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愛を誓うならヤドリギの下で 5
しおりを挟む真新しい指輪と共に過ごした週末が明け、シュカはいつもと変わらない教室へと入った。朝の挨拶が交わされる教室は過ぎた週末の出来事について語り合う声で騒がしい。
シュカも何人かと挨拶を交わしながら自分の席に向かい、教科書やノートを机にしまう。
「あっ…!」
その拍子に、ハンカチに包んで鞄に入れていた指輪が床に落ちてしまった。慌ててそれを追いかけようとして大きく椅子を鳴らしてしまうと、ざわついていた教室は一瞬だけ静まり返ったものの、すぐに何事もなかったかのように日常を取り戻す。
「…落としたの、これか?」
転がっていった指輪を拾ったのは、クラスでも何かと目立つ少年だった。
シュカとは違って癖のない赤毛を肩で切り揃えた髪型が印象的な彼は指先で拾い上げた指輪をシュカに差し出す。
「ありがとう! とても大事なものなんだ」
手のひらに落とされた指輪を閉じ込めるように握り締め、シュカは改めて彼を見た。
彼の名前はアッシュ・フォール。過去に幾人も優秀な魔術師を輩出していることで有名なフォール家の子息だ。
同じクラスになってもう何ヶ月と経ったが、実はアッシュと会話をしたのはこれが初めてだった。彼がいつもたくさんの取り巻きに囲まれていて近付くことが困難だったことと、アッシュ自身がどことなく近付き難い雰囲気を出しているせいもあった。
「そんなに大事なものなら学校に持ってこないほうがいいんじゃないか?」
「う、うん…」
ツンとした態度で言うとアッシュはさっさと教室を出て行ってしまった。彼を追うように幾人かが急ぎ足で教室を出て行く足音が遠ざかる。
シュカはハンカチに包み直した指輪をポケットに押し込んだ。アッシュに言われたとおり、鞄に入れていると落としても気付きにくいだろう。
(指に着けていられたらいいんだけどな…)
ルクシウスの気持ちが籠められた指輪を常に感じていられたらどんなに幸せだろう。けれど服飾品の着用は校則で禁止されている。
放課後になるまではお預けだと肩を落としながら、シュカは席に戻って図書館で借りた本を開いた。
「オイ」
待ち遠しかった放課後になり、掃除当番の生徒が気だるそうな動きで掃除をはじめるのを横目に図書館に向かう準備をしていたシュカの前に誰かが立った。気付いたシュカが顔を上げると、癖のない赤毛を垂らしたアッシュがいつもと変わらない何となく不機嫌そうに見える表情で、徐に手を突き出す。
机の上に落とされたのは長い革紐。色は茶色で、細すぎも太すぎもしない何の変哲もないただの紐だった。
「指輪、それに通して首から下げといたらどうだ」
「! ありがとう」
手に取った革紐は柔らかくなめされていて指輪を傷付けることもなさそうだ。
「わざわざ用意してくれたの?」
「…わざわざって程でもない。まあ、たまたま持ってたから…」
「本当にありがとう、アッシュ君!」
心を込めた謝礼の言葉にアッシュが僅かに目を見開く。
「…俺の名前知ってたのか」
「うん。もう何ヶ月も同じクラスにいるんだもん、さすがに覚えるよ」
「そうか…」
何だか歯切れの悪いアッシュはそれ以上は何も言わず、朝と同じように教室からさっさと出て行ってしまった。少し離れたところで待機していた取り巻き達は、やはりいつもと同じようにアッシュの後ろを追いかけていく。
シュカは早速、革紐に指輪を通して首から下げる。これなら制服の襟に隠れるし、不意に落としてしまう心配も少なくなるはずだ。
アッシュには改めてお礼をしようと考えながら、シュカは図書館へと向かった。
「へえ、そんなことがあったのか」
「今までは何となく近寄りにくいなって思ってたから驚いちゃいました」
図書館に着くなりルクシウスを見つけたシュカは革紐に通していた指輪を左手の薬指に嵌めると、代わりに革紐をハンカチに包んで丁寧に鞄にしまった。
ルクシウスは返却された本を棚に戻しつつも、シュカの話をしっかりと聞いてくれる。彼の仕事の邪魔をしてはいけないと知っているのに傍から離れがたくて、シュカは本を探すふりをして目の前の本の背表紙を指先でなぞった。
