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本編
スパルタ師匠ズとお試し魔道具
しおりを挟むその日の夕方、近くの森で魔獣がいないか見回りがてらシャンからもらった道具を試してみることになった。
幸い周辺に魔獣の気配は無いので、少し拓けたところでミーグが立ち止まる。
「どれ、ジルク。久しぶりに稽古をつけてやろう」
「えぇ~?やだよハヤトからすればいい……うぉ!」
突然、ミーグが土からゴーレムを3体生成し、無防備なジルクを襲わせた。
ゴーレムの振り上げた左腕がジルクに当たる寸前でジルクは、ひらりとそれを躱す。
「避けたら魔道具を試せんだろうが」
「当たりに行くなんてやだよ!」
ジルクが貰った魔道具の効果が反射反撃だといえど、わざと攻撃に当たるのは確かに怖いだろう。
ミーグはジルクに対してもやはりスパルタで、数ヶ月前の修行の日々がありありと思い出された。
ミーグのやつ、めちゃくちゃ楽しそうにニヤニヤしてるし……。
それにしてもジルクの身体能力は凄い。
反撃こそしていないが、ひらひらとしなやかに攻撃を避けて、尚且つ近くにいる俺たちに被害が来ないように避ける方向も考えられている様に思う。
「ししょー!もうつかれちゃうよぉ!」
「叫ぶ元気はあるではないか、ほれ、早くシャンの魔道具の効果を見せてみよ。……ゴウシュ」
「よしきた!」
ミーグは更にゴーレムを2体増やし、傍観していたゴウシュの名を呼んだ。
ゴウシュはそれにニヤリと答える。
シャンとこそこそ話し、多分魔道具を発動させたのであろうゴウシュは大きな剣でジルクに襲いかかった。
「おっまえ……!!」
「シャン!これすげぇよ!いつもより身体が軽いし力も入れやすい!!」
「ほんとー?よかったぁ!ゴウシュがんばれー!」
肉体強化をしたゴウシュは、いつもより剣の重さを感じさせない、剣技に素早さまで追加されたみたいだ。
「くっそ!!」
「こうしてお前と稽古つけてもらうのも久しぶりだなぁ、ジルク!」
「うるせぇ!昔みたいに泣かせてやろうか?!ゴウくんよォ!」
後から聞いた話によると、ジルクとゴウシュは幼なじみみたいなもので、子どもの頃からミーグと、ゴウシュのおじいちゃん(元騎士団長)に稽古をつけて貰っていたらしい。
手のうちが読み合える2人の戦いは激しさを増していき、更に5体のゴーレムからの攻撃も避けているジルクの息は段々と荒くなっていた。
そしてついに。
「うわッ……?!」
死角になっていた左後ろからゴーレムの攻撃が迫る。が、その瞬間、ジルクを包むように光の壁が現れ、ゴーレムは弾かれたように後ろにドスンと音を立てて倒れた。
「……ばいーん」
ジルクの小さな声が森に響いた。
――
魔道具の効果も見れたのでジルクは戦線離脱。見物組にまわった。
そうなれば当然次は俺の番だ。
「楽しみだなぁ、ハヤト」
「そうじゃの、ハヤトも久しぶりに我らと手合わせ出来て嬉しいじゃろ?のう、ハヤト」
漫画でいうなら『ケッケッケ……』というオノマトペが背後に見えそうなミーグとゴウシュ。
この2人のタフさは一体どこから来てるのだろう。
どれだけ修行しても2人のようになれる未来が見えない。
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