ワンダリング・ワンダラーズ!!

ツキセ

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一章

はじめての探索(2)

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カノンの拠点から北西に一時間ほど歩いたところにいるお隣さんプレイヤー・マキノさん。
彼の拠点への挨拶を終えた俺たちは、予定通り東回りで拠点に帰ることにした。
こちらの道程も、マップによれば行きと変わらず、カノンの拠点周囲に広がるまばらな樹林帯の中を歩くことになる。
周囲の散策がてら、ちょっとお隣さんに挨拶へ、という軽い気持ちで出発したのだが――

「やっぱり、広い、ね?」
「なんてったって、開拓スケールが惑星だもんなぁ」

拠点を出発してからここまでに、既に1時間以上が経過している。
これでもセドナのマップの横幅、1/10ほども移動していないというのに。

(……やっぱり、広いなぁ)

俺たちはこのセドナと仮称された地形座標を選んで、この世界に降り立った。
そしてこの、地形がある程度判明しているセドナすらも、ひと通り歩き回るのに一週間では足りなさそうだ。

この世界は、広い。
それもゲーム的ななしに広い。
とても一人ですべてを回り切ることなどできはしない。
だからこそ、他のプレイヤーと協力するのが望ましいのだ。
地形情報を交換し合ったり、互いに採取した資源を融通し合ったり。
コミュニティを形成して、集落のようなものを作ってもいい。
そうしてより豊かな暮らしを求めて、開拓を進めて行く。
数万というプレイヤーたちが、いまは小さな灯を持って、
それぞれが降り立った小さな世界を照らし広げていく。

無論、それで終わりではない。
いまはそれぞれの着陸地点でまばらに散るばかりの俺たちも、やがてポータルという技術が登場すれば、この惑星上に無数に散りばめられた小さな世界を飛び回ることもできるようになる。
場合によっては、一か所の未開地の開拓のために、数千人のプレイヤーが集うこともあるかもしれない。
そうしてこの星は、ある場所はゆっくりと、ある場所は急速に、開き拓かれていくだろう。
かつてそうして地球が拓かれてきたように。

俺たちは本当に、この星の開拓という、これから長きにわたるであろう戦いの、はじまりのはじまりに立っている。
その開拓の道のりは長く、想像もつかないけれど。
その道のりは、俺たちがいま目の前で見ている、この穏やかな樹林の散策と、きっと地続きなのだ。
その果てに、いつかあの、俺を殺した森に辿り着くこともあるかもしれない。

「んぅ? 急に、立ちどまって、どうした、の?」
「いや、先は長いなと思って」
「うん、また1時間くらい、掛かっちゃうかも、ね」
「……そうだな。今回もそんくらいかかるかな」

『犬』は4年でサービスを終えた。
いまでも俺はそのことを惜しんでいる。
もっと長く続いたはずだ、と。
俺たちは星の開拓という長い坂を、まだ登り始めたばかりだったのに、と。

俺はテレポバグばっかりやってたから言う権利ないかもしれないけれど。
でも、イベントや未開地探索は、顔なじみ同士でわいわいやる程度には参加していたんだ。
俺は『犬』が好きだ。
たとえ、今作にテレポバグがなくても。
俺なりの新たな楽しみ方を見つけて、末永く楽しんでいきたいと思う。
そのためにも、今作はどんくらい続いてくれるかなぁ……。
いやマジで前作が突然死すぎて今作も不安なんだよなぁ……。
いったいなにがあったし。

『犬』への尽きない追惜と、『犬2』の末永い弥栄いやさかを思いながら、のどかな帰路を進んでいく。


*────


「……ぅん?」

マキノさんの拠点から十数分ほど歩いただろうか。
カノン曰くトウヒのような樹木ばかりが生える樹林を、引き続き歩いていると、とつぜんカノンが立ち止まる。

「ん?急に立ち止まってどうしたんだ、カノン?」

図らずも、先ほど足を止めた俺に対してカノンが言ったような言葉を返す。
カノンはなにかを気にするように、周囲に顔を向け変えながら、すんすんと、鼻を動かしている。
なにか匂いがする、か?
俺も合わせて周囲を見回しながら鼻を動かしてみる。
しかし、なにも特別な匂いのようなものはしない。
この樹林に満ちている、樹々のさわやかな香り。フィトンチッドだっけ。
踏みしめる朽ち乾いた枝葉から舞い上がる、少し土っぽい香り。
地面に鼻を近づければ、なにかしらの菌類が活動しているのか、茸っぽい発酵臭。
というかこの世界、微生物とかもシミュレートしてんのかな。
ミクロすぎて怖いわ。深く考えると頭バグっちゃいそう。

「えと、フーガくん、あっちの方?
 なんか、いいかおり、する、かも」

声を掛けられ正気を取り戻した俺は、カノンが進行方向から左手の方を指しているのを見る。
見たところ、特に変わり映えはしないが――

「近寄ればわかるかも?行こうか」
「気のせいだったら、ごめんね?」
「もーまんたい」

フルダイブとなったこの世界で、嗅覚という感覚情報の重要性は高い。
感覚情報に関しては、気のせいだとか、考えすぎだとか思わない方がいいだろう。
俺は「なにか妙なものが見えた気がしたが……気のせいか」と言ってすぐにそれを意識の端に追いやれる漫画やアニメのキャラクターの気持ちがよくわからない。
いや、わかるよ。それが創作演出の一部だってことは。
でも、せめて一度は確かめる努力をしてから言ってくれ、もやもやする!