「…早く週末にならないかな」
「まだ一週間がはじまったばかりなのに?」
「だって、ルクシウスさんともっとずっと一緒にいたいんです…」
シュカが拗ねたようにそう言うと、ルクシウスは本を置き、空いた片手を伸ばしてシュカの唇に指で触れた。驚いて顔を上げたシュカをブルーグレーの瞳が笑みを含んで見下ろしている。
「週末はどこかに出かけようか? それとも家でのんびりするかい?」
「うーん…ルクシウスさんのおうちでのんびりしたいです。ルクシウスさんが今までに書いた本のこととか聞かせてほしいなって」
「君は本当に無欲な子だね。それだけでいいの?」
「……ルクシウスさんに一日中くっついてたい、です」
ルクシウスを独り占めできるなんて、本当にそれだけで充分に幸せなことなのだ。
シャツの腰辺りを掴んでいるシュカの手をそっと包むように握ったルクシウスは、周囲に視線を走らせ、人の気配がないことを確認すると身を屈めた。シュカはルクシウスの顔が近付いたことで条件反射のように頬を赤らめる。
「わかったよ。では週末は二人きりで過ごそう」
「は、はい…」
甘く囁かれた耳がくすぐったい。
耳を押さえて俯いたシュカの髪を撫でたルクシウスは何事もなかったように本の片付け作業に戻る。余裕のある彼の表情が何となく悔しいが、意趣返しをする気にはなれなかった。
シュカは目の前にあった本を適当に掴むと足早にその場から離れ、ルクシウスが視界に入らない位置の椅子に腰掛けると、本を置いたテーブルに突っ伏した。
「ルクシウスさんがカッコ良すぎて心臓に悪い…」
突っ伏した視線の端にサファイアの指輪が映る。
思い出すのは嬉しさと、押し潰されるみたいな胸の痛み。
「早く大人になりたいな」
ルクシウスの傍にいてもおかしくない人間になりたい。年齢だけでなく考え方や立ち振る舞いにおいてもだ。
けれどそれらは本を読むだけでは学べない。もっと様々なことを体験して、考え、自分の血肉に変えなくては。もう何度、新たな決意を胸に刻んだだろうか。
微かなため息を吐き出し、シュカはそんな気持ちを抱えたまま本の表紙を捲った。冬休み前に行われる期末試験のことも憂鬱に拍車を掛けている。成績を落とすなんて言語道断だ。
ルクシウスのおかげで魔術についての知識は格段に広がったし、比例して成績が上がったことを教師や両親からも褒められた。でも、それだけでは足りない。校長にさえ『賢者』と言わしめたルクシウスと並び立てるくらいの存在になりたい。
身の丈に合わない願いかもしれないが、この願いを叶えられるのは自分自身だけだ。
シュカはまじないのように左手の指輪を撫でると意識を本へと移した。
何の気なしに選んだ本には魔法生物についての記述があり、授業で習っている範囲に少し通じる内容だった。
上級学年になれば魔法生物と実際に触れ合う実地授業がある。もちろんそれらは気性の穏やかなものばかりだが、生き物とあまり触れ合う機会のなかったシュカは考えるだけでも緊張で汗が滲みそうだった。
(ルクシウスさんは魔法生物にも詳しいのかな…)
学生時代のルクシウスは風属性の魔術を選考していたと言っていたが、風の精霊は実際に見たことはあるのだろうか。
ふと思いついてノートに書き留めるながら、自然とシュカは宝飾品店でヤドリギの精霊との思い出を語ってくれた彼の横顔を思い出す。彼の話では、ヤドリギの精霊は最初からルクシウスにだけは姿を見せていたようだった。
精霊は基本的に自分が好意を向けた相手にしか姿を見せない性質だ。もちろん相性の良し悪しは人ごとに大きく異なり、あらゆる精霊から好かれる人もいればそうでない人も存在する。
適当に捲ったページには、シュカが子供の頃から知っている一人の魔術師について書かれていた。
『最初の魔女』こと、トワンナ・リエール。彼女はこの世界で一番強い魔力を持ち、あらゆる精霊から愛され、人としての生を終えた後は精霊王ランディルスティンの妻となった稀代の魔術師だ。
子供向けの絵本の題材としてもよく使われる彼女の話を物心つく前から読み聞かせられていたシュカにとっては、何だか身近に感じてしまう人物である。
