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【画像あり】江戸時代のUMA(未確認生物) ~山中に現われた怪獣~
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「宿直草」 荻田安静編 延宝五(1677)年刊
「猟人、名も知れぬものをとる事」より
紀州(現在の和歌山県と三重県の南部)日高郡の猟師が、一人で山に入り鹿を獲ろうと鹿笛を吹いていると、目の前の薄がガサガサと鳴り、草むらを押し分けて何かが歩いてくる気配を感じる。
さては鹿か・・・と猟師が続けて鹿笛を吹くと、その気配は鹿笛につられるように近づいてくる。
猟師が鉄砲を構えて待っていると、その距離七、八間(12メートル~14メートル)先から現れたのは、三尺(90センチ)ほどもある大きな顔だった。
その得体の知れないものが口を開くとその長さも三尺ばかりで、真っ赤な長い舌が見え隠れする。
背は僅か一尺四五寸(35センチ程度)に過ぎない。
猟師は大蛇が真正面から向かってきたのだと思い、ぐずぐすしていると大蛇に飲まれてしまう・・・と鉄砲を向けてためらわずに撃った。
弾は命中したようで、得体の知れない物は谷へと転がり落ちていった。
猟師はその長さが大蛇よりは短いのに気付いて、その得体の知れない怪物が落ちていった先を見に行こうかと思ったが、恐ろしくなってやめた。
さて、翌日改めて見に行くと、果たして谷底で怪物は死んでいた。
それは見たことのない生き物だった。
大きなヒキガエルのようで、全身に鱗があり二尺四、五寸(73センチ程度)の尻尾があった。
腹部は段を切っていて蛇のようだった・・・。
これがなんという生き物であるか分かるものはいなかった。
昔から言う「蟇」というものだろうか、しかし「蟇」は蟹に似て小さいものだというので、「蟇」ではないようだ。
怪物は身も皮も役に立つものはなく、その大きな鱗だけが保存されているのを見たという人が語った話である。
・・・・これはなんとなくわかります、「ワニ」ですね。
何で和歌山県の山の中にワニがいるのか!という気もしますが、そこは「いいんだよ、細けぇことは・・・・」の精神でお願いします。
実際、この描写からしてワニ以外考えられないですし、東南アジアから和歌山の海岸線に流れ着いた可能性も充分考えられます。
古代日本では「因幡の白兎」の話のように神話にも「ワニ」は登場します。
そのワニは現在で言う「サメ」だったという説がどちらかというと一般的ですが、いやそうではなくてちゃんと「ワニ」だったという説もあるようです。
なお、この話が紹介されている「宿直草」、江戸時代前期に、俳人・荻田安静が色々な説話を集めて編纂した怪談集で、この話も江戸時代の話というよりは、それ以前から伝わっていた話なのかもしれません。
「宿直草」には、他にも妖怪や幽霊、怪現象などのいかにも「怪談」らしい話が多くて大変面白いです。
いずれにしても、この「一日後に死んだ(のを確認された)ワニ」・・・・実在する生物でも、出現する場所がイレギュラーだと立派なUMA(未確認生物)になる、という事を教えてくれそうです。
「猟人、名も知れぬものをとる事」より
紀州(現在の和歌山県と三重県の南部)日高郡の猟師が、一人で山に入り鹿を獲ろうと鹿笛を吹いていると、目の前の薄がガサガサと鳴り、草むらを押し分けて何かが歩いてくる気配を感じる。
さては鹿か・・・と猟師が続けて鹿笛を吹くと、その気配は鹿笛につられるように近づいてくる。
猟師が鉄砲を構えて待っていると、その距離七、八間(12メートル~14メートル)先から現れたのは、三尺(90センチ)ほどもある大きな顔だった。
その得体の知れないものが口を開くとその長さも三尺ばかりで、真っ赤な長い舌が見え隠れする。
背は僅か一尺四五寸(35センチ程度)に過ぎない。
猟師は大蛇が真正面から向かってきたのだと思い、ぐずぐすしていると大蛇に飲まれてしまう・・・と鉄砲を向けてためらわずに撃った。
弾は命中したようで、得体の知れない物は谷へと転がり落ちていった。
猟師はその長さが大蛇よりは短いのに気付いて、その得体の知れない怪物が落ちていった先を見に行こうかと思ったが、恐ろしくなってやめた。
さて、翌日改めて見に行くと、果たして谷底で怪物は死んでいた。
それは見たことのない生き物だった。
大きなヒキガエルのようで、全身に鱗があり二尺四、五寸(73センチ程度)の尻尾があった。
腹部は段を切っていて蛇のようだった・・・。
これがなんという生き物であるか分かるものはいなかった。
昔から言う「蟇」というものだろうか、しかし「蟇」は蟹に似て小さいものだというので、「蟇」ではないようだ。
怪物は身も皮も役に立つものはなく、その大きな鱗だけが保存されているのを見たという人が語った話である。
・・・・これはなんとなくわかります、「ワニ」ですね。
何で和歌山県の山の中にワニがいるのか!という気もしますが、そこは「いいんだよ、細けぇことは・・・・」の精神でお願いします。
実際、この描写からしてワニ以外考えられないですし、東南アジアから和歌山の海岸線に流れ着いた可能性も充分考えられます。
古代日本では「因幡の白兎」の話のように神話にも「ワニ」は登場します。
そのワニは現在で言う「サメ」だったという説がどちらかというと一般的ですが、いやそうではなくてちゃんと「ワニ」だったという説もあるようです。
なお、この話が紹介されている「宿直草」、江戸時代前期に、俳人・荻田安静が色々な説話を集めて編纂した怪談集で、この話も江戸時代の話というよりは、それ以前から伝わっていた話なのかもしれません。
「宿直草」には、他にも妖怪や幽霊、怪現象などのいかにも「怪談」らしい話が多くて大変面白いです。
いずれにしても、この「一日後に死んだ(のを確認された)ワニ」・・・・実在する生物でも、出現する場所がイレギュラーだと立派なUMA(未確認生物)になる、という事を教えてくれそうです。
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ワニ~!
存在を知らない人が初めて見たらビックリしますよね。
面白いお話でした! ワニさんは可哀そうですけど……。
ご感想ありがとうございます!
いきなり日本の山中でワニに出会ったら・・・・ゼったいチビります!(笑)
それにしても、本当にワニだったんですかねぇ・・・。
江戸時代、南蛮船で象やラクダが日本に連れてこられて、江戸では「象ブーム」「ラクダブーム」が起きたそうですが、やはり見たこともない生き物っていうのは、いつの時代でも驚異だと思います!
平戸藩のお殿様、松浦静山も「甲子夜話」の中で、ウッキウキでラクダについて書いてます(笑)