召喚勇者と関西弁エルフ

えびまる

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本編

魔道具技師の願い

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「ぼく……?」
「……お主が悲しんでおったのは、失敗したから……というだけではあるまい。守りたいものを守れなかった……そういう想いもあったはずじゃ」
「……うん。助けてあげたかった。あの子達はまだまだ役目があった。魔道具だから命があるわけじゃないけど、もっともっと頑張りたかったと思うんだ」
「うむ。……勇者ハヤト、騎士ゴウシュ、エルフのフィーネ、そして魔法使いの我。我らは戦力はあるだろう、……だがそれだけでは……やがて立ち行かなくなるであろう」

 ミーグは少し下を向いたあと、再びシャンを見た。

「共に来てはくれないか、シャン。無理強いはせぬが、我らにはお主のような、構築し、補える者が必要なのじゃ」

 少年のような見た目でありながら、ミーグの放つ言葉には百年を超える時の重みがあった。
 初めて見る彼の強い眼差しに、場の空気が張り詰める。

「……ぼくでいいの?」
「我はお主がよい。決めるのはお主だがの」

 シャンは拾い集めた魔道具のパーツを胸に抱えじっと見ていた。
 ミーグはそれを静かに見つめながらシャンの言葉を待っているようだ。
 シャンは、きゅっと唇を噛んで目を伏せたあと顔を上げた。その目には強い光が宿っていた。

「ぼく、いく。もうこれ以上この子達を悲しい道具にしたくないもん」
「……そうか」

 ミーグは優しい顔で微笑んだ。

「じゃあ親方に言ってこないとね!よおし!ぼくとみんなとぼくの魔道具たちで魔王やっつけちゃおー!!」 

 おー!と片腕を突き出し笑うシャンに、皆ホッとした様に笑った。ミーグがシャンを勧誘しだした時は驚いたが、よく考えるとやはりシャンみたいな人がいてくれるだけで旅の進め方も、パーティの雰囲気も良い方向に違ってくるのだろう。

「よく言ったぜシャン!俺もお前なら大歓迎だ!」

 ゴウシュはシャンとガッシリ肩を組み、空いている方の手でシャンの頭を撫ぜまわす。

「ふふふ、賑やかになりそうやなぁ。シャンみたいな子が入ってくれるなんて嬉しいわぁ。これからよろしく、シャン」

 フィーネはじゃれ合っているゴウシュとシャンににこやかに声を掛けた。

「……これから一緒に頑張ろうな、シャン」

 俺もそう声を掛ける。

「うん!みんなよろしくね!!ぼくの魔道具たちも一緒によろしくだよお!」

 シャンは嬉しそうな晴れやかな顔でにっこりと笑っていた。


 ――

「はあ?もっぺん言ってみろ、シャン」
「だーかーらぁ!ここにいるみんなとね、魔王をやっつけに行くんだってば!」
「魔王を?お前が?」
「そうだよー?勇者のハヤトとー騎士団長のゴウシュとー魔法使いのミーグとーエルフのフィーネだよ」


 シャンに「こっちだよー」と言われるがまま着いてきたシャンの親方の家(多分)。
 家主の許可もないまま引っ張られるように家に上げられ、挨拶する間もなく、中にいた強面の男性にシャンが「おやかたぁ、ぼく魔王倒してきちゃうねー」と言ったものだから、中にいた親方(きっと)とシャンの言い合いが始まってしまった。

 せめて自ら挨拶させて貰いたかった……!

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