まだ世界に今ほどたくさんの国がなかった古い時代に活躍した彼女のことは物語としてしか知らないけれど、父と母、そしてトワンナの影響を多大に受けたシュカは幼い頃から自分も将来は魔術師になるのだと決めていたくらいだ。
自分も精霊に好かれてみたいと胸をときめかせていた幼少期を思い出すと何やら無性に恥ずかしくなるが、成長した今のシュカは精霊よりもルクシウスから好かれたいと思っている。
「もう…僕ってば…」
即物的な自分に頭を抱えたくなる。しかし、そういう意味では大人になったのだとも思えた。
本の世界にのめりこんで現実の世界を遠ざけたままでは成長なんてできないのだと知っている。今の自分の実力を正確に見定めるのも重要なことだ。魔術においては、自己の能力の見誤りは文字通り命取りになる。
トワンナの血を引いていると伝承の残るごく一部の血筋以外、現代では古代魔術を操れる魔術師がほとんどいないのも頷ける。
古代魔術の源であり、魔術師に力を分け与える精霊は人間を超越した存在だ。だからこそ、四大精霊ではないもののヤドリギの精霊と共に何年も過ごしたルクシウスのすごさは『賢者』の呼び名に相応しい。
不意に、シュカの脳裏にアッシュの赤毛が甦った。
赤毛を持つ人間は生まれつき魔力が強いと言われている。名家の子息であるアッシュもたぶんきっとそうなのだろうと疑問を抱くこともなくシュカはそう考えた。
「また話す機会があったら聞いてみようかな」
今まで一度も話したこともなかった自分にわざわざ革紐を渡してくれたのだから、彼はきっと心の優しい人だ。ツンとしてどこか冷めた雰囲気の彼と話すことは勇気が必要ではあるけれど、話しかければたぶん無視はしない。何となくそう思えた。
シュカはノートの片隅に「アッシュ君に話しかける。お礼も言う」と小さく書き込んだ。
閉館時間を迎えて仕事を終えたルクシウスと並んで歩きながら今日考えたことを話すと、彼は目を細めて頷いてくれた。
「それはいい考えだ」
陽が落ちるのが早くなったこともあり、ルクシウスはシュカを家まで送ってくれるようになった。
シュカの家はルクシウスの家に向かうのとは正反対の方向で、仕事を終えて疲れているはずの彼にそんな負担をかけられないとシュカは言ったのだが、ルクシウスに「せめてもう少しだけでもシュカと一緒にいたいんだ」と言われてしまえば、それ以上の遠慮なんてできなかった。
涼しさを増した風に吹かれながら歩いていた薄暗い小道の向こうに家の明かりが見えると、ほっとするのと同時に残念な気持ちになるのも否めなかった。
ルクシウスに会えるのはまた明日の放課後で、彼を独り占めできる週末まではまだ遠い。
「シュカ」
呼ばれて顔を上げると、ルクシウスが指先を唇に押し付けてきた。
胸が甘くときめいて涙が滲みそうになる。
「このまま君を浚ってしまいたいな」
感情を抑えた低い声色がシュカの耳を熱く火照らせ、夏よりも厚みを増したルクシウスのローブを掴んだ指先まで高まった体温がじんわりと巡っていった。
「浚って、ください…」
銀の指輪が煌く左手でルクシウスの頬を撫でる。離れたくない。そんな思いを込めて手を伸ばしたシュカは指先でルクシウスの唇にも触れた。
暗がりで色を濃くしたルクシウスの瞳が細められ、シュカを貫くようにまっすぐ見つめられる。
不意にルクシウスに手を引かれ、シュカは小道を挟むように生えた木立の合間に踏み入った。茂った枝葉のせいでさらに深さを増した闇はきっと一人では不気味に感じただろうが、今はルクシウスが傍にいる。たったそれだけで何も怖くない。
明かりの届かない木の陰に身を潜り込ませるとルクシウスは閉じ込めるようにシュカを抱き竦め、少し離れたと思うと同時に唇を塞がれた。
「ん…っ」
あまり人が通らないとは言え、野外で人目を忍んで交わすキスに否応なく鼓動が速くなる。いつもより強く押し付けられる唇をしっかりと受け止め、シュカはルクシウスの背中に腕を回した。
「好きです…」
「ああ、私もだよ」
隙間なくぴったりと抱き合うこの時間が愛しい。
シュカはルクシウスの広い胸板に顔を埋めてジャスミンの香りを大きく吸い込む。
