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11 知らなかった部屋
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「寄りたいところがあるんだ。いい?」
ホームセンターと百円ショップでの買い物を終えたあと、滝くんはそう言った。
「うん、いいよ。どこに行くの?」
「へへ、内緒!」
滝くんは、さっきみたいに寄り道はしないですたすた歩く。
ふたり、だまったまま歩いていると、持っているレジ袋のカサカサ音が気になってきた。
買い物に誘われたときそうだったように、滝くんの言動には他意はないのだから、特別な意味があるなんて誤解しちゃだめなんだからね。
自分に必死に言い聞かせてるのに、やっぱり気になって仕方がない。
ちょっとしたことで心臓が騒ぎ立ててしまう。少しの風で大げさに音を立てるレジ袋みたいで、自分でもどうしたらいいかわからない。
とりあえず心の中に風を起こさないようにしないと。滝くんはまだ買いたい物があって、お店に行こうとしてるんだよね、きっと。
ところが、着いたのは予想とはまったく違った場所だった。
「市民センター……?」
入口上に掲げられた建物名を読み上げる。市の公共施設、ということは知っているけど、ふだんはあまり来ない場所だ。
すたすたと中に入っていく滝くんをあわてて追った。
少し大きな声で話したら周りに響いてしまいそうで、ここは学校とまったく種類の違う場所なんだ、と緊張してしまう。
入ってすぐのところに置かれたボードには、各階で行われている講座や催し物の案内があった。その中のひとつを滝くんが指さす。
「これこれ」
「パッチワーク作品展?」
パッチワークキルトの展示会が開催されているみたいだ。もしかして、これを見るために連れてきてくれたの……?
「うん、そう! これ絶対待井さんが好きなやつだ、って思って」
滝くんはわたしの聞きたいことを察して、大きくうなずいてみせた。
「でも、どうして突然……」
「まあまあ、とりあえず見ようよ!」
まさかの展開に頭がついていかないわたしは、滝くんにうながされるまま、展示会場に足を踏み入れる。
壁一面に飾られたキルトを見た瞬間、それまでの遠慮のようなものは頭から消え去り、吸い寄せられるように展示作品に近づいていった。
まず目にしたのは、両腕を広げたくらいの大きなタペストリーたちだ。
植物のツルをかたどったキルトは手縫いで、ひと針ひと針、とても細やか。赤色がグラデーションになったキルトは、夕日の光を集めたようにきれいだった。完成させるのに一年以上かかっただろうと思える大作に、息をのむ。
満足するまで見たあと、小さな作品の展示場所に移動した。
家の窓から顔をのぞかせている動物たちをアップリケした、かわいらしい小物入れ。小花の模様のスマホケース。
遠目で全体の色や形を見るのも、ごく近くで縫い目をじっくり見るのも、どちらも楽しかった。
小規模な展示会で点数は少なかったけど、作品ひとつひとつをじっくりと見られて、とても満足感があった。
展示会場を出たあと、感嘆の吐息を漏らしながら余韻にひたっているわたしに、滝くんが缶ジュースを差しだしてくれた。至れり尽くせりだ。
「ありがとう。それとごめんね。わたし、見るのに夢中になっちゃってて……」
自分の世界にどっぷりと浸ってしまっていたのに遅まきながら気づき、滝くんにあやまった。すると滝くんはきょとんとした顔になった。
「え、なんであやまるの? おれ、人が好きなものにぐわーって夢中になってるとこ見るの好きだよ! おれも楽しかったし。前に待井さんが言ってた、布同士がお互いを支えあってるってやつ、実際に見られてよかったなー。布の一枚は小さいのに、たくさん集まってくっついたらあんな迫力ある芸術作品になるんだもんね」
滝くんがタイルカタログを見ていたときのことだ。タイルがキルトに似てるって話をしたんだったな。
あの話を「なに言ってんだろう」って反応をしないで聞いてくれて、しかもそれを覚えていてくれたなんて。
自分のことをわかってもらえたみたいで、うれしさがじわじわとこみ上げる。
「あはは、待井さん、すっごい目パチパチしてる。顔赤い! よかったなあ、学校にいるときはちょっと顔が青白いっていうか、かたい感じしてたもん」
「えっ……」
「だけど仕方ないよなあ。ドールハウスに熱中してても、悩みごとはずーっと心の中にあるんだもんね」
滝くん……。
瑠璃のことで落ちこんでいるわたしを、気にかけてくれてたんだ。その上、はげますためにここに連れてきてくれた。
うれしい、だけじゃおさまらない気持ちが、涙としてこぼれてきそうだ。
わたしはあわてて、髪をさわるふりをして顔を隠した。
そんな苦労をしている合間に、滝くんはごくごくと音を鳴らしてジュースを飲み干し、満足げな息を吐いた。彼のおどけた仕草がしめっぽさをかき消してくれる。わたしはそっと口を開いた。
「ありがとう、滝くん。こんな素敵な展示会に連れてきてくれて。だけどその、わたしばっかりうれしくて、申しわけない、というか……」
「それなら今度、おれ主催の『ほっこりハウスめぐり』につきあってもらおうかなー」
「……ほっこり?」
「うん! いい感じに癒やされそうな家をめぐる会! 近所をあっちこっちウロウロして探したんだー。茅葺き屋根の家とか、寝転んだら気持ちよさそうな縁側がある家とか」
「へえ……素敵だね」
「でしょでしょ? 今度行こう!」
あれっ、もう一度ふたりででかけることになってる? また、胸が大きな音で騒ぎだした。
いやいや、ただの軽口かもしれないし、実際にいつ行くか決まったわけじゃないし、と心を落ち着かせようとしたけど、おさまらない。滝くんはわたしの心に風を起こす天才だ。
「それにさ」
滝くんの表情がふいに変わった。ちっちゃな子どものような笑顔から、大人びた笑みに。
「それにさ、待井邸のためだけじゃなくて、滝邸のためでもあるんだよ」
「滝くんのため?」
「うん、待井さんの悩み聞いて、おれはあんまり、人との関係について深く考えたことなかったなあって気づいたんだ」
「……考えなくてもうまくいっていたなら、それでいいんじゃないの?」
だって、わたしが悩んでいるのは、うまくいってないからだもの。
本当の自分を見せることができなかったから、結果的に瑠璃に嫌われてしまったんだ。
瑠璃のことだけじゃない。わたしは上手に人とコミュニケーションができないから、いつも悩んでいる。さっきはああ言えばよかったのに、なんて後悔することがしょっちゅうあったもの。
もし滝くんみたいに思うとおりに話せるなら、悩まなくたっていいはずだ。
「うまくいってるっていうより、適当にやってきただけかもしれないなって。友だちはいるけど、人って、ずっと自分のそばにいるわけじゃなくて、流れていくものだって思ってたんだよね」
「流れてく?」
「何回か転校したからかな。友だちができてもそのうち別れちゃうんだろうな、でも仕方ない、って気持ちがあるのかも。だからどっしりと動かない、自分を見守っててくれそうな建物を好きになったのかなあ、なんてどんどん考えちゃって。まるで自分の心の中に知らない部屋があるみたいで、びっくりしたんだよね」
伏し目がちに話していた滝くんはふと顔を上げ、わたしを見ると小さく笑った。
「待井さんは仕方ないなんてあきらめたりしないで、人との縁をちゃんとつなぎとめようとしてる。すごいなって感心した。応援したいって思ったよ」
滝くんのおだやかな声が胸の奥で広がっていく。
わたしは今まで、悩んでじたばたしてる自分のことを情けないって思ってた。
だけど、すごいって、応援したいって滝くんが言ってくれたから、自分自身に対する気持ちが、少し優しくなったような気がする。
「……そんな、すごいなんてことないよ。わたし、手芸が好きだって瑠璃に言えなくて、ごまかして逃げていたから。あれからもう一度、瑠璃と話そうとしたけど失敗しちゃったし。でも、それでもわたし……」
滝くんはわたしが言葉に詰まってしまっても急かさずに、ただ「うん」とうなずいた。
そのふわりとした空気に勇気づけられて、わたしは両手をひざの上でぎゅっと握り、必死に言いたい言葉をのどから押しだす。
「瑠璃と仲直りすること、あきらめたくないんだ」
「そっか! おれ、待井さんのこと、もっと応援する!」
いつものようなお日さま笑顔になって、滝くんはわたしの肩をぽんと叩いた。
本当は、やっぱりこわいんだ。
瑠璃にまた拒絶されてしまったらどうしよう。もう立ち直れないかもしれない、ってつい考えちゃう。
だけど、あきらめないって思える理由が、心の中にちゃんとあるんだ。
わたしは自分の気持ちを確認するように口を開いた。
「……あのね、滝くんが言ってた、心の中の知らない部屋って、わかる。わたし、これまで友だちがいなかったから、瑠璃が友だちになってくれて、毎日が生まれて初めての出来事だったの。朝あいさつして、おしゃべりして、お昼ごはんふたりで食べて、っていうあたりまえのことにわくわくした。これまで知らなかった気持ちを探し当てたみたいだったよ。この部屋をこれからも大事にしたいんだ。だから、がんばりたい」
「そっかー、待井邸にもあったんだな。知らなかった部屋が」
