5 / 6
五話 休憩中...
しおりを挟む
結論から言えば、白崎はやはり拗ねてしまった。
自分なりに頑張った甲斐もあって、最高記録を更新するだけの数値は叩き出したのだが、
白崎はそれをあっさりと更新した。
具体的に言えば、俺の1.5倍の数値を叩き出したのだった。
そりゃあ、白崎とて女の子だ。
ただサンドバックを殴るという行為に全力で行こうなんて思うはずもないが、いかんせん。
彼女の基礎的な腕力とセンスは、機械を作った人間が想定していた基準を遥かに越した場所にあったのだ。
どよめく観衆の中、静かな怒りを燃やす白崎の手を引いて、外へ。
遅めの昼食を取るために外に設けられたカフェに腰を落ち着ける。
白崎を座らせ、二人分の昼食を注文する。
これで帰ってくるまでにナンパ男にでも絡まれていたら、それこそ血の海を見る羽目になっていたろうが、今の白崎の機嫌の悪さを感知できない人間はさすがにいないらしく、喧騒に溢れているはずの園内も、白崎の周りだけは隔離されたように静寂に満ちていた。
「サンドイッチのセットだけど......これでよかった?」
「ありがとうございます......」
「何度も言ってるかもだけどさ。そう深く考えないでもいいと思うよ?違うってことを気にするなんて今さらだし、俺はちゃんと白崎がかわいいってことは理解しているから」
「......あなたが、私を大事に思ってくれていることは解かっています。でも......それとこれとは半紙が別です。これじゃあ、女の子としては立つ瀬がありません」
「そりゃあ、申し訳ない。俺がもっと頑張ってればよかった」
「いえ、私が最初からやりたい、なんて言わなければ済んだことでした。自分で生み出したことで勝手に機嫌を悪くするなんて......まるで子供ですね」
ふぅ、と小さなため息をつき、ジュースに口をつける。
「あなたにも迷惑をかけてしまったわ。ごめんなさい」
「いいって。拗ねた白崎ってのも、結構、いや、凄くかわいいんだからさ。いろんな白崎を見れるってのは、何て言うのか、嬉しい」
「そう言ってもらえると助かります」
怒りとか空しさとか、そういった物をすべて吐き出そうとするかのように、白崎は大きく息を吐き、笑みを浮かべた。
つられて俺も、微笑む。
「さ、これを食べて、また色々やろう」
「はい。よろしくお願いします。和人」
白崎に『和人』と言ってもらえたのは初めてだ。
なんか、嬉しいし、照れくさい。
自分なりに頑張った甲斐もあって、最高記録を更新するだけの数値は叩き出したのだが、
白崎はそれをあっさりと更新した。
具体的に言えば、俺の1.5倍の数値を叩き出したのだった。
そりゃあ、白崎とて女の子だ。
ただサンドバックを殴るという行為に全力で行こうなんて思うはずもないが、いかんせん。
彼女の基礎的な腕力とセンスは、機械を作った人間が想定していた基準を遥かに越した場所にあったのだ。
どよめく観衆の中、静かな怒りを燃やす白崎の手を引いて、外へ。
遅めの昼食を取るために外に設けられたカフェに腰を落ち着ける。
白崎を座らせ、二人分の昼食を注文する。
これで帰ってくるまでにナンパ男にでも絡まれていたら、それこそ血の海を見る羽目になっていたろうが、今の白崎の機嫌の悪さを感知できない人間はさすがにいないらしく、喧騒に溢れているはずの園内も、白崎の周りだけは隔離されたように静寂に満ちていた。
「サンドイッチのセットだけど......これでよかった?」
「ありがとうございます......」
「何度も言ってるかもだけどさ。そう深く考えないでもいいと思うよ?違うってことを気にするなんて今さらだし、俺はちゃんと白崎がかわいいってことは理解しているから」
「......あなたが、私を大事に思ってくれていることは解かっています。でも......それとこれとは半紙が別です。これじゃあ、女の子としては立つ瀬がありません」
「そりゃあ、申し訳ない。俺がもっと頑張ってればよかった」
「いえ、私が最初からやりたい、なんて言わなければ済んだことでした。自分で生み出したことで勝手に機嫌を悪くするなんて......まるで子供ですね」
ふぅ、と小さなため息をつき、ジュースに口をつける。
「あなたにも迷惑をかけてしまったわ。ごめんなさい」
「いいって。拗ねた白崎ってのも、結構、いや、凄くかわいいんだからさ。いろんな白崎を見れるってのは、何て言うのか、嬉しい」
「そう言ってもらえると助かります」
怒りとか空しさとか、そういった物をすべて吐き出そうとするかのように、白崎は大きく息を吐き、笑みを浮かべた。
つられて俺も、微笑む。
「さ、これを食べて、また色々やろう」
「はい。よろしくお願いします。和人」
白崎に『和人』と言ってもらえたのは初めてだ。
なんか、嬉しいし、照れくさい。
0
あなたにおすすめの小説
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
幼馴染に「つまらない」と捨てられた俺、実は学校一のクール美少女(正体は超人気覆面配信者)の「生活管理係」でした。
月下花音
恋愛
「つまらない」と幼馴染に振られた主人公・相沢湊。しかし彼には、学校一のクール美少女・天道玲奈の「生活管理係」という秘密の顔があった。生活能力ゼロの彼女を世話するうち、二人は抜け出せない共依存関係へ……。元カノが後悔してももう遅い、逆転ラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜
沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」
中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。
それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。
だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。
• 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。
• 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。
• 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。
• オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。
恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。
教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。
「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」
鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。
恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる