大好物の桃を育てていたら最強で最凶の人外達に求愛された

白藍たんぽっぽ

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第二章 新しい恋の予感

45話 出発準備

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 鳥がちゅんちゅんと鳴く声で目を覚ます。俺の傍に温もりはなくて瞼を開けるとベッドに俺一人だった。微かにガチャガチャと下から聞こえてくるからリシェじいは先に起きてご飯を作っているのかもしれない
 少し寂しいと思いながらベッドの上でしばらくぼ~っとした後、起き上がりリシェじいがくれた防御魔法つきの服を着る
 朝の身支度を整えるために階段を降りて予想通り料理を作っていたリシェじいに挨拶をする


「おはようリシェじい、、、朝おらんくてちょっと寂しかったで俺」

「気持ちよさそうに寝ていたからな。わざわざ起こさないといけない時間でもなかったし」

「でも一緒に寝てくれてありがとうな、なんやいつもよりぐっすり寝れた気ぃする。えへへ」

「ふっ、それは良かった。ほら顔洗ってこい」

「は~い」


 卵が焼ける匂いでお腹が空いたことをさらに自覚し俺の朝支度も少し早くなる。終わってリビングに顔を出すとリシェじいは最後の料理の仕上げをしていた
 パンと目玉焼きだ、、、美味しそう
 サラダはリシェじい特性ソースがかかっていてこれがあまじょっぱくて美味しい。きっと朔夜が食べたら驚くだろうな
 そう思ったところでそういえば朔夜はどこにいるのだろうと当たりをキョロキョロと見渡すもいない


「リシェじい、朔夜はどこにおるん?まだ部屋で寝てるん?」

「朔夜はとっくに起きてるぞ。畑仕事をしてくると言って出ていった、、、ももあ呼んできてくれ、家の裏手にいるはずだ」

「わかった」


 玄関を出て家の後ろにある畑の場所まで歩いていく。するとリシェじいが育てている薬草畑や野菜の畑よりも何倍も大きい土地が耕されていた


「わぁ、すご、、、これ一日で耕したん?」


 俺なんて地面が固すぎて桑を跳ね返されていたのに、、、
 しゃがみこみ土を触るとすごくふわふわだった。このふわふわな土があんな奥まで続いてるのすごない?俺、やっぱ才能なかったんやな
 立ち上がって手の土も払い、改めて朔夜をキョロキョロと探す。が、見当たらない
 畑の中を進むとリシェじいの薬草畑の裏にいた。薬草は背の高いものも多く低木もあるため流石の朔夜でもしゃがめば隠れてしまうらしい


「朔夜っおはよ!朝ごはんの時間やから呼びに来たで」


 俺の声に反応して顔をあげるとにこりと微笑み口パクでおはようと返してくれた。初めて会った時よりも優しく笑ってくれる姿に胸が高鳴り嬉しくなった

 
「一緒に行こ?」


 こくりと朔夜は頷いて桑を家の壁に立てかける。畑仕事用の作業着をリシェじいが魔法で作ったのか朔夜の私物なのか昨日とは打って変わって暗めの赤色の着物を着ていた
 その色も朔夜に似合っていてかっこよかった。そのことを朔夜に伝えながらリシェじいが待つリビングへと帰る


 ご飯をみんなで食べ終わった後、旅の準備のため街に降りる準備を始めた。俺は収穫した桃を取りに農園まで籠を何個か持って向かった


 
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