36 / 80
本編
兄弟子との恋バナ
しおりを挟む話をしながらだと、あっという間に任務が終わってしまった。
荷馬車と馬を購入し(経費で落ちるらしい)、待ち合わせ場所の宿まで戻ると、まだ誰も戻ってきていなかった。
「入れ違いになったらダルい」とジルクが言うので、そのまま荷馬車の前で待つことになった。
ジルクはしゃがみこんで、指で地面にぐるぐると渦巻きを描いている。
「えっちするようになってからは7年?かな」
「……はぁ?」
「いいじゃん、しよーぜ!恋バナ!」
終わったと思ってた話が唐突に蒸し返された。やっぱり別に聞きたくなかった。
「ずーっとそういう意味で好きだって言ってんのにさ、あの人の中で俺はいつまでも子どもなの、いやむしろ赤ちゃん?見た目は俺の方が年上なのに!」
「……まあ、長命種からしたらそうなんだろうな」
「そーそー、でも俺はそんなんで納得出来るわけなくて。だからわざと魔力枯渇させてぶっ倒れてやったわけ。それもちゃんと18歳になってからだよ、俺めっちゃ我慢したでしょ?そういうの気にしそうじゃん?あの人」
「あー……っていうか魔力枯渇とセックスになんの関係があるんだよ」
「あ、そうだった、ごめんごめん。魔力って生命エネルギーと関係があるんだよ、だから魔力のある人と触れ合うと魔力が分けてもらえたり、分けてあげたり出来るわけ」
「へぇ」
「だから魔力が見える人とかは『あー、こいつ昨日ヤったんだなー』とかわかるわけ。混ざるから、魔力が」
「きまず!」
「俺は師匠とヤった次の日はめっちゃ外歩くけどねー。けんせーけんせー」と言いながら、ジルクの恋バナは止まらない。
「だから、そういう緊急事態になったらシてもらえるかなーとおもって。実際にシてくれたし。まあ2回目する時もめちゃくちゃ大変だったんだけどね……。あのねぇ、せーえきがいちばーん魔力入ってんの」
「……へぇ」
ニヤニヤと顔がうるさいジルクが立ち上がり、ずいっと顔を寄せて、人差し指で俺のへその下あたりのくっと押しながら、囁くようにこう言ってきた。
「だからフィーネが魔力枯渇したら中でいっぱい出してあげるんだよ?♡」
「はぁぁあ……?!」
「あららー?ハヤト、まだフィーネに手ぇ出してないんだ?」
「まだもなにも!俺とフィーネはべつに……!」
「でもハヤトはフィーネのこと気になってんだろ?」
その一言に、言葉が詰まった。
「いや、そんな……」
「ふぅん?」
ジルクはじっと俺を見ている。
からかうような目つきだが、なぜか逃げられない。
ふと、フィーネの笑顔が頭に浮かんだ。
初めて素の言葉が出てしまった時の焦った顔。すぐに照れて真っ赤になる耳。
訓練でなかなか上手くいかない時に励ましてくれたり、いつも気にかけて優しく声を掛けてくれた。
「フィーネには……笑っていて欲しいと思う。あと、意外とそそっかしくて目が離せないっていうか……俺、」
俺はそこで言葉を止めた。
何かを言いかけて、胸がざわついた。
「へぇー♡そっかぁー♡♡」
「……うるさい」
「むふふー♡ハヤトくんが恋に気付いた記念日、毎年お兄ちゃんとお祝いしよっか♡」
「しねえよ」
31
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる