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本編
口説き文句とミーティング
しおりを挟むジルクが加わった事で、一同は場所をカフェに移した。
ジルクはミーグを膝の上に乗せ、ミーグの為に丁寧にコーヒーに砂糖を入れている。
……絵面がやばい。
ジルクはシャンと同じぐらいの身長で、スラッとした細身。暗めのラベンダー色の髪は肩までの長さで、ボルドー色の瞳にはどこか気だるげな色気が漂う。ミーグとお揃いの魔法使いのローブは、ミーグのそれより長く、丈が膝ぐらいまである物を羽織っている。
そんなエロい雰囲気の青年がキラキラ美少年を膝に乗せてるのはどうなんだろう。昼間から見てもOKなのか?いや、衆人の目に触れていいものなのか?
しかし、ゴウシュもフィーネも何にも言わないところを見ると、多分これが通常運転なのだろう。
「ん?なに?勇者、俺の顔そんなに見つめて……」
「えっ?」
「もしかして惚れちゃった?でもだぁめ♡俺の全部は師匠のものだから♡」
「え!!!?」
無意識に見つめすぎていたのだろう、ジルクはニヤリと笑ってからかってくる。その瞬間、なぜか隣に座っているフィーネが勢いよく立ち上がった。
「……え?フィーネ?」
「は、ハヤトはジーくんみたいなお色気むんむんのお兄さんが好きなん?!」
「えぇ……?」
思わぬ問いに戸惑ってフィーネを見ると、彼はものすごく真剣な顔をしていた。
「あー、そっち?」
どっちだよ。
ジルクはミーグに確認するも、ミーグはニヤニヤと笑うばかりだ。
これって俺、今フィーネに好きなタイプを聞かれてるってことだよな?
「お色気むんむんお兄さんもまあ嫌いじゃないけど、タイプって言うなら……うーん。優しくて、笑顔がかわいくて、おっとりした感じ?例えばフィーネみたいな?」
「――!!!!???!!?」
「ひゅー!勇者やるねぇ!」
「そうなのじゃ、ハヤトはやりおるのだ」
「ぼくはゴウシュがだいすきー!」
「はは、ありがとなシャン」
とりあえず浮かんだ事を口にしてみたら、フィーネは顔を真っ赤にして手で隠し、椅子にバタンと座り直した。ちなみに俺はバイセクシャルなので、相手が男性でも女性でも気にしない。
ていうか、これフィーネのこと口説いたみたいになってない?
「え、フィーネなんかごめん……」
「うぅ、謝らんでいい……嬉しいから」
嬉しいならまぁ……よかった……のか?
――
「して、ジルクよ」
一通り盛り上がったところで、ミーグが背後のジルクを振り返った。
「んー?♡」
「魔王について何かわかったことはあったのか?」
「んー、魔王そのものについてはあんまり収穫は無かったかな……ただ、魔王が拠点にしてる城には呪いが掛かっていて魔族以外は入れないらしい……んで、その呪いはダンジョンにいる部下が装置を持ってるって。多分それをどうにかすれば城に入れるようになるんじゃないかな……このぐらいしかわからなくてごめんね、師匠」
「よい、闇雲に魔王のもとに向かっても無駄足になっていたということが分かっただけでも上出来じゃ」
なるほど。
確かにゲームでもラスボスに挑むために必要なアイテムがあったりしたもんな……。
「じゃあ、次はそのダンジョン攻略だな!」
ゴウシュがそう言うと、みんな気を引き締めた顔で頷いた。
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