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本編
☆昇愛の階段11
しおりを挟む「ありがとう、フィーネ……その、なんて言っていいかわかんないけど、フィーネの中、気持ちよかった」
「はぁ……っ♡ほんま……?よかったぁ……あの、ぼ、ぼくもきもちよかった……よ?」
2人は照れくさそうに微笑み合う。
余韻でまだ動けないフィーネを労り、ハヤトはフィーネに浄化魔法を掛けた。
「……でも、変だな。段が動かない」
「……ほんまや、さっきまで指令達成したら勝手に段上がってたのに」
この段の指令は『心と身体を完全に交え、愛を完成させよ』だった。
身体は交えたのだし、心だってお互いの気持ちを伝え合い、交わったはずだった。
なのに、静まり返った階層には、なんの変化もない。
その時、2人の目の前が淡く光り、また文字が浮かび上がってくる。
『指令未達成』
「……えっ?なんで……」
胸がきゅっと詰まる。
フィーネが戸惑いの声を上げる中、ハヤトは黙って文字を睨みつけた。
『交わりはまだ半ばなり。最後の証を注ぎ込み、愛を完成させよ』
「……最後の証?」
「注ぎ込み……。……中で出せってことかよ」
「なか……」
ハヤトはフィーネのことを思いやって中で出さなかったはずなのに、その優しさが完全に裏目に出てしまった。
そして、この層をクリアするためには、ハヤトの精を中に注ぎ込まれないといけない……。その意味を意識した瞬間、フィーネの心臓は再びどきどきとうるさく音を立て始めた。
魔力が枯渇している訳でもないのに、中に……しかも好きな人の精を中に注がれるのだ。
喜び、羞恥、戸惑い、期待、不安。
そのどれもに当てはまるような、そのどれもが違うような。
そんな気持ちでフィーネは今にも叫び出したかった。
「ごめん、フィーネ」
「う、ううん!ハヤトがぼくのこと思ってああしてくれたってわかってるし……!」
「でも、結局またフィーネに負担かける」
「負担やなんて、そんな……」
バチッと2人の目が合い、お互いにどんな表情をすればいいのかわからなくてモジモジとしてしまう。
「……でも、またフィーネと出来るって思ったら嬉く思ってしまう自分もいる。……ほんとごめん」
「えっ!?いや、あの、ぼ、ぼくも……」
「え?」
「ぼ、ぼくもうれしいから……!!」
顔を限界まで赤くし、叫んだフィーネはそのまま両手で顔を隠してしまった。
その姿にハヤトの理性はまたじりじりと焼けていく。
仰向けになったままのフィーネの膝を再び割り、間に身体を滑り込ませる。
見下ろしたフィーネの耳の先はまだ赤いままだ。
「……じゃあ、次は中で出させて」
「ぅ、そんなえっちな言い方……っ」
「だめ?」
「ん"ん"っ……!だ、め……じゃない……から困ってる!」
ハヤトはそっとフィーネの顔を覆っている手をはずさせると、キラキラと涙で光る緑の目がこちらを見ていた。
優しく唇同士が触れ合う。
お互いの熱い体温に触れ、再び2人の試練が始まった。
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