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本編
☆妖精族とその弟子1
しおりを挟む昨日までミーグとゴウシュの部屋だったそこは、外の喧騒が嘘のように静寂が訪れていた。
ジルクはベッドに座るミーグの前でしょんぼりと肩を落としている。
「……師匠、勝手なことして怒ってる?」
「怒ってはいないが……」
「だって、じゃあなんでこっち見てくんないの?」
「……我とてお主に会えぬ間我慢しておったのだ。こうして2人きりになれたのは嬉しいが、……キツい」
「……師匠?」
「明日も朝が早い上、昼には街を出る。帰って来たばかりのお主に無理をさせたくない」
そう言いながらキッとジルクを見たミーグの瞳は、いつものアイスブルーに血のような赤色が混ざり出していた。
その赤はミーグが興奮状態になると出てくる色で、当然それを知っているジルクはゾクゾクと背筋を震わせる。
「……師匠♡」
ジルクは自分より小さいミーグの膝にそっと跨った。どちらからともなく自然に顔が近づき、その距離は無くなっていく。
ジルクはミーグの首に手を回し、ついに唇同士が重なった。
「ん♡んぅ……♡は、ぁ♡おれ、だいじょうぶだから、ていうか、魔力足んなくて……、んッ♡師匠の、魔力いっぱい欲しいよぉ……♡」
舌と舌を絡め、息継ぎの間にミーグを口説き落とそうとするジルクの腰は自然にヘコヘコと揺れる。
「……発情期の犬のようじゃの」
「わん♡」
ジルクは自ら服を脱ぎ捨てると、キスの合間にミーグの服にも手をかけ、ゆっくり愛おしそうにその身体にキスを落としていく。
脱がせきったその先、ヘッドボードに背中を預け座るミーグの股の間でうつ伏せになると、ジルクはそっとミーグの太ももに頭を乗せた。
「はぁっ♡師匠の可愛い見た目に似合わないバキバキちんぽ♡師匠のちんぽがこんなにえぐい形してるなんて誰もわかんないよねぇ♡」
「何度も言うておるだろう……」
「わかってるって♡『妖精族は着床率が低いから着床率を上げるために性器がでかい』んでしょ?何回も聞いたもん、……それより調査頑張ってきたから早くご褒美欲しいよぉ♡♡師匠のつよつよ雄ちんぽ♡」
美少年な見た目とは真逆のようなミーグのペニスは緩く勃ち上がっていた。完全に勃起している訳ではないのに、大きく、幹には血管がボコボコと浮いている。幹との段差がえぐいカリを見てジルクはすでにとろとろになっていた。
「……良いぞ」
「んぁ♡んっ、んむぅ……♡」
ミーグの許しを得た瞬間、ジルクの赤い唇がミーグの亀頭を優しく包み込む。
唇をカリに引っ掛け、頭を上下に揺さぶり、舌はにゅるにゅると蠢いていた。
大好物を食べているかのようにジルクの口内には涎が溢れ、口の周りとミーグのペニスをどろどろに濡らしていく。
「んちゅ♡……ふ♡んぅ♡♡」
「……はぁっ」
ミーグの気持ち良さげな吐息を聞いて、ますますジルクは嬉しそうにペニスを咥えこんだ。
頬を膨らまし、目を潤ませ蕩けているジルクの顔を見ると、ミーグは思い切り腰を振りたくなる。
子どもの頃から育て、ある時から関係は変わった。だが、後悔はしていない。ジルクは愛情を100%で表現してくれるし、ミーグだってジルクの事を愛しているからだ。
ただ、こういう顔を見ていると、少しだけ悪いことをしているような気持ちになる。
ミーグにしてみれば、ジルクはまだまだ子どもなのだ。
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