すっかり慣れた花の香りが自分にも染み付くらい、いつだってルクシウスの傍にいたい。子供っぽい願いかもしれないが、ルクシウスへの恋心が故にそう思うのだ。
「名残惜しいが、そろそろ君を帰さなければね」
一頻りお互いの体温を分け合ったあと、ルクシウスが静かにそう言った。
離れた身体の隙間に流れ込む秋の気配を強く含ませた風は随分と冷たく感じた。夏の暑さが過ぎると、この辺りにはあっという間に冬が来てしまう。
そんな短い秋の収穫を祝う祭りの準備が村を少しずつ彩りはじめている。シュカが背中を凭れさせている木も葉の色を秋に染めていて、風に揺れては乾いた音を立てていた。
「シュカは収穫祭には参加するのかい?」
小道へと戻り、ルクシウスに手を引かれて明かりが漏れる家々の合間を歩く。
気の早い家の前には既に収穫祭のための飾り付けが施されていた。
「はい。今年はお母さんがお祭りのお手伝いをするから、僕も一緒に参加しようかなって思ってます」
「そうか。図書館でもささやかな催しをするから、良ければおいで」
「はい!」
楽しみが増えたことを素直に喜んだシュカは顔を綻ばせる。
名残惜しさを感じながらも家の前でルクシウスと「また明日」を交換した。
ローブの裾を翻すルクシウスの背中を見送ってから家に入ると、既に夕食の支度はすべて整っていた。家族揃っての食事を済ませて母と一緒に食器を片付ける間、シュカは母の左手の指輪に目を向ける。
「お母さんの指輪の宝石って何?」
「これはシトリンよ」
「シトリン…」
手に付いた泡を洗い流した母は、わざわざ指輪を外してシュカに渡してくれた。恐る恐る指輪を受け取り、金色の指輪に紛れてしまいそうな淡い黄色の石を見つめる。
「シトリンは太陽の力が篭っていると言われているんですって」
「そうなんだ。確かに太陽みたいに綺麗な色だもんね」
指輪を返したシュカは自分の指輪に目を向けた。
夜空を切り取ったみたいな深い色のサファイアは母の指輪のシトリンとは真逆の印象だが、贈ってくれたルクシウスを思うと胸にはあたたかさが込み上げる。
「ねえ、お母さん。…学校に指輪を着けて行ったら怒られるかな」
「先生に相談するのが一番いいと思うわ。どうしても着けていたいならね」
「やっぱりそうだよね」
校則で禁止されている以上、指輪を着けたいのなら教師の許可は必須だ。
でもどうやって説明すれば良いのだろう。婚約者がいるから着けていたいと言って通じるものなのだろうか。シュカは無意識に指輪を撫でながら眉間にシワを寄せる。
自身も卒業生であるルクシウスは服飾品の着用が校則で禁止されていることを当然知っているし、シュカが常に指輪を身に着けていなくても気にしないはずだ。結局アッシュからもらった革紐に通して首から下げておくだけでも充分ではないかと結論を出したシュカは、やや晴れやかな表情で傍らの母を見た。
「しばらくは首から下げておくことにするよ。もしどうしても指に着けたいって思ったら、その時もう一度ちゃんと考えることにする」
「そうね、シュカがそう決めたのなら、それがいいと思うわ」
母に背中を押された気分で就寝の支度をしたシュカは部屋に戻ると窓を開けた。静けさに染まった夜風は肌寒く感じる。気の早い冬の気配に震えた肩に慌ててカーディガンを羽織った。
「おやすみなさい、ルクシウスさん。明日も明後日も、大人になってからも、僕はずっとルクシウスさんが大好きです」
晴れた夜には月と星に、雨の夜には雲の向こうの月と窓ガラスの雨粒に。祈りを込めた想いを語りかけて左手の薬指に嵌めた指輪にキスをするのが、両親にもルクシウスにも教えていないシュカのささやかな秘密の儀式だ。
商都の装飾品店で知り合った石の声を聞けるという少年がシュカに似合うと選んだのが、このサファイアだったらしい。
ルクシウスの瞳と似た色の石と相性が良いだなんて、あまりにも嬉しくてついつい頬が緩んでしまう。
「この石と僕はどんな音がしたんだろう」
想像するだけで胸がドキドキと騒ぎ出す。頬の熱さを夜風で冷ましてから窓を閉めたシュカは素早くベッドに潜り込んだ。
明日またルクシウスに会えるのが楽しみで仕方がない。
父と母も、恋人同士だった頃はこんな気持ちだったのだろうか。聞けそうな機会があったら聞いてみようと考えながらシュカは穏やかに眠りに就いた。