「うん」
「お互い、自分の家の中、探検していこうな」
「うん!」
わたしは今度こそ、迷いなくうなずいてみせた。
ホームセンターと百円ショップでの買い物を終えたあと、滝くんはそう言った。
「うん、いいよ。どこに行くの?」
「へへ、内緒!」
滝くんは、さっきみたいに寄り道はしないですたすた歩く。
ふたり、だまったまま歩いていると、持っているレジ袋のカサカサ音が気になってきた。
買い物に誘われたときそうだったように、滝くんの言動には他意はないのだから、特別な意味があるなんて誤解しちゃだめなんだからね。
自分に必死に言い聞かせてるのに、やっぱり気になって仕方がない。
ちょっとしたことで心臓が騒ぎ立ててしまう。少しの風で大げさに音を立てるレジ袋みたいで、自分でもどうしたらいいかわからない。
とりあえず心の中に風を起こさないようにしないと。滝くんはまだ買いたい物があって、お店に行こうとしてるんだよね、きっと。
ところが、着いたのは予想とはまったく違った場所だった。
「市民センター……?」
入口上に掲げられた建物名を読み上げる。市の公共施設、ということは知っているけど、ふだんはあまり来ない場所だ。
すたすたと中に入っていく滝くんをあわてて追った。
少し大きな声で話したら周りに響いてしまいそうで、ここは学校とまったく種類の違う場所なんだ、と緊張してしまう。
入ってすぐのところに置かれたボードには、各階で行われている講座や催し物の案内があった。その中のひとつを滝くんが指さす。
「これこれ」
「パッチワーク作品展?」
パッチワークキルトの展示会が開催されているみたいだ。もしかして、これを見るために連れてきてくれたの……?
「うん、そう! これ絶対待井さんが好きなやつだ、って思って」
滝くんはわたしの聞きたいことを察して、大きくうなずいてみせた。
「でも、どうして突然……」
「まあまあ、とりあえず見ようよ!」
まさかの展開に頭がついていかないわたしは、滝くんにうながされるまま、展示会場に足を踏み入れる。
壁一面に飾られたキルトを見た瞬間、それまでの遠慮のようなものは頭から消え去り、吸い寄せられるように展示作品に近づいていった。
まず目にしたのは、両腕を広げたくらいの大きなタペストリーたちだ。
植物のツルをかたどったキルトは手縫いで、ひと針ひと針、とても細やか。赤色がグラデーションになったキルトは、夕日の光を集めたようにきれいだった。完成させるのに一年以上かかっただろうと思える大作に、息をのむ。
満足するまで見たあと、小さな作品の展示場所に移動した。
家の窓から顔をのぞかせている動物たちをアップリケした、かわいらしい小物入れ。小花の模様のスマホケース。
遠目で全体の色や形を見るのも、ごく近くで縫い目をじっくり見るのも、どちらも楽しかった。
小規模な展示会で点数は少なかったけど、作品ひとつひとつをじっくりと見られて、とても満足感があった。
展示会場を出たあと、感嘆の吐息を漏らしながら余韻にひたっているわたしに、滝くんが缶ジュースを差しだしてくれた。至れり尽くせりだ。
「ありがとう。それとごめんね。わたし、見るのに夢中になっちゃってて……」
自分の世界にどっぷりと浸ってしまっていたのに遅まきながら気づき、滝くんにあやまった。すると滝くんはきょとんとした顔になった。
「え、なんであやまるの? おれ、人が好きなものにぐわーって夢中になってるとこ見るの好きだよ! おれも楽しかったし。前に待井さんが言ってた、布同士がお互いを支えあってるってやつ、実際に見られてよかったなー。布の一枚は小さいのに、たくさん集まってくっついたらあんな迫力ある芸術作品になるんだもんね」
滝くんがタイルカタログを見ていたときのことだ。タイルがキルトに似てるって話をしたんだったな。
あの話を「なに言ってんだろう」って反応をしないで聞いてくれて、しかもそれを覚えていてくれたなんて。
自分のことをわかってもらえたみたいで、うれしさがじわじわとこみ上げる。
「あはは、待井さん、すっごい目パチパチしてる。顔赤い! よかったなあ、学校にいるときはちょっと顔が青白いっていうか、かたい感じしてたもん」
「えっ……」
「だけど仕方ないよなあ。ドールハウスに熱中してても、悩みごとはずーっと心の中にあるんだもんね」
滝くん……。
瑠璃のことで落ちこんでいるわたしを、気にかけてくれてたんだ。その上、はげますためにここに連れてきてくれた。
うれしい、だけじゃおさまらない気持ちが、涙としてこぼれてきそうだ。
わたしはあわてて、髪をさわるふりをして顔を隠した。
