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本編
☆媚薬の迷宮7
しおりを挟むフィーネは何も無い薄暗い空間にたった1人、ポツンと立っていた。
「……あれ?みんな……?」
キョロキョロと周りを見渡しても、そこには何も無い。
前に進んでも、曲がってみても、自分の足音が反響して聞こえてくるだけだった。
「なんで?鏡の部屋におったはずやのに……」
心細さと他のメンバーへの心配が募り、思わず立ちすくむ。
すると不意に後ろからぬくもりが触れた。
「……ひっ!!」
驚いて振り向こうとする前に、腰の辺りにしっかりと腕をまわされて抱きかかえられてしまった。
『……フィーネ』
「ハヤト……?」
振り向いて確認することが出来ないが、耳元で囁かれる声は、確かに知っている声だった。
『会えてよかった。もう、大丈夫だから』
すっぽりと包み込まれる様に後ろから抱き締められ、その体温に先程までの心細さが薄れていく。
「みんなとはぐれてもうて、どうしようかと思った……」
そっとハヤトの腕に触れると、耳もとでくすりと笑う声が聞こえる。
ハヤトと同じベッドで眠った2日間のように、安心感で満たされていくのを感じた。
だが、その手が動き出した。
そっと下腹部をくすぐるように撫ぜられている。
「んっ、ハヤト……?」
身体がびくっと震えた。
ハヤトの少し熱い手が、フィーネのシャツの裾をめくり、直接素肌をなぞる。
『1人で寂しかった?』
「ぅ、ん……寂しかったけど……んッ」
『ふふ、フィーネは敏感なんだな?かわいい』
耳もとで聞こえてくる声は確かにハヤトのものなのに、今まで聞いたこともない甘さを含んでいた。
「は、ハヤト……、こんなとこでッ!」
『こんなとこじゃなきゃいいんだ?』
「ゃ、ちが……!あっ、あぁっ♡」
否定しようと口を開いたのに、強く否定出来なかった。媚薬で高められた身体が、些細な快感も拾ってしまっている。
(どうしよう、こんなんあかんのに……!)
『媚薬いっぱい吸って辛いんでしょ?俺が楽にしてあげる』
「だ、だからってそんな……っ♡」
震える手でハヤトの腕を掴んでも、ハヤトは止まらなかった。
背中から伝わる熱にじわじわと思考も溶かされる。
布越しに手が内腿の下から上に、際どいところまで撫でられる。
「やぁ♡……あっ♡あかん、ハヤトぉッ♡やめっ……♡」
フィーネの声も本人の知らぬ間に媚びるように甘くなっていった。
『本当に?本当にやめていいの?』
そう問いかけられて、フィーネはピタリと動きを止め、目を伏せ唇を噛む。
(このまま、……このまま辞めへんかったらハヤトはぼくを……?)
さっきからフィーネの腰のあたりに、ハヤトの硬くて熱いものが当たっていた。
知らないフリをしていたのに、1度気がついてしまうと意識がそこから逸らせない。
(ハヤト、ぼくで勃つんや……)
一緒に寝た朝もハヤトのそこは硬くなっていたが、朝の生理現象だろうと思っていた。
だが、今はどうだろう。
ハヤトはフィーネの身体を弄り、耳元で甘く囁きながらもそこは存在を主張している。
こんな状況にも関わらず、自分がハヤトの性の対象になっている事を喜んでいる自分がいる。
『フィーネ……』
ダメ押しの様に名前を囁かれながら、くるりと向きを変えられる。
久しぶりに見たハヤトの視線に強い熱が見えて、フィーネはゾクッと背筋を震わせた。
「……ハヤトぉ」
視線が絡んだだけで、頭も身体もどろりと溶けていく様な気がした。
そのまま全てを委ねてしまいたくなる。
そんな強い視線だった。
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