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第一章 日常から非日常への一歩
8話 撫でられるのが大好き
しおりを挟む少しの浮遊感の後にまた大きな黒い手の上に戻された。俺の身体を掴んでいた大きな黒い手は消えて替わりに両手足をノーマル黒い手が掴む。まるで次こそはそんなヘマをしないというように鎖のようだった
今いる大きな黒い手の上から外へと手を出そうとしても見えない壁があるように拒まれてしまう。俺は諦めて体育座りをして鬼のあんちゃんを見つめる。もちろん怪我をしているので喋れないから無言の時間が続いた
「なぁ、俺のことなんでここに連れて来たん?殺すためやったらやめてな?一様、俺、あんちゃんのこと回復させたで?」
そう言葉を並べ立てると慌てて首を振って否定された。殺しはしないらしい。よかった
「じゃぁ、なんで連れて来たん?人質とか、違う、、、あ、話し相手になって欲しいとか?え、その反応はどっちや、口をそないあんぐり開けられても分からん、、、あ、違うん?」
拉致された理由を聞こうにも自分から聞かないと意思疎通が出来ないので困った。俺はそんな察し良くないし、心とか読めたらいいのになぁ
また無言の時間が続くと頭を撫でられる感触がした。また黒い手が撫でてくれているらしい。本当に撫でるのが上手だなぁ
「んふふ、なぁ、、、この黒い手は守護霊的なもんなん? ぁ、撫でんのやめんといて、もっと撫でてぇな、、、そうそう、えへへ」
守護霊的なものでは無いらしい。静かにそっと首を振られた。なんだか悲しい、暗い雰囲気を感じるのでこのあんちゃんにとって黒い手はあまり嬉しく無いものらしい
「俺なぁ?この黒い手のこと好きやで、怪我したの治してくれるし、大きくなるし、撫でてくれるし、、、いいなぁ、あんちゃんが嫌なら俺が貰いたいなぁ」
そういうとあんちゃんの身体がピシリと固まって口元を抑え、下を向いてしまった。やっぱりあんちゃんにとっても黒い手たちは大事な存在らしい
「じょ、冗談やからそない落ち込まんといてっ、、、結構、本気やったけどそないショックを受けるとは、、、」
慌ててあんちゃんに寄ろうとしたけど例の如く黒い手に阻まれたので大人しく範囲の中で近づくことにした。顔をあげて何故か力強く頷かれたので大丈夫ということなんやろか、分からん
いつの間にか頭を撫でていた手は止まっていて、辺りを見回してもいないから消えてしまったんだろう
頭を撫でられる感触が無くなったことが少し寂しく感じ、俺はいいことを思いついた
「なぁ、あんちゃん。頭を撫でてくれへん?さっきまで黒い手で撫でてくれたやんか、すごく撫でんの上手でもっと撫でられたいねん、、、きっとあんちゃんが撫でんのすごく上手やからやろ?お願いっ」
手を合わせてリシェじいに良くやるお願い事をするときの必殺技をあんちゃんにもする。果たして効果はあるんやろか、あって欲しいなぁ
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