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六話 それから色々ありまして
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その日の俺の原動力は、人生の中で稀に見るほどのものだった。
目に付く乗り物は片っ端から乗ってみたし、それでいてしっかりと楽しんだ。
ちゃんとデートできたことに、安堵を覚える。
「今日は花蓮の役に立てたかな?」
眼下......吹奏に合わせて練り歩いているはずのパレードに目を向けながら、呟く。
ムーディな照明の観覧車、その中。
向かいに座った花蓮は夜景に向けていた視線を戻し、微笑んで見せた。
「もちろんですよ。すごく助かったわ」
「それは何より」
常なら御免の感情、苦労も、そこに花蓮が関わっているのなら楽しめる。
バカップルと貶されるのももはや慣れた、と言うか、最近はそう言われることを喜んでいる自分がいる。
相当に重症だ......それでも、まあ、楽しいからいいのだが。
花蓮の隣に腰かける。
髪を伸ばして、ぐっと大人っぽくなった。
顔立ちも洗練されて、今では化粧もしている。
女性としての完成度は、前よりも高い。
「俺の中では、花蓮はずっと一番なんだよ。もっと綺麗になっても、お婆さんになっても、いきなり過去に戻ったとしても、俺は白崎のことが一番好きなんだ。だから、今も昔もこれからも、きっと変わらないんだと思う。きっと、凄く嘘っぽく聞こえると思うけれど......これが、俺の本心」
「口説き上手ですね?和人」
「花蓮をいまさら口説いたりするもんか。だって、花蓮が俺のこと愛してくれtるって解かるから」
「......菜緒子にこの前言われたんですけど、私達って『バカップル』なんでしょうか?」
「俺からすれば、これくらいするのは普通だと思うんだけど、菜緒子とか世間の人の基準からするとそうなるんだろうね」
「何か。馬鹿にされてるみたいで、少し複雑です」
「まぁ、馬鹿って単語が入ってるんだから、少なからずそういう風に思われてるってことなんだと思うけど」
菜緒子以外にも結構俺たちの関係がばれていた。
菜緒子に限らず、花蓮と自分の関係をしる知り合いには、一度はその単語を言われたことがある。
皆に俺たちを馬鹿にしたような雰囲気はなかったが、だからと言って、何度も呼ばれてみたいとは思わない。
馬鹿にされてはいなくても、やはり照れくさい。
「じゃあ、菜緒子には今度少し反省してもらわないといけないわね」
「そこまですることはないと思うよ。菜緒子にも悪気は......」
完全にないとは言い切れない。
「ほら、和人だってそう思ってるじゃない」
「いや......確かにないとは言い切れないけどさ、菜緒子だって花蓮のこと嫌いな訳じゃなくてだね」
「そんなこと解かってます。ふぁからこそ、調子に乗った時にはしっかりと怒らないと駄目なんです」
ぷりぷりと怒るその姿は、花蓮には申し訳ないが随分と可愛らしい。
花蓮は変わったと思う。
彼女がその姿を見せるのは、親しい人間だけ。
それも、ここまでの仕草をするとなれば、自分くらいのはずだ。
花蓮のこの子供っぽさを見れるのは、恋人である自分だけの特権だ。
「許してあげようよ」
「和人がそこまで言うなら、それでも構いませんけど」
「うん。そういう素直な花蓮、大好きだよ」
よしよし、と頭を撫でてあげる。
子供のような扱いに花蓮は不満なようだったが、その原始的な気持ちよさには勝てないのか、
心地良さそうに目を細めている。
その笑顔がとても魅力的だったせいなのか......。
俺はそっと、花蓮の唇に自分のそれを重ねた。
目に付く乗り物は片っ端から乗ってみたし、それでいてしっかりと楽しんだ。
ちゃんとデートできたことに、安堵を覚える。
「今日は花蓮の役に立てたかな?」
眼下......吹奏に合わせて練り歩いているはずのパレードに目を向けながら、呟く。
ムーディな照明の観覧車、その中。
向かいに座った花蓮は夜景に向けていた視線を戻し、微笑んで見せた。
「もちろんですよ。すごく助かったわ」
「それは何より」
常なら御免の感情、苦労も、そこに花蓮が関わっているのなら楽しめる。
バカップルと貶されるのももはや慣れた、と言うか、最近はそう言われることを喜んでいる自分がいる。
相当に重症だ......それでも、まあ、楽しいからいいのだが。
花蓮の隣に腰かける。
髪を伸ばして、ぐっと大人っぽくなった。
顔立ちも洗練されて、今では化粧もしている。
女性としての完成度は、前よりも高い。
「俺の中では、花蓮はずっと一番なんだよ。もっと綺麗になっても、お婆さんになっても、いきなり過去に戻ったとしても、俺は白崎のことが一番好きなんだ。だから、今も昔もこれからも、きっと変わらないんだと思う。きっと、凄く嘘っぽく聞こえると思うけれど......これが、俺の本心」
「口説き上手ですね?和人」
「花蓮をいまさら口説いたりするもんか。だって、花蓮が俺のこと愛してくれtるって解かるから」
「......菜緒子にこの前言われたんですけど、私達って『バカップル』なんでしょうか?」
「俺からすれば、これくらいするのは普通だと思うんだけど、菜緒子とか世間の人の基準からするとそうなるんだろうね」
「何か。馬鹿にされてるみたいで、少し複雑です」
「まぁ、馬鹿って単語が入ってるんだから、少なからずそういう風に思われてるってことなんだと思うけど」
菜緒子以外にも結構俺たちの関係がばれていた。
菜緒子に限らず、花蓮と自分の関係をしる知り合いには、一度はその単語を言われたことがある。
皆に俺たちを馬鹿にしたような雰囲気はなかったが、だからと言って、何度も呼ばれてみたいとは思わない。
馬鹿にされてはいなくても、やはり照れくさい。
「じゃあ、菜緒子には今度少し反省してもらわないといけないわね」
「そこまですることはないと思うよ。菜緒子にも悪気は......」
完全にないとは言い切れない。
「ほら、和人だってそう思ってるじゃない」
「いや......確かにないとは言い切れないけどさ、菜緒子だって花蓮のこと嫌いな訳じゃなくてだね」
「そんなこと解かってます。ふぁからこそ、調子に乗った時にはしっかりと怒らないと駄目なんです」
ぷりぷりと怒るその姿は、花蓮には申し訳ないが随分と可愛らしい。
花蓮は変わったと思う。
彼女がその姿を見せるのは、親しい人間だけ。
それも、ここまでの仕草をするとなれば、自分くらいのはずだ。
花蓮のこの子供っぽさを見れるのは、恋人である自分だけの特権だ。
「許してあげようよ」
「和人がそこまで言うなら、それでも構いませんけど」
「うん。そういう素直な花蓮、大好きだよ」
よしよし、と頭を撫でてあげる。
子供のような扱いに花蓮は不満なようだったが、その原始的な気持ちよさには勝てないのか、
心地良さそうに目を細めている。
その笑顔がとても魅力的だったせいなのか......。
俺はそっと、花蓮の唇に自分のそれを重ねた。
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