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『妹と姉と』
第十二話 『アオも莉子ちゃんもお兄ちゃんのことを大好きなんだから』
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「お兄ちゃん、今週末に莉子ちゃんがうちに来ることになったから~」
澪の突然の報告に僕は飲んでいたお茶を吹き出しそうになっていた。
逆に澪はというと、明らかにウキウキした様子だ。
「――莉子がうちに!? それはいつ!?」
「だから、今週末だってば。日曜日ね」
「人の話聞いてるの?」とでも言わんばかりの表情をする澪。
「そんな大事なこと、いつ決めたんだ!?」
「決めたのはついさっきね~」
澪は莉子と会った際に連絡先の交換をしていた。
メッセージアプリを使って、割と頻繁にやり取りをしているらしい。
僕としては、余計な話をするんじゃないかと気が気でなかったのだが……。
「えっと……、何か、問題あった?」
今度は不思議そうな顔をしている澪。
「お兄ちゃんさ、もしかして、アオが莉子ちゃんと仲良くしてくれないかもって心配しているの?」
「う~ん……、まあ、ね……」
曖昧な返事をするとともに、僕は膝に乗っている綺麗な猫――アオへと目を向けた。
アオには、ついさっき膝上に乗ってもらっていたのである。
今は僕の膝を枕にゆったりと丸くなって、頭を撫でられている。
「アオが人にあまり懐かないとはいえ、莉子ちゃんなら別に大丈夫でしょう~」
「……なんでそんなに言い切れるんだよ?」
僕の心配をよそに、澪は非常に気楽な考えを持っているようだった。
「だって、アオも莉子ちゃんもお兄ちゃんのことを大好きなんだから」
何故だか澪は口を尖らせ、しかしながら、楽しそうでもあった。
◆ ◆ ◆
そして、迎えた日曜日。
僕は大変な事態に直面していた。
(ヤバイ……早くに何とかしないと……!!)
焦って色々考えるが、僕は身体を動かすことができなかった。
「ただいまー!!」
……玄関から聞こえてきたのは澪の声である。
どうやらいつもより早めに学校から帰宅したようだ。
莉子と会えることが嬉しいのだろう。
足取りからしてウキウキした様子が伝わってくる。
そして、僕らがいる居間に入った瞬間に完全フリーズする澪。
その目線は他ならぬ僕へと突き刺さっている。
「……お兄ちゃん? 確かに、私は二人がお兄ちゃんのことを大好きとは言ったけどさ」
「いや、違う! 違うんだ、話を聞いてくれ!!」
「何をしているの? いや、二人に何をさせているの!?」
とても冷たい、軽蔑の眼差しを向ける澪。
しかし、それもそのはずである。
必死の言い訳を試みる僕の左右それぞれの腕には、アオと莉子がしっかりとしがみ付いているのだから……。
「僕は断じて何も言ってないのだけど、アオがまずくっついてきて。その後、莉子が……」
「アオは別にそんなにベタベタしないことは私でも知ってるわよ! お兄ちゃんがそうするように言わない限りは!!」
妹は兄の言うことを全く信用していなかった。
「いや、あの……、僕も、そうだと思ってたんだけどね――」
アオは僕が中学二年生のときに拾ってきた猫である。
アッシュブルーの綺麗な毛並みと吸い込まれるようなグリーンの瞳を持っている美しいロシブルだ。
うちに来た当時は瞳が綺麗なブルーだったため、『アオ』という名前になった。
そんなアオは警戒心が強く、家族以外にはほぼ懐かない。
いや、警戒心どうこうというよりは、気難しいと言うべきなのかもしれない。
アオは家族以外には滅多に近付かず、また家族にすら甘えてこない。
プライドが高いようで、全くと言ってもいいほど人に媚びたりはしなかった。
ただ、そこがアオの良いところだと僕は思っていた。
優雅な仕草も持ち合わせており、外見も相まっているせいだろう。
僕にはまるで気位が高い、良家のお嬢様であるかのように見えていたのだ。
そして、とても頭が良く、人の言葉を理解できて、僕の言うことだけはよく聞いてくれた。
僕が呼ぶと、美しい動作で膝の上に乗ってきてくれるくらいだった。
アオ自らの意志で乗ってきてはくれることは、ほぼないのだけど……。
「莉子のこともきちんと話して分かってもらえば、受け入れてはくれると思うんだ」
僕はやや緊張気味の莉子へと伝えた。
「今までもアオには莉子のことを聞いてもらっていたしね」
一方的に話し掛けることが殆どだったのだけど。
アオはきちんと話も聞いてくれた。
「それとね、僕個人の話なんだけど……、二人には仲良くなってもらいたいんだ。本当にさ……」
アオはペットなんていう軽い言葉で表せる存在ではなかった。
いつも優しく僕を見守ってくれる大切な存在だった。
以前、僕の命を救ってくれたこともあるぐらいに。
「じゃあ、あたしの方からもきちんと挨拶するわね」
莉子は覚悟を決めているようだった。
莉子の方が年上ではあるが、アオの方が僕との付き合いは長い。
アオを先輩のように考えたのかもしれない。
「あたしは、雪野莉子というの。アオ、よろしくね」
莉子はきちんと丁寧に挨拶をし、優しく接しようとした。
しかし――、アオはそれを無視して、突如僕に全力で甘え始めたのだ。
僕の腕や足に絡みつき、莉子を睨み付けていた。
『あんたなんかに、私の陸は渡さないわ』
まるで、そう言っているかのような態度だった。
それに対して莉子は、最初何とか我慢していた。
のだが……。
アオのあまりの態度に我慢しきれなくなったらしい。
「あたしだって、負けないんだから!!」
決意表明をし、僕のもう片方の腕を取ったというわけである。
「……で、どうするの?」
きちんと事件の全容を説明したにも関わらず、妹の目は未だに冷たかった。
「……えっと……どうしようかな……?」
しがみ付いた二人とも僕の腕を離しそうにはなかった。
むしろ二人で張り合って、先に手を離した方が負けとか考えていそうな勢いである。
「お兄ちゃんがどちらかの手を離す?」
「離すわけないだろ」
僕は二人に掴まれたままの両手をギュッと握りしめた。
アオと莉子に順位は付けられない。
付けるつもりもない。
「……お兄ちゃんなら、そう言うと思った」
呆れた様子の澪だったが、冷たかった目は少し朗らかなものとなっていた。
「それじゃあ、まずはアオの説得かな? アオが最初にくっついたんだよね?」
「そうなんだけど……、アオが全然言うことを聞いてくれないんだよ」
「へ~、それは珍しいわね」
驚いた表情になる澪。
僕自身としても、驚いていた。
アオが僕の言うことを聞いてくれるのは、もちろん膝に乗るときだけではない。
いつもブラッシングするときも、爪切りをするときも、何処かへ移動するときでさえ、それを理解してくれる猫なのである。
「ここまで甘えてくる理由も教えてくれないし……」
「いやいや、お兄ちゃんが分からないんじゃ、私では分かるはずもないよねぇ……」
どうしたものかと二人で頭を悩ませていると、ピンポーンという玄関のチャイムが鳴った。
「お兄ちゃん、来客…………は無理ね?」
「ああ……」
未だにアオと莉子が僕の腕にくっついたままなのである。
「じゃあ、私が出てくるわ」
「頼むわ……」
やれやれという感じで、玄関へと向かう澪。
そして、アオと莉子はというと……。
今はお互いに目を合わせ、睨み合いをしていた。
「……ん??」
睨み合いを続けるアオと莉子を見て、僕は違和感を覚えた。
莉子が通常相手を睨みつけるときは、殺気を伴うものだが、今はそれがなかった。
