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第七話 「通い小町」
しおりを挟む「話稿 鹿の子餅」 木室卯雲著:明和九(1772)年刊
「通小町」より
あるお公家のお姫様に、恋文を送ったら、
「今宵より百日通って、毎晩来た証に、牛車の榻(踏み台)に傷をつけてください、百日通って下さったら必ずお会いします」
男は嬉しくなって、雨の日も風が吹く日も、毎晩通い続けてとうとう九十九日目となった。
牛車の榻に通った証拠の傷をつけて帰ろとうしたときに、お姫様の召使が出てきて言う、
「お姫様のおっしゃることには、通いなされて九十九日、一日ばかりはオマケしてあげますから、どうぞ寝室においでください・・・とのことです」
それを聞いた男、いやはや・・・と尻込みしている。
「・・・・どうして遠慮なさいます?お姫様がお待ちかねですよ」
召使が聞くとその男、
「・・・い、いえ私は日雇(アルバイト)でござります」
・・・・・・有名な小野小町と深草少将の「百夜通い伝説」のパロディで、実は真面目に百日通うのがメンドウになった男がアルバイトを雇って代わりに行かせていた・・・というしょ~もないもの(笑)
伝説では、深草少将は九十九日通ったところで非業の死を遂げてしまいます。
それにしても、昔の男女交際は奥ゆかしいと言うか忍耐力があるというか・・・・・。
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