***
「アッシュ君、おはよう」
「ああ…おはよう」
教室に入ってきたアッシュに声をかけると、彼は少し驚いた顔をしたものの挨拶を返してくれた。
「これ、この間の革紐のお礼。甘いものが苦手じゃないといいんだけど…」
畏まったお礼よりもこういったもののほうが良いだろうと言って母が焼いてくれたクッキーを差し出すと、アッシュは黙ったままだったが受け取ってくれた。
「あの指輪」
「うん」
「婚約指輪なのか?」
「えっ…」
「そうでもなければ学校にまで持って来たりしないよな」
不意打ちの問いかけにシュカは顔を強張らせる。
「そういえば放課後には、いつも隣の図書館に行ってるようだな。少し見かけた程度だが司書長とも随分と仲が良いようだったし…」
ごくりと喉を鳴らしたシュカはアッシュの探るような視線を受け止めるしかない。手のひらに嫌な汗が滲む。
「婚約してる相手って」
「誰にも言わないでっ」
「……」
アッシュの言葉を遮ったシュカはうろうろと視線を彷徨わせる。
そんなシュカの手を掴み、アッシュは教室を出た。取り巻き達がついてこようとするのを視線だけで留まらせたアッシュは無言でシュカの手を引っ張っていく。
「あの、どこへ…?」
聞いてもアッシュは答えない。
授業開始にはまだ少し早い時間の廊下を歩き進んだアッシュがようやく足を止めたのは音楽室の近くだった。そこは授業がない限り人が近寄らない古びた校舎で、傷んだ廊下の板は歩くたびに軋むので誰かが来てもすぐにわかる。
「そんなに警戒しなくていい」
「え…?」
首の後ろを掻きながら視線を投げかけてくるアッシュに、シュカはわけがわからず困惑する。
「お前も、男同士で婚約してるんだろ?」
「…も、って…」
アッシュは答えず、代わりに制服の襟元から細いチェーンを引っ張り出した。それにはオモチャの指輪が通されている。
揺れる指輪とアッシュの顔を交互に見るシュカは驚きすぎて声にならない。
「俺の場合、自分で選んだ婚約者ではないけどな」
指輪を制服の下に戻しながらアッシュが苦笑する。
「…僕に教えても良かったの?」
「別に。お前は言い触らしたりしないだろ?」
「しないけど…」
「だから言っても構わないと思った。それだけだ」
そう思ってもらえたのなら嬉しい。ほっとして息を吐き出したシュカを見てアッシュも僅かに表情を緩めた。
「シュカの相手はどんな人なんだ? 俺はあの図書館にはほとんど行ったことがないから知らないんだ」
「えっと…優しい人だよ。すごく年上だけど、僕みたいな子供にも真面目に接してくれるし、婚約したのが未だに信じられない時もあるくらいで…」
「へえ。今度ヒマな時にでも顔を見に行ってみようかな」
からかいの色を浮かべた声で言われたシュカは僅かに顔を赤くしてアッシュを睨んだ。
今まで話したことがなかったはずなのにアッシュは随分と気さくな話し方をする。何となく普段のツンとした態度も薄らいでいて、シュカはそれが嬉しかった。
入学してすぐの頃からずっと放課後を図書館で過ごしていたシュカには友達と呼べる存在がほとんどいない。元より少し引っ込み思案な性格だったせいもありクラスに馴染めていなかったシュカからしたら、いつも誰かに囲まれているアッシュとは正反対の位置だ。
そう思っていたのに、気付けばこんなにも近いところに彼がいる。
落としてしまった指輪を拾ってくれたのがアッシュでなかったら、こんなふうに話すことはなかっただろう。不思議なこともあるものだ。シュカはわくわくと胸を躍らせながら、予鈴が鳴り響くまでその場でアッシュと話し込んだ。
あっという間に放課後になり、シュカはアッシュに軽く手を振ってから図書館へと向かった。
返却カウンターにルクシウスの姿はない。代わりに座っていたラランが笑顔を浮かべて軽く手を振ってくれた。彼女に小さく会釈してルクシウスを探すが、広い館内のどこにいるか見当もつかない。
「シュカ。司書長なら今は奥の書庫に行ってるぞ」
「そうだったんですね。見つからないはずだ…」
すっかり顔見知りになったジアスが教えてくれて、ようやくシュカの探検は終わった。
