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【本編】

見知らぬ男[※R18]

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朝、何だか胸元がすーすーするな、と思って目を開けた。
カーテンの隙間から入る陽の光が、見慣れた部屋の中に光の筋を作っている。

「んあっ……」

首筋を何かに舐められて、思わず変な声が出た。
そう言えば、昨夜、犬を拾ったんだ……と思い出した私の視界に、黒と白の髪の毛が映る。

(………ん? 髪の毛??)

「あ、起きた?
 おはよう、俺の運命の女神ファムファタル……」

突然、私の視界に見知らぬイケメンが現れた。
そのまま、ごく自然な動作で口付けされる。
男の唇からは、ほんのりカレーの味がした。

「き、きゃあ~~~!!!」

私は、男を思いっきり突き飛ばして叫んだ。
突き飛ばされた男は、ベッドの上で、目を丸くしてこちらを見ている。

しかも、何故か上半身が裸である。

「だ、だだだだ……誰よ、あんた?!」

男は、整った顔立ちで優しく笑みを作ると、自分の胸に手を当てて答えた。

「俺の名は、コウヤ。
 昨夜、あなたに助けてもらった」

「………え? 助けた?」

昨夜、私が助けたのは、確か大きな犬だった筈。
こんな大きな男の人を助けた記憶は、まるで無い。

一瞬、私は、異世界に飛ばされてしまったのだろうかと思った。
でも、今いる場所は、よく見知った私の部屋だ。
異世界ではないとなると、残る可能性は1つ。

「………なんだ、夢か」

ほっとして、下を向いた私の視界に、
ボタンの外れたパジャマの隙間から露わになった2つの乳房が見えた。
先程から、胸元がスースーすると思っていた。

「な、な、なななな……」

あまりに気が動転して、なんで、という簡単な言葉すらうまく出てこない。
男は、私の手を取ると、甲に口付けを落として、その整った顔で私を熱っぽく見つめた。

「助けてくれて、本当にありがとう。
 あなたは、俺の運命の女神ファムファタルだ。
 この恩は、俺の身体で返す。
 俺の一生をかけて、あなたを愛すると誓うよ」

よく見ると、男は、上半身だけではなく、下半身にも服を着ていない。
男の中心から逞しくそそり立つ棍棒が私の方に先端を向けているのを見て、私は正気を失った。

「いやあああああーーーーー!!!!」


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