【R18】拾ったワンコは獣人でした。~イケメン獣人に求愛されて困っています。~

風雅ありす

文字の大きさ
13 / 63
【本編】

元カレからのメッセージ

しおりを挟む
「あなたの事情は、分かったわ。
 私にも、あなたを拾ってきた責任があるし、
 とりあえずは、しばらくうちに置いてあげる。
 でも、これだけは約束して」

私は、コウヤに向かって、三本の指を立てて見せた。

「一つ、人前で勝手に犬に変身しないこと。
 二つ、家では、別々に寝ること。妙なことをしたら、外で寝てもらうから。
 三つ、働かざる者、食うべからず。
 私が仕事に行ってる間は、家のこと……掃除・洗濯・料理をしてちょうだい。
 まぁ、あまり長く居つかれても困るけど……」

コウヤは、納得のいかない顔をして首を傾げる。

「妙なことって?
 俺は、ファムの嫌がることは、絶対にしない。
 ファムの喜ぶ顔が見たいだけだ」

顔が赤くなるようなセリフをよく言えるものだ、と私は関心した。

「とにかく、あと人前でキスしたり抱きついたりしないこと!
 私は、あなたの番になるなんて認めてないんだからね。
 あなたの居た世界では、女性の同意もなくキスなんかして許されるの?」

「う……そ、それは……わかった。
 ファムが嫌なら、誰も見てない時だけにする」

「そうそう、誰も見てないところで……って、違う!
 誰も見てなくても駄目!!」

(これは、躾に苦労しそうね……)

私は、無理やりコウヤに約束をさせると、しばらくの生活に必要なものを買い揃えてから、家へ帰った。
荷物を置いて、一息つくと、スマホに着信があることに気が付いた。
婚活サイトにコウヤの写真をアップしておいたので、早速たくさんの連絡が入っている。

(職業「不詳」の割に、リアクション高いなぁ~。
 やっぱり、人間、顔が重要なのね、顔が)

いずれも年収の高い女性たちからの連絡ばかりだ。
私は、コウヤに彼女たちからのメッセージと写真付きプロフィールを見せた。

「どう? コウヤに興味があるって女性たちがこんなにいるのよ。
 この中からつがいを選ぶってのは、どうかな?
 コウヤの好みの女性がいる?」

すると、コウヤは、むっとした表情でそっぽを向いた。

「俺は、他の女に興味は持たない。
 俺には、ファムだけだ」

「そんなこと言わないで、見るだけでも見てみたら?
 ほら、選択肢は、多い方がいいでしょう。
 この女性なんて、女の私から見ても美人だし、高物件……」

私がスマホの画面をコウヤの顔の前に突き出して見せると、コウヤが私の腕を掴む。

「ファムは、俺がこの中の女たちとつがいになってもいいのか」

「え……そ、それは……」

至近距離でコウヤに見つめられ、私の胸が無意識に高鳴る。

(あれ、なんだろう、これ……)

純也と別れてから、感じることのなかった感情が揺り起こされていく感覚。

(きっと、勘違いよ。
 こんなに真っすぐな気持ちをぶつけられたことがないから、驚いてるだけ……)

「どうしたら、解ってもらえる?
 俺は、ファムとつがいになりたいんだ」

コウヤの黄緑色の瞳が切なく私を見つめている。
ゆっくりコウヤの顔が近づいてきて、そのまま口づけされるのだとわかった。
一瞬、ほだされそうになったけど、純也にされた仕打ちが頭をよぎる。

「男なんて皆、どうせ一緒よ……」

キスされる寸前で、思わず、心の声が私の口をついて出ていた。
コウヤが顔を引き、戸惑った表情で私を見る。

「それは、どういう……」

その時、私が手にしていたスマホが鳴った。
私は、またコウヤ宛へのメッセージが来たのかと思い、画面を見る。

しかし、そこに表示されていたのは、婚活サイトからのメールではなく、
純也からのチャットメッセージだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

処理中です...