カノンが指示した方に、警戒しつつ歩み寄ってみるが、やはりまばらな樹林は先の方まで続いており、特異な地形が現れるでもなし。
周囲のトウヒモドキが花を咲かせているということもない。

「どう、カノン。匂いはつよく――」

いや待て、ようやく俺にも分かった。
なんか甘い匂いがする。なんだこれ。

「えと、このあたりから……?」

カノンは近くに生える、一本の老樹に近づいていく。
確かにそっちの辺から、甘い匂いが。
なんだこれ、花の蜜?
なんかそっち系の香りがする。

「あっ、これ、かも?」
「どれ?」
「これ、この平たいの」

老いたトウヒモドキの根元にうずくまったカノンの目の先にあったのは、地面の腐葉土に埋もれるようにして顔を覗かせる、平たい形状の茸。
シイタケやエノキのような、いわゆる傘型ではなく、サルノコシカケ型。
近い形で言えば蓮の葉のような、サトイモの葉のような、とにかく平たい形状のものだ。
トウヒモドキの樹皮からではなく、地面の腐葉土から生えているように見えるその茸は、まるでニスが掛けられているかのような艶のある光沢を持っている。
中央部がメイプルシロップのような美しい飴色をしており、そこからグラデーションのように周縁部に向けて放射状に色が変わり、周縁部になると高級絹のように真っ白な色合いになる。
大きさは、俺の指の付け根までの手のひらと同じくらいだろうか。
手を翳してみれば、ちょうど隠れてしまうくらいの大きさ。
10cmあるかないかくらいか。
生えているのはこの一本だけだ。かなり香りが強い。

「きれ、い」
「なにこれ高級感ある」
「これ、いい匂いの、元かも」
「色合いはめっちゃ甘そう。……だけど、だけどさ、カノン」
「うん、……毒、かも?」

カノンもどうやら俺と同じことを考えていたらしい。
カノンが気づいて、俺は気づかなかった五感情報。
それすなわち、カノンの【危機感知】にひっかかった可能性がある。

そっと周囲を確認するが、その茸の周囲に蟲が湧いているとか、その茸がなにか他の生物を誘引しているというようなことはない――ように見える。
この茸が【危機】に相当するとしても、そういう類の危機を呼ぶものではないらしい。

「……。」

その茸を見ながら急に黙り込んでしまったカノンを、俺は無言で待つ。

なんだ、食べたいのか?

とは、言わない。

なにを悩んでいるんだ?

とも、言わない。

俺は、それを言わない。
カノンがなにを考えているか、たぶんわかるから。

――毒。

「……、持って帰ってみても、いい?」
「……自然の恵みに感謝して、な。
 このあたりでもう少し探してみる?」
「ん、いい。
 ……香りが気になっただけ、だから。
 だから、いい。たくさんは……いい」
「そっか」

カノンがそう言うなら、いいだろう。
カノンがそれを望むなら、その茸は今後大量に必要になる。
逆に言えば、大量に必要ないということは、カノンがそれを望んでいないということだ。

まあ、まだ分析装置にかけてもいないしな。
結論を出すには性急すぎというものだろう。

カノンはその茸を革の採取袋――脱出ポッドの初期備蓄の中にあったもの――にしまうと、すっくと立ちあがる。

「いこ? フーガくん」
「おう、行こうか」

俺たちは甘い香りのする茸を採取し、拠点に帰るルートへと戻る。
そうしてまた一つ、慎重に、かつてと今のカノンの差を測りながら。


*────


「おおーこれはまた、派手に行ったな」
「なんだろ、風で倒れちゃった?」
「この樹を掘り返した奴がいる、ってのは考えたくねぇなぁ」

寄り道をしつつ、マキノの拠点から歩き続けること1時間弱。
俺たちは再び、カノンの拠点の近くまで戻ってきていた。
今いるのは、拠点から北に五分ほど歩けばつくほどの場所。
そんな場所で、この周囲に大量の生えているトウヒモドキの一本が、根っこから掘り返され横倒しになっているのを発見する。
掘り返されたのはそれほど前の事ではないようで、倒れた幹の大部分は未だ朽ちてはおらず、生木として利用できそうな気配がある。

「なんで倒れてるのかはわからないが……これは天の恵みてんめぐだな。
 そのあたりの木の枝を自然破壊気味に頂くことになるかと思ってたけど、
 こういうのならありがたく頂いてもいいよな? たぶん」

生きてる木の枝を無理やり折ることにはなんか抵抗があるんだよな。
なんだろう、のこぎりで枝を切り落としたり、斧でまるごと頂くのよりも抵抗がある。
子どもの頃、山登りの最中にそういういたずらを窘められたからかな。

「うん。ちょっとだけ、もらおっか」
「うむ、では俺たちも生命の循環に組み入れてもらおう」

おまえの屍を利用させてもらうぞ。
俺たちが死んだら俺たちを養分にしてくれ。

というわけで、倒れたトウヒモドキの先端部分を少しだけ頂戴することにする。
しかし――

「ちっ、千切れねぇ――っ!
 なにこれ、おまえもうほとんど折れてるだろっ」
「あっ、フーガくん、足かけてるその枝、折れそ――」
「えっ? (バキッ)――おぶッ!?」
「ぁ、いたそう」

先端部分の折れかけている枝をちょっと手折ろうとしただけなのに、やたらしぶとい。
なんだこれ、繊維か? なんか樹の中の筋がぜんぜん千切れない。
足を掛けて力任せに千切ってやろうとしたら、足を掛けていた枝が折れて前につんのめってしまった。
おのれ。

結局、そのあたりに落ちていた小石でのこぎるようにして繊維を断ち切り、ようやく数本のトウヒモドキの枝を確保する。
指で太さを測れば、どれも概ね直径4cmほどのそこそこの太さの枝だ。
枝葉の先にはもう葉はついていない。

「これ、本格的にこの樹から資源を採取するのは道具作ってからだな。
 とてもじゃないが、いまはきっつい」
「刃物、とか?」
「のこぎり、斧、この倒木からならナイフでもまぁ行けんことはないか。
 素材としては石でいいかな。金属はまだアテがないし」
「じゃあ、次は川の方に、行ってみる?」
「そうだな。次の目標にしよう。今回はこの樹の枝と葉と、さっきの茸と……
 あとはその辺に生えている雑草を適当に掘り返して突っ込むくらいでいいだろ」

そうして数本の枝を抱え、ついでに周囲のトウヒモドキから葉っぱを貰い、周囲に生えている数種類の雑草――名前が分からないのでそうとしか呼びようがない――を掘り返しながら、拠点へと続く道をゆく。

俺たちの拠点は、もうすぐそこだ。


*─────


程なくして、俺たちはカノンの拠点に辿り着いた。
現実の時刻は丁度日が変わるくらい。うん、概ね予想通りだな。

今回はひとまずこの拠点から北西方向に広がる樹林帯を見て回ることができた。
おもった以上に環境の変化が小さかったかな?
なだらかな起伏こそあったが、段差や地面に空いた亀裂といった危険地形もなかった。
危険な生物や蟲ともひとまず出会わなかったしな。
たまたま出くわさなかっただけである可能性もあるけれど。
ある程度、この周囲における警戒レベルを下げてもいいだろう。

あとやっぱり食材らしきものはそうそう見つからんな。
というより、植物が思った以上に種類が少なかった。
このトウヒモドキの樹林帯は、なかなか土壌の癖が強いのかもしれない。
こいつが生える環境に共存できる植物が少ない、というか。
この周囲はどこか里山っぽい雰囲気もあるし、山菜的な植物がそこら中に生えてるんじゃないかという期待もあったんだが、その期待も外れだ。
なにか地形的な要因があるのかもしれない。

拠点の前で、拾ってきた枝や草の入った革袋を置き、深呼吸を一つ。
すぅっ、と、熱を持った気道に湿った森の空気が滑り込んでくる。
うん、森の空気が美味しい。

「はーっ、ただいま、ただいま。無事に帰って来れました」
「んっ、おかえり? あんまり、役立ちそうなもの、見つけられなかった?」
「いやーあの茸とかなかなか魅惑のスメルじゃん。
 ああいう細かいものと出逢うのも楽しいとおもうの、俺」
「フーガくんは、なんでも、楽しめる、の、すごい、とおもう」
「なんでもではないかなぁ。
 ほら、こういうのって、現実ではなかなかやらないだろ?
 ハイキングとか行けばいいんだけどさ、一人で行ってもちょっと寂しいし」

この手の無作為な行脚あんぎゃが、単に俺の嗜好に合っているというだけだ。
わたくし、生粋のふらふら歩く人ワンダラーですわよ。

「カノンこそ、こういうの、退屈じゃないか?
 正直ゲームの中でやるにしては、今んとこ地味な作業ばっかりだが」

今のところ、この世界で散歩してるだけだしな。
それが詰まらないというのなら、それに適したプレイスタイルを取るべきだ。
刺激を求めるのならば、ちょっと無茶な冒険に繰り出してみるのも悪くない。

「――わっ、わたしも。
 フーガくんと、いろいろできて、楽しかった、よ?
 その……普段は、こんなこと、しない、から」
「……おう。俺も、楽しかった。
 ま、しばらくはこんな感じになるだろうから、
 ぼちぼちやってこうか」

頬を掻きながら、そう応じる。
カノンがいまを楽しそうにしているならば、それに勝るものもない。

「さてさて、無事に拠点に帰ってきたわけだが。
 もう遅いし、分析や製造は明日に回して、今日はこの辺にしと――」
「あ、あの、フーガくん。
 フーガくんが立ててた、日時計、……忘れてる、かも?」


そうでした。
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