39 / 55
第三十九話 湯殿で気がついた本当の気持ち ~優しい菊の眼差しと美しい裸体~
しおりを挟む「・・・・幸介さん、お背中を流しますね・・・」
湯殿の引き戸がカラリと開き、いつもの薄い湯文字一枚の美しい菊の白い肢体が淑やかに湯殿に入ってくる。
幸介がこの蜂ヶ谷家に厄介になるようになってから、欠かさず続けられている菊の「女中」としての務め。
最初は、この若く美しい菊の破格の「サービス」に面食らったものだが、今はすっかり慣れてしまった。
幸介にとっては、心の奥で好ましく思っている菊との湯殿での一時は心躍るものだった。
「あっ、菊さん!・・・いつも本当にすみません・・・部屋の掃除から洗い物まで・・・」
「ウフフッ、いいんですよ、幸介さん、菊も幸介さんのお世話が出来ることが嬉しいんです!・・・だから、幸介さんのお身体が余計心配で・・・」
「・・・心配?・・・僕の?・・・」
菊はウットリするような柔らかい手で幸介の背中についた石鹸の泡を撫でながら小さな声で言う。
「はい、幸介さんのこ村でのお役目・・・本当に大変そうで・・・」
菊は幸介の「オス蜂」としての役目の事を言っているのだ。
「えっ、ええっ・・・でもまあ、僕は若いからっ!ハハッ・・・こんな境遇なんて、いくら金があったって出来るものじゃないし・・・僕も不思議な感じはするんですが、どんな理由でも女性にモテるってのは男にとっては悪くないですよ、アハハハッ!」
明るく笑い飛ばす幸介・・・菊相手だから言える本音だ。
「・・・そ、そうですよね・・・」
その菊の声に、かすかに暗さを感じたのは幸介の思い過ごしだろうか。
「幸介さんっ・・・どこか悪くなったらすぐに言ってくださいね?きっとですよ?」
「ええ、ありがとう菊さんっ・・・今は全く元気だけど、本当に体が良くないときはちゃんと菊さんに言いますよ!」
「・・・・あっ、有難うございますっ、幸介さん!」
「いや、菊さんっ、そんな・・・お礼を言うのは僕の方ですよ」
真剣に自分の体調を心配してくれる健気な菊!・・・幸介が思わずクルリと菊の方に向き直ると、真っ白でツンと上を向いた美しい乳房が目の前に飛び込んでくる!
彼はあまりに日常的になり過ぎた菊の、この湯殿での奉仕に慣れ切って、彼女が湯文字一枚の姿であることをすっかり忘れていたのだ!
「・・・あっ!き、菊さんっ、ゴメンっ!」
「こ、幸介さんっ・・・恥ずかしいっ・・・」
背中を流すために湯殿で湯文字一枚の姿を晒すことに抵抗を感じていなかった菊も、思わず幸介を「男」して意識してしまったのか急に恥じらいを見せ、体をよじり両手で胸を隠す。
・・・しかしそんな風に恥じらう艶めかしい菊の姿は、かえって普段は特に気にすることなく互いの肌を晒していた幸介と菊に「男と女」を意識させてしまうのだった。
謝りながらも菊の瑞々しい裸体から目が離すことが出来ない幸介。
十八歳の雪のように白い肌は二十一歳の彼をすっかり魅了してしまう。
・・・と同時に、幸介は雷鳴に打たれたように突然ひらめく!
最近感じていたポッカリと空いた心の空虚な部分・・・女達と「交尾」に明け暮れる毎日でも満たされていなかった心の空白の「理由」がこの瞬間、突然閃いたのだ!
彼自身もおぼろげにしか意識していなかった想い・・・本当の自分の心。
・・・ああ、僕は菊さんが好きだったんだ!身体だけの関係ではなく、一人の女性として!・・・心の通い合う「伴侶」として!彼女を欲していたんだ!
幸介は感激したように天を仰いだあと、もはや遠慮することなく菊と向かい合う。
彼はこの瞬間、自分の気持ちに正直になろうと決心した。
「・・・き、菊さんっ・・・」
「・・・は、はい・・・幸介さんっ・・・」
菊は顔を真っ赤にしながら両手で乳房を抱えるように隠している。
湯に濡れてすっかり透けている湯文字が見える淡い陰毛を幸介に見られないように、不自然に捩らせた美しい曲線を描く腰から尻のライン・・・。
幸介は古の名工が刻んだ西洋の女神像でも見ているように、眩しそうに菊の裸体を見つめる。
・・・ムクッ・・・ムクッ・・・
もうすっかり慣れ切って、手拭いて隠すこともしていなかった彼の股間から、まるで蛇のように頭をもたげてくる男根!
しかしそんな男性器の発情でさえ、今の彼には決して猥らがましいものではなく、神聖で純粋なものに思えたのである。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる