大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

白藍たんぽっぽ

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第一章 日常から非日常への一歩

6話 一目惚れした

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 不思議に思って辺りを見回すも黒い手は一つも浮いてなかった。少し残念に思って黒い手を捕まえていた自分の両手を見つめる。すると、影が落ちて自分の身体が包まれた


「ぁ、、、」


 川から引き上げた大きな人はずるっと地面と服を擦れさせながら起き上がった。その音がより一層と不気味さを際立たせ、ふらりと俺の方に近づいた


「、、、っ?!血がっ、、、大丈夫なん?!無理に動きなや」

「・・・・・」


 近づいたけどたったの一歩だけで、血を吐きながら地面に膝をついた。さっきの黒い手はこの人のだろうし治してくれた恩があると急いで寄り添う
 顔を俯けていても遥かに俺よりも大きいから覗き込めば簡単に顔を見ることが出来た。黒い髪にはべっちゃりと赤黒い血がついており、鮮血を想起させる赤い目がこちらを捉えた


「今、回復魔法かけるからな?さっきは怪我を治してくれてありがとうっそのお礼や」

「・・・」


 首元に巻いてある包帯は赤黒く染っていて、それを覆い隠すように鮮やかな赤色が滲み出てくる
 これ、首から出てるんやんなっ?だ、大丈夫なんか、この人、、、死んでもうたらどうしよっ
 慌てて白魔法をかけて回復させる。心無しか血が流れるのが止まった気がするし、顔色も明るく見える気がする、、、いや、悪いかも知らん、、、この人、鬼か?悪魔か?どっちやろ、肌が黒に近い灰色やから元気になったんか分からへん


「どうや?魔法かけてみたけど、、、元気になった?」


 何も言わずに一つ頷いた。元気になったなら良かったわ


「そっか、良かったわ~、、、あんた怪我して喋られへんの?俺の精度じゃ無理やったんかな、、、あ、リシェじいのとこ行く?エルフやから魔法得意やし治せると思うけど」


 怪我で喋られないらしくそんなの早く治った方がええからと、リシェじいのとこに案内しようと思ったら首を横に振られた


「リシェじいのとこは行きたないの?早く回復して喋られるようになるで?、、、そっか、分かった」


 頑なに首を縦に降らなかったのでここは引き下がることにした。無理に言ってもあかんしな


「ほな、悪魔?、、、鬼の人か、、、鬼の人、気をつけて帰りや~」


 悪魔やなくて鬼の人やったらしい。頭に角が無かったので分からへんかった、いやあってもどっちか分からんな。鬼の人にさよならの挨拶をし、バケツを持って水を汲みに川の方へ向かう。隣を通り過ぎようとした時に腕を強く引かれた
 バランスを崩してぽすりと鬼の人に抱きとめられる。胡座をかいたところに座る形になり身長差も身体の大きさも違いすぎてこのまま握りつぶされるんじゃないかと恐怖で身震いすると名前を呼ばれた
 上を見上げると強姦魔が飛んでいた


「モモ~、、、どこだ~って、はぁ?!おま、何してんだ?!そいつは誰だ、てかっ今すぐ離れろっ!」


 何してんだってこっちが聞きたいし、この人は鬼のあんちゃんやで、、、そんな怒鳴らずとも離れますがな
 動こうにも身体をがっちりと抱きしめられてしまい動けない


「はぇ?」

「モモ!」


 俺に向かって手を伸ばした強姦魔は黒い霧に包まれた。気がつけば俺は見知らぬ小屋にいて、黒い霧に包まれたのはどうやら俺の方やったらしい
 これ、どないしよ


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