そんな苦労をしている合間に、滝くんはごくごくと音を鳴らしてジュースを飲み干し、満足げな息を吐いた。彼のおどけた仕草がしめっぽさをかき消してくれる。わたしはそっと口を開いた。
「ありがとう、滝くん。こんな素敵な展示会に連れてきてくれて。だけどその、わたしばっかりうれしくて、申しわけない、というか……」
「それなら今度、おれ主催の『ほっこりハウスめぐり』につきあってもらおうかなー」
「……ほっこり?」
「うん! いい感じに癒やされそうな家をめぐる会! 近所をあっちこっちウロウロして探したんだー。茅葺き屋根の家とか、寝転んだら気持ちよさそうな縁側がある家とか」
「へえ……素敵だね」
「でしょでしょ? 今度行こう!」
あれっ、もう一度ふたりででかけることになってる? また、胸が大きな音で騒ぎだした。
いやいや、ただの軽口かもしれないし、実際にいつ行くか決まったわけじゃないし、と心を落ち着かせようとしたけど、おさまらない。滝くんはわたしの心に風を起こす天才だ。
「それにさ」
滝くんの表情がふいに変わった。ちっちゃな子どものような笑顔から、大人びた笑みに。
「それにさ、待井邸のためだけじゃなくて、滝邸のためでもあるんだよ」
「滝くんのため?」
「うん、待井さんの悩み聞いて、おれはあんまり、人との関係について深く考えたことなかったなあって気づいたんだ」
「……考えなくてもうまくいっていたなら、それでいいんじゃないの?」
だって、わたしが悩んでいるのは、うまくいってないからだもの。
本当の自分を見せることができなかったから、結果的に瑠璃に嫌われてしまったんだ。
瑠璃のことだけじゃない。わたしは上手に人とコミュニケーションができないから、いつも悩んでいる。さっきはああ言えばよかったのに、なんて後悔することがしょっちゅうあったもの。
もし滝くんみたいに思うとおりに話せるなら、悩まなくたっていいはずだ。
「うまくいってるっていうより、適当にやってきただけかもしれないなって。友だちはいるけど、人って、ずっと自分のそばにいるわけじゃなくて、流れていくものだって思ってたんだよね」
「流れてく?」
「何回か転校したからかな。友だちができてもそのうち別れちゃうんだろうな、でも仕方ない、って気持ちがあるのかも。だからどっしりと動かない、自分を見守っててくれそうな建物を好きになったのかなあ、なんてどんどん考えちゃって。まるで自分の心の中に知らない部屋があるみたいで、びっくりしたんだよね」
伏し目がちに話していた滝くんはふと顔を上げ、わたしを見ると小さく笑った。
「待井さんは仕方ないなんてあきらめたりしないで、人との縁をちゃんとつなぎとめようとしてる。すごいなって感心した。応援したいって思ったよ」
滝くんのおだやかな声が胸の奥で広がっていく。
わたしは今まで、悩んでじたばたしてる自分のことを情けないって思ってた。
だけど、すごいって、応援したいって滝くんが言ってくれたから、自分自身に対する気持ちが、少し優しくなったような気がする。
「……そんな、すごいなんてことないよ。わたし、手芸が好きだって瑠璃に言えなくて、ごまかして逃げていたから。あれからもう一度、瑠璃と話そうとしたけど失敗しちゃったし。でも、それでもわたし……」
滝くんはわたしが言葉に詰まってしまっても急かさずに、ただ「うん」とうなずいた。
そのふわりとした空気に勇気づけられて、わたしは両手をひざの上でぎゅっと握り、必死に言いたい言葉をのどから押しだす。
「瑠璃と仲直りすること、あきらめたくないんだ」
「そっか! おれ、待井さんのこと、もっと応援する!」
いつものようなお日さま笑顔になって、滝くんはわたしの肩をぽんと叩いた。
本当は、やっぱりこわいんだ。
瑠璃にまた拒絶されてしまったらどうしよう。もう立ち直れないかもしれない、ってつい考えちゃう。
だけど、あきらめないって思える理由が、心の中にちゃんとあるんだ。
わたしは自分の気持ちを確認するように口を開いた。
「……あのね、滝くんが言ってた、心の中の知らない部屋って、わかる。わたし、これまで友だちがいなかったから、瑠璃が友だちになってくれて、毎日が生まれて初めての出来事だったの。朝あいさつして、おしゃべりして、お昼ごはんふたりで食べて、っていうあたりまえのことにわくわくした。これまで知らなかった気持ちを探し当てたみたいだったよ。この部屋をこれからも大事にしたいんだ。だから、がんばりたい」
「そっかー、待井邸にもあったんだな。知らなかった部屋が」
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