召喚勇者と関西弁エルフ

えびまる

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本編

シャンの工房

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「……あ!」

 ジルクが入手して来てくれた地図を見ながら、ダンジョンの位置などを確認していると、シャンが突然声を上げた。

「どうした?シャン」

 ゴウシュが優しく問いかけると、シャンは嬉しそうに答えた。

「あのね!ぼく、みんなに魔道具作ったの!相談が終わったらぼくの工房に来てくれる?」

 話を聞くと、シャンは昨日解散後に、俺たちに合う様な魔道具を作成してくれていたらしい。短時間で人数分、しかもそれぞれに合った魔道具を作るなんてすごい。
 ジルクとは今日が初対面だが、工房に行けば何かしらジルクに似合うアイテムもあるだろう、との事だ。


 ――

「うへぇ~、この乱雑さ、魔塔みたい」

 ジルクが嫌そうな声を出した。
 
 シャンの工房は、イメージ通り物が溢れかえっていて、一応通路はあるものの、壁沿いには色んなものが積み上げられている。
 少し触れると崩れそうな山を避けながら、シャンの後ろについて行く。

 
「それはねぇ、靴に付けたらぐるぐるーってなってびゅーんってなるやつ!あとそれはねぇー」

 シャンはご機嫌な様子でゴウシュに魔道具を説明しているし、ミーグは興味のあるものに触ろうとしてジルクに「師匠!危ないかもでしょ!めっ!」と叱られている。

 ……ジルクって意外と常識人なのかも。

 フィーネはというと、おっかなびっくりという様子ではあるが、興味があるのかきょろきょろと周りを見ている。周りを警戒している小さい生き物みたいでかわいい。

「100年以上生きててもまだまだ知らんことってあるねんなぁ……」

 そう感心したように呟いてるのが聞こえて、少し笑ってしまった。

 シャンの私室兼作業場は、奥から2番目の部屋だった。少し狭い中に6人で慎重に入る。
 中も通って来たところと変わらず乱雑な様子だが、所々に謎の生物のぬいぐるみや置物が置かれている。シャンは可愛いものを集めるのが好きだと言っていたが、俺の目から見てそれらが可愛いのかはノーコメントにしておく。
 
 そんな中、シャンはゴソゴソと作業机の周りを探り始めた。

「んーっとねぇ、これはハヤトのでしょ、これはフィーネ……んでこれはミーグでしょ……あ!これはゴウシュの!」

 ぽんぽんと机に並べられていく魔道具は、俺には何に使うのか分からないものだったが、ミーグは「ほうほう!」と目を輝かせている。

「ジルクには……んー、これがいいかなぁ?んでー、じゃじゃーん!ぼくはこれだよ!」

 シャンは布で出来たショルダーバッグを見せてくれた。

「……バッグ?」

 そう問いかけると、シャンは誇らしげに中を見せてくれる。

「これはねぇ、ぱかぱかばっくんだよ!中が亜空間になってていーっぱい入るの!だから皆の荷物僕が持ってあげるねー!んでねー、欲しいものはすぐにパって出てくるの!」

 ……うわぁ、めっちゃファンタジーじゃん。

 興奮するミーグと共に俺のテンションもひっそりと上がっていくのだった。

「魔道具技師って裁縫も出来んだな」

 ゴウシュがそう言うと、シャンはにっこり笑って

「得意だよ!ゴウシュの服が破れたらぼくが縫ってあげるねー!」

 と言った。

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