リアンフェール図書館の関係者しか入れない倉庫にいては仕方がない。シュカはルクシウスを探すのを諦めて目当ての本を探すことにした。
期末試験に向けての勉強をはじめるのに早すぎるということはない。少しでも良い成績で年末を迎えたいし、クリスマスはシュカの誕生日でもある。自分からお祝いを強請るようで心苦しくてルクシウスにはまだ言っていないが、ルクシウスの誕生日を聞き出すついでに彼から聞かれたら答えよう。
ノートに本の内容を書き止めながら勝手に緩む口元を隠せない。それでも次第にシュカは本の内容に引き込まれ、周りの様子も見えなくなった。
「シュカ、そろそろ閉館時間だよ」
「ふぇ?」
ノートの表面を滑っていたペン先が驚きで大きく横に滑る。
「驚かせてすまない。いつになく集中していたね」
「あ、はい。そろそろ試験勉強しようかなって思ってたので」
「そうか、期末試験の時期はもうすぐだったか」
シュカは急いでノートと本を片付けた。ずっとペンを握っていたせいで右手全体が痛い。
インクで汚れた右手が恥ずかしくて、なのにその手をルクシウスは当たり前のように握ってきた。
「今日もアッシュ君と話せたんですよ」
「どんな話をしたんだい?」
「えっと…」
シュカは、アッシュが自分と同じように同性の婚約者がいると打ち明けてくれたと言おうとして、慌てて口を閉じた。これはとてもデリケートな内容だ。おいそれと伝えてしまっていいものではない。
ルクシウスが他人に吹聴するような人ではないと重々承知しているが、勝手に話されてしまうのはアッシュにとって好ましくないことかもしれない。
自分だったら、少し嫌だと感じてしまう。だから勝手に話すのはやめようと決め、シュカは笑って誤魔化した。
「革紐のお礼にお母さんが作ってくれたクッキーを渡したんです。甘いものは苦手じゃないみたいで良かったなって」
鞄を肩から提げるとルクシウスと一緒に従業員用の通用口から館外へ出る。
今日は風が強い。外に出た途端、吹き止まない風に髪を掻き乱されたシュカは思わず目を閉じた。
制服の隙間から吹き込む風は思いのほか冷たくて、つい肩を震わせるとすかさずルクシウスがストールを巻いてくれた。こういうことがさり気なくできてしまうルクシウスのことをますます好きになる。
「うひゃあ、今日は冷えますねぇ!」
同じく大きく揺れる髪を押さえながらラランがぼやいた。寒がりの彼女は厚手のストールを首にぐるぐると巻き付けて、もう一秒たりとも我慢できないとばかりに足早に帰って行く。
今日の鍵当番のジアスも風の強さと冷たさに辟易したように顔を歪めた。
ジアスが通用口の鍵を閉めたのを確認したルクシウスに肩を抱き寄せられ、シュカはほんのりと頬を赤らめる。
そんな二人をすっかり見慣れたジアスは特に何を言うでもなく上着のポケットに鍵を突っ込んだ。
「お疲れさま、ジアス。また明日もよろしく」
「お疲れさまっス。シュカもまた明日な」
「はい、お疲れさまです、ジアスさん」
ひらひらと手を振ったジアスを見送り、ルクシウスと並んで帰路に就いた。
生地が厚くなったルクシウスのローブの裾を風が何度も大きく揺らす。
シュカはルクシウスが巻いてくれたストールが飛ばされてしまわないようにしっかりと押さえ、冷えた指先を自分の首に当てて暖を取った。明日もこんな気温になるのなら防寒用のローブを用意しなくては風邪を引いてしまいそうだ。
「シュカ、手を」
ルクシウスはシュカの右手を掴んでローブのポケットに引き入れてくれた。冷たい風から守られ、さらにルクシウスの体温に包まれた右手はあっという間にあたたかくなる。
シュカは歩きにくくならない程度にルクシウスに寄り添い、彼の腕に頬を擦り付けた。
「あっという間に冬が来ると思うと、ちょっと憂鬱ですね」
「そうだね。しかしその前の収穫祭の催しと、その後のクリスマスを考えると骨が折れそうだ」
「クリスマスにも何か催しをするんですか?」
「いや、図書館では特に何かするわけではないんだ。毎年、村の広場にツリーを飾るだろう? その準備の手伝いを頼まれてしまってね。今年はどうしても断りきれなかったんだよ」
そう言って困ったように笑うルクシウスに、シュカもなるほどと納得した。
