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第一章 日常から非日常への一歩
2話 桃が大好物
しおりを挟むリシェじいのお味噌汁が美味しい。身体の芯から温かくなるようでほうっと一息つく。身長が高くスラッとしていて髪の毛も面倒くさがりには思えないほど艶々のエルフらしい淡く白に近いクリーム色
翠の綺麗な瞳が俺を捉えるだけでドキリと胸が高鳴る程の美形。そないな男が手料理もできるやなんて、リシェじいはさぞかしモテはったんだろうなぁ
そうリシェじいを盗み見ながらご飯を食べていると、あるお菓子を食べたくなりリシェじいにリクエストする
「リシェじい、今日のおやつは桃のパイがええ」
「あ?めんどくさいから無理」
「お願いやからっリシェじい」
お箸を置いてパンッと手を合わせて軽く上目遣いをして頼む。すると案外、押しに弱いリシェじいは分かったと言ってくれるのに、今日はダメな日だったらしい
「今日は無理だ」
「えぇ~、ちなみに理由はなんや?それくらいは聞かせてぇな」
「俺がおやつにクッキーを食べたいからだ」
「うぅ、そりゃ作るのリシェじいやから、、、クッキー食べたいなら仕方ないな・・・」
俺はご飯を食べるのを再開しもぐもぐとご飯を頬に詰めていく。桃のパイ、食べたかったなぁ
「そんなに落ち込むな、明日作ってやる」
「ほ、ほんまっ?」
「でも、お使いしてくれたらな」
「分かった!なんでも言うてぇな、俺張り切ってやるでっ」
「薬草取ってきてくれ、、、ちょうど無くなりそうなのが何個かある」
「そんなの、お易い御用やっ」
リシェじいのお願いはいつも薬草採取とか研究の助手をしたりとか簡単なものばかりだ。リシェじいは何やらすごいお偉いさんらしくて研究結果を発表する度に世界の常識が変わる、ような研究を続けているらしい
長く生き過ぎてやること無くなったから自分で見つけていくのもいいだろうという面倒くさがりのリシェじいとは思えない動機で研究していた
「モモ、俺も手伝ってやろうか」
「いらん」
「まぁ、そう言うなって」
「お前なんかいらんっ!俺に近づくな強姦魔っ」
「強姦魔ってお前なぁ、、、合意だったろ?」
「ほんまのほんまの初めだけやろっ!?他は全部、合意しとらんっ」
俺は目の前にいるやつをキッと睨みつけながらこれまでの怒りをぶつける。もちろん食べる席はリシェじいの隣に俺や、やつは前におるけど知らん、、、目に入れたくないし、リシェじいの綺麗な顔を見てご飯を食べてたからな
「リシェじいぃ、こいつどうにかしてぇな」
「どうせレヴィは桃のパイが食べたいんだろ」
「あぁ、そうだ。このままじゃモモ専用の桃のパイだろ?俺の分ねぇじゃん」
「当たり前だろ、頑張った子にしかあげない」
「だから、モモのこと手伝うって言ってるんだ」
俺はリシェじいにこいつはどうにか一緒にしないでと目線で訴える。ちらりと俺を見たリシェじいにその想いは届いたようだった
「レヴィ、それなら俺の研究の方を手伝え・・・お前の魔力は質も量もいいから研究向きだしな」
「、、、研究の方は疲れるんだよな」
「何か言ったか?」
「いや、分かったよ」
俺は聞こえてたでっこいつ研究の手伝いはしたないって!リシェじい、こいつには桃のパイは無しやっ!
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