〔時〕〔空〕冒険記

irohani

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水の国【ファウンテン】

たんさく。

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水の国ファウンテン。そこは周辺国の水源を補う程の莫大な、そしてとても透き通った綺麗な水を保有する国。

中でも源泉と呼ばれる水は身体の悪い所を治し、万病を予防するとも言われている。この地で育った作物は栄養満点で食べるとチカラが湧いてくるような錯覚を覚える。魚も栄養満点だが、源泉周辺にしかおらず源泉のエネルギーを直に受け続けながらを泳いでいるので他の地方の魚とは比べ物にならない程強い。その分、どんな食べ方でも美味しく頂ける。

水の国ファウンテンの観光名所といえばアクア大聖堂だろう。ここの国では王が治めるのでは無く、神が治めているらしい。政治は神にかわってヒュドール神父が治めているが治安はよく旅行先にはもってこいの国だと言えるだろう。



「なるほど、このガイドブックは買って正解だな。軽くまとめられていてわかりやすい」

コーロは頷く。

今読んでいたガイドブックはコーロが出発する前に買ってきたものらしい。【これでわかる!!世界の国々!!】という題名だ。

最初に見た時は子供向けの図鑑と思っていたけど、思っていた以上にしっかり書かれている。…たとえば、ヒュドール牧師の好きな食べ物まで。

「宿も確保したし、どっかいこーぜ!!」

「そうだね。じっとしててもつまらないし」

宿から出て、行き先を決めよう。…私の目的は観光を終えてからでも良いだろう。多分、観光してたらこの国のこともわかる。

「…最初に大聖堂行くのはどう?そこなら人も集まるだろうし、良い観光地の場所も聞けるかもしれないし」

「最初からメインディッシュって言うのもアリだな!!そうと決まれば早速行こーぜ!!」

…今日の朝のデジャブ。コーロに流れを任せたら朝の二の舞になる。

「コーロ、折角だからゆっくり行こうよ。そんなに急いだら良いものを見落とすよ?」

「…それもそうだな!!なら、回り道して行こーぜ!!市場に行っていろんなもん見て回ろーぜ!!」

早く来いよ!!と走りながら市場の方に消えていく。うん、単純。

コーロに振り回されてたから、気にして

「クロノー!!このイカやきめっちゃおいしー!!」

「いつの間に!?」

早い。いつの間にか買って戻ってきた。私の分も持って。不思議。

「あんまりはしゃがない。楽しいのはわかるけど抑えて抑えて」

またすぐにどこかに行くかもしれないから、コーロと手を繋いでおく。これなら大丈夫だろう。

「はい、あーん」

あっ自分の世界に入ってる。聞いてない。…見た目は普通のたこやき。でも、イカのいい香りが漂ってくる。

「あ、あーん」

コーロが口の中にイカやきを放り込む。記事に歯を通すとイカの出汁が広がる。

「あふい」

イカとソースに口の中が支配される。…たこやきより、イカやきの方が好きかもしれない。…それとも、ここのイカが美味しいだけ…?

「おいしいでしょ?」

「…おいしい」

「まだ他にもいろいろ食べ物あるっぽいから食べ歩こーよ、クロノ!!」

「…そうだね。いっぱいおいしい物、たべよっか」


あっけなくコーロの流れに流された私と提案したコーロがアクア大聖堂に辿り着くのはお日様が沈みかける頃になった。

…美味しかったから、けっかおーらい。


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