どうやらアオにもないらしい。
「……あ、そっか。敵ではないんだ」
僕は一人呟いた。
そのときだった。
「もう帰ってください!!」
緊迫した様子の澪の声が聞こえてきた。
澪の突然の報告に僕は飲んでいたお茶を吹き出しそうになっていた。
逆に澪はというと、明らかにウキウキした様子だ。
「――莉子がうちに!? それはいつ!?」
「だから、今週末だってば。日曜日ね」
「人の話聞いてるの?」とでも言わんばかりの表情をする澪。
「そんな大事なこと、いつ決めたんだ!?」
「決めたのはついさっきね~」
澪は莉子と会った際に連絡先の交換をしていた。
メッセージアプリを使って、割と頻繁にやり取りをしているらしい。
僕としては、余計な話をするんじゃないかと気が気でなかったのだが……。
「えっと……、何か、問題あった?」
今度は不思議そうな顔をしている澪。
「お兄ちゃんさ、もしかして、アオが莉子ちゃんと仲良くしてくれないかもって心配しているの?」
「う~ん……、まあ、ね……」
曖昧な返事をするとともに、僕は膝に乗っている綺麗な猫――アオへと目を向けた。
アオには、ついさっき膝上に乗ってもらっていたのである。
今は僕の膝を枕にゆったりと丸くなって、頭を撫でられている。
「アオが人にあまり懐かないとはいえ、莉子ちゃんなら別に大丈夫でしょう~」
「……なんでそんなに言い切れるんだよ?」
僕の心配をよそに、澪は非常に気楽な考えを持っているようだった。
「だって、アオも莉子ちゃんもお兄ちゃんのことを大好きなんだから」
何故だか澪は口を尖らせ、しかしながら、楽しそうでもあった。
◆ ◆ ◆
そして、迎えた日曜日。
僕は大変な事態に直面していた。
(ヤバイ……早くに何とかしないと……!!)
焦って色々考えるが、僕は身体を動かすことができなかった。
「ただいまー!!」
……玄関から聞こえてきたのは澪の声である。
どうやらいつもより早めに学校から帰宅したようだ。
莉子と会えることが嬉しいのだろう。
足取りからしてウキウキした様子が伝わってくる。
そして、僕らがいる居間に入った瞬間に完全フリーズする澪。
その目線は他ならぬ僕へと突き刺さっている。
「……お兄ちゃん? 確かに、私は二人がお兄ちゃんのことを大好きとは言ったけどさ」
「いや、違う! 違うんだ、話を聞いてくれ!!」
「何をしているの? いや、二人に何をさせているの!?」
とても冷たい、軽蔑の眼差しを向ける澪。
しかし、それもそのはずである。
必死の言い訳を試みる僕の左右それぞれの腕には、アオと莉子がしっかりとしがみ付いているのだから……。
「僕は断じて何も言ってないのだけど、アオがまずくっついてきて。その後、莉子が……」
「アオは別にそんなにベタベタしないことは私でも知ってるわよ! お兄ちゃんがそうするように言わない限りは!!」
妹は兄の言うことを全く信用していなかった。
「いや、あの……、僕も、そうだと思ってたんだけどね――」
アオは僕が中学二年生のときに拾ってきた猫である。
アッシュブルーの綺麗な毛並みと吸い込まれるようなグリーンの瞳を持っている美しいロシブルだ。
うちに来た当時は瞳が綺麗なブルーだったため、『アオ』という名前になった。
そんなアオは警戒心が強く、家族以外にはほぼ懐かない。
いや、警戒心どうこうというよりは、気難しいと言うべきなのかもしれない。
アオは家族以外には滅多に近付かず、また家族にすら甘えてこない。
プライドが高いようで、全くと言ってもいいほど人に媚びたりはしなかった。
ただ、そこがアオの良いところだと僕は思っていた。
優雅な仕草も持ち合わせており、外見も相まっているせいだろう。
僕にはまるで気位が高い、良家のお嬢様であるかのように見えていたのだ。