毎年この村では広場にモミの木を置き、様々な飾り付けをして聖夜を祝う。
村が一年で一番力を注いでいる収穫祭より規模は小さいとは言え、モミの木の準備や飾り付けの用意は大変だろう。司書長として一日中図書館にいるルクシウスには、準備の手伝いをする余裕はあまりないはずだ。
「クリスマスって…確か、昔の聖人の誕生日を祝う日だったんでしたっけ」
「諸説あるようだけど一般的にはそう言われているね」
シュカは、よし、と心の中で呟いた。このままルクシウスの誕生日を聞いたとしても違和感のない流れになっているはずだ、たぶん。
「あの…っ、ルクシウスさんって誕生日はいつなんですか?」
緊張のあまり無意識に手に力が入る。
ルクシウスのローブのポケットの中で重ねられていた彼の手を自然と握るような仕草になり、シュカは慌てて手から力を抜いた。緊張と焦りと、いろいろな感情で手のひらに汗が滲んでいないかと心配になる。
「私の誕生日は秋だよ。十月十五日。今年はちょうど収穫祭の日と重なっているね」
「ええっ!」
思いがけない返答にシュカは目を見開いた。それから少しだけ、恨めしそうにルクシウスを睨む。
「今年の収穫祭って…もうあと一ヶ月もないのに、どうしてもっと早く教えてくれないんですか! プレゼントの用意、間に合わないかも…」
「この歳で誕生日を祝われるのも、ね。それにプレゼントだって無理に用意しなくてもいいんだよ。シュカの気持ちだけで充分さ」
「これは僕のプライドの問題なんですっ」
ポケットの中で憤りに任せてルクシウスの手を握る。
押し付けがましいことかもしれないが、恋人の誕生日を祝わないなんて許せない。それにルクシウスから贈られた指輪の礼もまだ不十分だ。
せめて少しでもお返しになるようなものを用意したかったのに、猶予が一ヶ月もないのでは満足のいくものを用意するのは難しそうだ。目まぐるしく思考を巡らせながらも、シュカはついつい恨めしくルクシウスを見つめてしまう。
(手作りのものとかは時間がかかるし、かと言ってプレゼントを買いに行く時間もお小遣いの余裕もあんまりないし…)
二週間とちょっとしかない猶予で何を用意できるだろうと思考を巡らせるシュカを見透かしたルクシウスが小さく笑った。
「本当に何も用意しなくていいよ。ただ、いつもよりもたくさんキスをさせてくれるだけでいい」
「え……」
冷たい風に晒されて冷えきっていたはずの頬がじわじわと熱くなる。
見下ろしてくるブルーグレーの瞳にはからかいの色なんて微塵もなくて、シュカはさらに耳まで赤くして俯いた。
「ダメかい?」
懇願するような声色で聞かれたら嫌だなんて言えなくなる。
元より嫌だと言うつもりなんてないシュカは顔を上げて、赤く染まった頬を晒しながら首を振った。ポケットの中で握り合った手のひらが汗で湿っているのに、そんなことを気にする余裕なんてない。
「収穫祭の準備が大変なのはわかってますけど、いつもみたいにお泊りしてもいいですか?」
「もちろんさ」
「じゃあ、日付が変わった瞬間にプレゼントあげられますね…」
恥ずかしさを誤魔化すためにルクシウスの腕に擦り寄ったシュカは、風に浚われてしまいそうなくらいの小声で呟いた。
次の瞬間、強く抱き締められ、視界いっぱいにルクシウスのローブの濃い色が広がる。
何か変なことを言ってしまっただろうかと不安になるシュカの耳にルクシウスのため息が飛び込んで、ますます不安になってしまう。
「君からのプレゼントを楽しみにしているよ」
嬉しそうな優しい声に鼓動が跳ねる。顔を上げたシュカの唇をルクシウスの指先が撫でた。
ルクシウスがキスをしたいと思ってくれているのだと理解したシュカの頬はさらに赤く染まる。
しかし生憎とここは帰り道の途中だ、薄暗く少し不気味な小道は人通りも少ないとは言え完全に無人だという確証もない。ルクシウスは惜しむようにシュカの唇をもう一撫ですると、ゆっくり身体を離した。
「すまない、冷えてしまったね。早く帰ろうか」
「は、はい…」
風は強くて冷たいのに、握り合った手は汗が滲むほど熱い。
さっきの自分の発言は大胆だったのではないかと今さら心臓が落ち着きなく騒ぎ出す。
(ぼ、僕すごいこと言った、よね…?)
