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本編
兄弟子との交流
しおりを挟むみんなが朝食を食べ終えたところで、コーヒーを飲んでいたミーグが口を開いた。
「では買い出しなのだが、食材、魔道具……それと、パーティーも人数が増えたことだし荷馬車も必要だの。3組に分かれるか」
「じゃあ俺はもちろん師匠とー♡」
「それなんだがの……我はシャンと魔道具を見に行きたい」
「はーい!ミーグとお買い物ー!」
「…………!!!」
ジルクの後ろに『ガーン!!』という効果音が見えたような気がした。
――
「あーぁ、せーっかく師匠と街歩き♡出来ると思ったのになー。ま、勇者様と仲良くお喋りすんのも悪くねぇか!」
あのあと、ミーグによるペア分けが行われた。
ミーグとシャンは、魔道具と冒険に必要なポーションなどのアイテム類担当。
フィーネとゴウシュは食料品担当。
俺とジルクは荷馬車の調達担当だ。
ジルクは「俺もグラズに来たの初めてなんだー」と言いながら露店をひやかしているが、時折俺が分からないであろうものがあると、意外と丁寧に教えてくれたりした。
「ジルクはミーグの弟子なんだよな?」
「そー、だから俺はハヤトの兄弟子ってわけ。お兄ちゃん♡て呼んでもいいぜー?」
「や、呼ばないけど……」
「なんだよ、つまんねー」
冗談だったのだろう、ジルクはいたずらっ子のように笑っている。
「ミーグとはもう長いのか?」
「んー、それって弟子になって?それともえっちするようになって?」
「ぐっ……!弟子になって、だよ!」
そうなんだろうなとは薄々感じてたけど、やっぱりヤる事ヤってたんかよ!と言いたい気持ちを抑えた。
「えーっと、今25だから……20年とか?」
「へぇ、めちゃくちゃ長いんだな」
「俺、人間のわりに魔力多くてさ、5歳の時に魔力が発動したんだけど、多すぎて暴走気味でさぁ。周りの大人が扱いきれなくてそのまま魔塔の前に捨てられたんだよね」
「……」
「そっから師匠に魔法のことも、他のことも教えてもらってさぁ。……まあ、師匠であり育ての親ってやつよ。魔力が発動する前も家族からの愛された記憶とかねーし。そういうの貰ったのも、全部師匠が初めてなんだよね」
「……そっか」
「そりゃ全部差し出しちまうし、依存するでしょ。……自分でもわかってんだけどね、健全ではないなぁって。でもやっぱ師匠は俺の全てなんだよね。師匠もそんな俺のこと全部受け入れてくれるし、まぁいっか!と思って。……どうしても妖精族の師匠残して死ぬことになるし、俺が死ぬまでぐらい俺が師匠独占してもバチは当たんないっしょ!」
照れるでもなく、あっけらかんと言い放つジルクは今まで沢山悩んでその考えに行き着いたのだろう。
とても清々しい顔をしていた。
「……俺も親に見捨てられて、色んな人に育ててもらったんだ」
「あら、そうなんだ。境遇も似てるし、まじで俺のことお兄ちゃんて呼んでみる?」
「はは、呼ばないって」
話し上手で聞き上手なジルクと話すのは、とても楽しかった。
あと、ミーグが絡んでないジルクは本当にまともだった。
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