そして、とても頭が良く、人の言葉を理解できて、僕の言うことだけはよく聞いてくれた。
僕が呼ぶと、美しい動作で膝の上に乗ってきてくれるくらいだった。
アオ自らの意志で乗ってきてはくれることは、ほぼないのだけど……。
「莉子のこともきちんと話して分かってもらえば、受け入れてはくれると思うんだ」
僕はやや緊張気味の莉子へと伝えた。
「今までもアオには莉子のことを聞いてもらっていたしね」
一方的に話し掛けることが殆どだったのだけど。
アオはきちんと話も聞いてくれた。
「それとね、僕個人の話なんだけど……、二人には仲良くなってもらいたいんだ。本当にさ……」
アオはペットなんていう軽い言葉で表せる存在ではなかった。
いつも優しく僕を見守ってくれる大切な存在だった。
以前、僕の命を救ってくれたこともあるぐらいに。
「じゃあ、あたしの方からもきちんと挨拶するわね」
莉子は覚悟を決めているようだった。
莉子の方が年上ではあるが、アオの方が僕との付き合いは長い。
アオを先輩のように考えたのかもしれない。
「あたしは、雪野莉子というの。アオ、よろしくね」
莉子はきちんと丁寧に挨拶をし、優しく接しようとした。
しかし――、アオはそれを無視して、突如僕に全力で甘え始めたのだ。
僕の腕や足に絡みつき、莉子を睨み付けていた。
『あんたなんかに、私の陸は渡さないわ』
まるで、そう言っているかのような態度だった。
それに対して莉子は、最初何とか我慢していた。
のだが……。
アオのあまりの態度に我慢しきれなくなったらしい。
「あたしだって、負けないんだから!!」
決意表明をし、僕のもう片方の腕を取ったというわけである。
「……で、どうするの?」
きちんと事件の全容を説明したにも関わらず、妹の目は未だに冷たかった。
「……えっと……どうしようかな……?」
しがみ付いた二人とも僕の腕を離しそうにはなかった。
むしろ二人で張り合って、先に手を離した方が負けとか考えていそうな勢いである。
「お兄ちゃんがどちらかの手を離す?」
「離すわけないだろ」
僕は二人に掴まれたままの両手をギュッと握りしめた。
アオと莉子に順位は付けられない。
付けるつもりもない。
「……お兄ちゃんなら、そう言うと思った」
呆れた様子の澪だったが、冷たかった目は少し朗らかなものとなっていた。
「それじゃあ、まずはアオの説得かな? アオが最初にくっついたんだよね?」
「そうなんだけど……、アオが全然言うことを聞いてくれないんだよ」
「へ~、それは珍しいわね」
驚いた表情になる澪。
僕自身としても、驚いていた。
アオが僕の言うことを聞いてくれるのは、もちろん膝に乗るときだけではない。
いつもブラッシングするときも、爪切りをするときも、何処かへ移動するときでさえ、それを理解してくれる猫なのである。
「ここまで甘えてくる理由も教えてくれないし……」
「いやいや、お兄ちゃんが分からないんじゃ、私では分かるはずもないよねぇ……」
どうしたものかと二人で頭を悩ませていると、ピンポーンという玄関のチャイムが鳴った。
「お兄ちゃん、来客…………は無理ね?」
「ああ……」
未だにアオと莉子が僕の腕にくっついたままなのである。
「じゃあ、私が出てくるわ」
「頼むわ……」
やれやれという感じで、玄関へと向かう澪。
そして、アオと莉子はというと……。
今はお互いに目を合わせ、睨み合いをしていた。
「……ん??」
睨み合いを続けるアオと莉子を見て、僕は違和感を覚えた。
莉子が通常相手を睨みつけるときは、殺気を伴うものだが、今はそれがなかった。
どうやらアオにもないらしい。
「……あ、そっか。敵ではないんだ」
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