横目で盗み見たルクシウスはいつもと変わりない態度だ。これが大人の余裕というものなのか。
悔しい気持ちと寂しい気持ちとが綯い交ぜになったシュカは、自分の家の明かりが見えるまで口を閉ざしたままだった。
「おやすみ、シュカ」
「おやすみなさい、ルクシウスさん」
家の前でいつものように「また明日」を交わし合い、家に入ったふりをして冷たい風に翻るローブの裾が闇に溶けて見えなくなるまで見送ってからシュカはようやく玄関ドアを開けた。
「お母さん、クッキーの作り方教えて!」
帰るなり開口一番にそう言ったシュカを見て、ミシェーラとイーサンは顔を見合わせる。
けれど息子の行動の原動力が何かを知っている母は美しく微笑んだ。
「いいわよ。早速今日から特訓ね」
「うん!」
こうしてその日から毎日、シュカの特訓に付き合わされたイーサンは味も形もいまいちな山盛りのクッキーをひたすら食べて消費するという重要な役目を押し付けられることとなった。
それでも特訓が十日目を過ぎた頃にはクッキー作りの腕がすっかり上達したシュカは、食傷気味の父だけでなくアッシュにも試食を頼んだ。
「ああ、うまくできてると思う」
「良かったぁ!」
もちろん焼き色も触感も程好く仕上がったものばかりを選んだのだが、アッシュに褒められたシュカは強張っていた頬を緩めた。
あの日から変わらず音楽室の前で密かな会話を楽しむだけの関係のままだったけれど、シュカはアッシュに対して以前ほど近寄り難さを感じなくなっていた。何よりお互い同性の婚約者がいるというだけで親近感は強い。
シュカはクッキーを次々と頬張って口を動かしているアッシュを見ながら、もじもじと制服の袖を弄んだ。
「アッシュ君は相手の人の誕生日って知ってる?」
「ん、まあな。けど祝ったことはないし、祝われたこともない」
「そうなの?」
「自分から望んだわけじゃない婚約者なんてそんなものだろ。男同士で婚約してるってだけでも普通じゃないんだ。向こうの気持ちを聞いたことはないが、歓迎はしてないんだろう」
「そんな…」
シュカは自分のことのように悲しくなった。
こうして二人で話し込むようになってまだそう日は経っていないが、アッシュが婚約者のことをちゃんと好いていることはシュカにもわかる。
アッシュの言うとおり男同士で婚約しているのは普通ではないかもしれないけれど、自分がそうだったようにアッシュの気持ちも相手に伝わってほしいと心の底からそう願わずにはいられなかった。
「バカだな、シュカがそんな顔する必要ないのに」
「だってアッシュ君が平気そうな顔してるから…」
「俺は…いいんだ。今のままでいいんだ」
ぎこちなくシュカの髪を掻き回すアッシュの手首には不可思議な形の痣がある。
数日前、制服の袖から僅かに見えた痣に気付いたシュカにアッシュが教えてくれたのは、長い歴史を持つフォール家の古くからの言い伝えだった。
フォール家の人間とその歴史を汲んだ血統の一族の中のみに限るが、ある日突然、何の兆しもなく不可思議な形の痣が身体のどこかに浮かび上がるのだという。そしてさらに不思議なことに、その痣は二人の人間を選んだかのように同時に二つしか現れない。
いつしか、同じ痣が浮かんだ者は精霊が決めた運命を共にする二人だと言われるようになり、同じ形の痣が浮かんだ二人が揃った時点で婚約者だと定められるようになった。
そうしてフォール家は代々発展してきたのだとアッシュは言った。
「俺は八歳の時に痣が出た。その時には既に相手にも痣が出てて、あっという間に俺とソイツは婚約者ってわけだ」
「精霊が決めた婚約者だなんてロマンチックだね」
「…そうだな」
頷いて、アッシュはもう一度シュカの髪を掻き回した。
同じ形の痣を持つというアッシュの婚約者はどんな人なのだろう。気になることは増えるのに具体的なことについては一切教えてくれない。
いつか絶対に聞き出してやるとシュカが硬く決意した瞬間、予鈴が鳴り響いた。
「アッシュ君、また試食に付き合ってくれる?」
「今度はナッツが入ったクッキーを作ってきてくれるならな」
アッシュの言葉にシュカは力強く頷いた。
「うん、いいよ!」
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