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本編
☆媚薬の迷宮6
しおりを挟む鏡を覗き込んだ瞬間、ミーグの視界は一転した。
鏡張りだったはずの部屋は今や、椅子が一脚ぽつん、と置かれているだけの何も無い部屋になっていた。
(転移……いや、幻影……?)
『師匠……!!』
呼び掛けに振り向くと、ジルクが何も無い空間からこちらに走り寄ってきた。
『よかったぁ……!師匠もここに飛ばされて来てたんだ?マジ焦ったー!』
「……ジルク」
すらっと華奢な手足に、暗めのラベンダー色の髪に、ボルドーの瞳。
確かにいつも見ているジルクの姿だが、なんとなく、ほんの少しだけ引っ掛かりを覚えた。
『探したけどみんないなくてさぁ……、とりあえず座って待ってよ?師匠あの椅子座って?』
すっと手を取られ椅子まで連れて行かれる。念の為椅子を触って確認すると怪しいギミックなどはない。
ミーグを座らせたジルクは、そのままミーグの膝の上に向かい合わせになるように跨ってきた。
「ジルク」
『えへへ♡ちょっとだけだって!媚薬まわってしんどいんだもん、許して?♡』
咎めるように名前を呼んだミーグに言い訳をしたジルクは、そのまま縋り付くようにミーグを抱きしめた。
「……はぁ」
確かにキツイのはミーグも同じだった。
いつも張っている状態異常を軽減する防御壁も、このダンジョン内では効果を発揮していないようだし、再開してから変に1度交合ってしまっている。……端的に言えばミーグだってムラついているのだ。
『ン……♡ふぅ♡ぁ♡あ♡』
そのうちジルクは、熱くなった下半身をミーグの脚に擦り付けるように腰を揺らし始めた。
「……その我の脚を使うクセ、どうにかならんのか?」
『だ、てぇ♡♡ししょーのあし♡おれのきもちいとこ……ッ♡ぁ♡全部フィットするんだも、んんっ♡』
へこへこ♡かくかく♡とミーグの上で腰を振るジルクは、やはり発情期の犬の様だった。
『さわって?♡さわってよぉ……!♡』
「ならぬ」
『はぅ、ぅ……♡いじわる……ぅ♡』
2人きりの空間で、少しずつ湿り気を帯びた音がぐちゅ♡ぐちゅ♡と聞こえてきている。
でも、何故かミーグはジルクに触れようとはしなかった。抱きしめ返そうとも何故か思わない。
ただひたすらに自分の脚を使って自慰をするジルクをじっと見つめていた。
『は、ッ♡ぁ♡見てくれてるだけでもッ♡うれしい♡♡おれがしんでも、ぅ♡おれのこと、わすれないでね……?』
「……っ!」
『おれが、あン♡しんでも、ししょーは何百年も生きるんだもんね?』
初めて聞くジルクの言葉に、ミーグは心臓をギュッと掴まれたかのようだった。
ミーグは可愛くて愛おしい弟子に1つ、どうしても言い出せていないことがある。
それは、妖精族は番を作ることができ、どんな種族でも番になるとその妖精族と寿命が共に出来るというものだった。
相手が短命種なら寿命が伸ばせるし、相手が自分より長命種なら寿命を縮められるというものだ。
心から愛するジルクを看取る事を考えると、全てが恐ろしくなる。ジルクが死んでしまったら、自分はどうなってしまうのかわからない。
だが、自分が先に死んで、その後のジルクの事を考えるのも嫌だった。
今は一身にミーグに向けられているものが、他の誰かのものになるなんて許せない。
(……だが、こやつを人の理から外してしまうのは……)
『あッ♡あ、ん♡♡ししょ、ぉ♡だいすき♡♡すき♡すきなのッ♡♡ししょーのちんこ♡はやくほしいよぉ……!♡』
激しくなるジルクの腰に、ミーグはぐっと奥歯を噛み締め、拳を握りしめた。
(……我は、……我とて……!)
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