば。あたしはどうして、事故で死ななければならなかったの?」
「異例じゃが話を聞こう。つまりな今、ほかのお客さんのためにおしら様を呼んでいるが、お前はほかのおしら様の使いであるのだろう。まずはあなた様の日常をお見せください」
 するとチハルの生前の日常――驚いた時、うれしい時、困ったとき、そして最後に怒った時の情景がヨネに伝えられた。チハルが絶叫したり、大声を出すと母親がたまらずに頭を抱えてうずくまる、そんな映像がつぶさにヨネに感得された。
「うん――さすがにあなたは神々の使者――それだけに現実の我々にはなじまなかったのですよ。法力が我々のはるか上をいっています。あなたは何かについてお怒りになった。その思念が、神を感受する能力を持った人々に伝播したのでしょう。
 むろんあなたは何かを伝えるためにチハルの体を借りてこの世へいらしった。しかし現実はそこに矛盾を感じたのではないでしょうか。現実というものがこの世にいるはずはない。ただし結びつきの相性ということはあります。つまりあなたと現実はアダムとイブが犯したような、矛盾を犯してしまったんではないでしょうか」
「へへっ」とチハルは軽くふきだした。
 ヨネは続けた。「合理主義と皆は言うとる。しかし物事にはなんにでも対極がある――老子はそう言うとる。信仰は不合理じゃから、そんなものに金をかけるなと合理は言う。しかし社会は合理主義で繁栄してきた。つまりあなたはその対極にある、信仰を忘れるなと、そう言うとるのじゃな」
「そうだ。酒を飲むやつはええぞ。酒飲みとは交信しやすい。合理性を忘れているからな」
 そうしてチハルは別れに唱えた。
「喜んで戻る わが身の寺まで送られもうそうや 送りもうそうや」
 巫女は呟いた。「仮に人の脳に完全、不完全があったとしても、不完全な脳には不完全であるだけの理由があるのじゃ。神々との交信じゃ。我々に何かを神は伝えようとなさっている」
 それまでひたすらヨネの言動に畏敬していた巳一郎は「ん?」という顔をして玲奈に小声でささやいた。
「不合理主義・・・だったらどうやって生活していくの?」

 涸沢では今、ナナカマドの紅葉が見ごろになっていた。上高地界隈に暮らしている人々はまた涸沢に向けて登りだした。
                                              
                                          <了>


                         あとがき



   「ラビットフライ」を閣筆するまでには7、8年の歳月を要しただろうか。サイトに入力するのに一年以上かかったから、約十年近くをこの作品に費やしたことになる。前作の「ちいさな人」「みやこおち」は各々五年ずつ。小説を書き始めたのは三十五の時で、中でも「ちいさな人」はノンフィクションで、小説中に記したとおり、私自身が幽体離脱を頻回にわたり体験したことが中核となっている。これにより私は幼児のころから死生観を植え付けられたといっていい。世に宗教があるが私は中空に浮いたとき女神に声をかけられたので、彼女こそが私の神なのだと思っている。おそらく人は、死後ああした浮遊をするのだろうと、私は確信しているので、仏教にもキリスト教にも染まらず過ごすことができた。
 十七、八年原稿用紙に向き合ってきたのだから、小説は私の体の一部であり、作品は私そのものであると言っていい。私の存在証明であり私の結晶である。
 まずはラビットフライを書くにあたり参考とした資料を以下に記す。
「The Next Technology」    日経BPムック 日経コンピュータ
「ロボット学」PHP
「家族が自殺に追い込まれるとき」鎌田慧
「出稼ぎ派遣工場」池森憲一
「ロボットという思想」浅田稔
「神経医工学」伍景龍 津本周作
「脳のしくみ」岩田誠
「脳と機械をつないでみたら」櫻井芳雄
「道徳の神経哲学」苧阪直行
「中年期鬱と森田療法」北西憲二
「精神科ER   緊急救命室」備瀬哲弘
「東尋坊 命の灯台」茂有幹夫
「精神鑑定医の事件簿」風祭元
「精神鑑定 脳から心を読む」福島章
「非行と犯罪の精神科臨床」野村俊明 奥村雄介
「IT企業という怪物」今野晴貴 常見陽平
「SEの処世術」岩脇一喜
「福島第一原発収束作業日記」ハッピー
「シミュレーション」白鳥則朗
「空間型コンピューター」廣瀬通孝
「バーチャルリアリティ」那野比古
「だまされる脳」講談社ブルーバックス
「イタコの誕生」大道晴香
「津軽のイタコ」笹森健英
  
 このうち「神経医工学」は特に精読した。小説を書く起動因はこの書で学んだ脳科学の知識だったが、作中には私の諸体験が反映し、中核は「アルプにて」にある、山小屋従業員として過ごした五年間が反映している。アルピニズムの一端でも感じていただければ幸いである。
 北アルプス涸沢では夏こそ長野県警の山岳救助隊が常駐していたが、春と秋に遭難が起こると山小屋従業員である我々が救助、つまりレスキューに繰り出した。私も幾人かの遭難者を救助した。その徳行が今になって善行為をなした活力として私の脳裏をよぎることがある。プライベートなことであるから詳細は省く。
 私は山小屋従業員として過ごしていた五年目の秋、私の独断で勝手に山を下りてしまった。共に働いていた社長、支配人、並びにスタッフの方々にご迷惑をおかけしたことをこの場を借りて謝罪します。申し訳ありませんでした。
 しかしこの「ラビットフライ」を完結したことにより、二十五年の歳月をかけてようやく私は山小屋従業員としての仕事に終止符を打つことができたと感じています。
 また「光石ほのか」章中に描いた冷凍食品会社は私が以前、実際に働いていた群馬県にある工場で、最後に冷凍餃子に異物が混入され会社は閉鎖に追い込まれた。この事件は新聞紙上をにぎわしたからまだ覚えている方もおられるだろうと思う。
 この先私に小説が書けるのか、書く材料があるのかそれは知らない。ただ昨今は哲学書を読んでいる。当分哲学に浸るつもりだ。それで何らかの概念、思想、哲理などが私の心身に浸透したら、私は新たな目をもって世界を眺めうるかもしれない。
 また私は犬を飼っているので、犬の目線で書かれた小説というのも面白そうである。
 このたびはラビットフライを最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。感想等、ございましたら、
tosi.sasa124@gmail.com
   まで、お寄せください。
 これは書くべきかどうか迷ったことだが、人生死ぬまで挑戦だと思うので思い切って記す。私はこれまで、小説を書くのに膨大な時間が必要だったので、女性とは親しくしてこなかった。たとえば私に連れ合いがいて、光石ほのかを作中で自殺させないでほしいと私に言い、私が応じた場合物語の筋が変わってしまう。登場人物の自然な展開が不自然なものになってしまう。それは作者である私にとって我慢のできないことだった。
 しかし今回のラビットフライの完結によりとりあえず私の前半生は終わったから、新たな出会いを求めてもいいような気がする。私のようなものでも付き合ってもいい、と思う方がいたらご一報いただきたいと思う。
 私は作家であるが、人生百年時代と言われる今、世に児童文学はあるが老人文学というのはあまり聞かない、ということに最近気づいた。高齢の方で、自分の人生を小説にしてもよい、と考える人がいたら、お話を伺いたいのでご一報ください。私がお宅に伺い、お話を聞かせていただきます。
 最後に、小説を完成させた後、今年六十で仕事を退職した私には膨大な閑暇が訪れた。いろいろしてみたいことはあるが創作を忘れて海に釣りに行ってみたい。できれば船を持っている方がいたら私を釣りにつれていってください。
 2023.9.30   小石川植物園にて ドピュシーの「牧神の午後の前奏曲」を聞きながら 植物とアートの生命力をあなたにそそぐ
 皇海翔 
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