鳴かぬなら

しき

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歓迎祭当日。

教室内に2、3年生の先輩方がなだれ込んできた。それぞれがペアの新入生の前に立つ。俺のペアは最後に入ってきた異色のオーラを放つ現実離れしたイケメンだ。
目元や眉がキリッとしていて、武術を嗜んでおる!って感じの、和風イケメン...。
「おはよう諸君。俺は今期生徒会長になった3年の天田信之てんだのぶゆきだ。今日は待ちに待った歓迎祭だ。存分に楽しんでくれ!」
目の前の天田と名乗った先輩がみんなに向けてそう挨拶した後、他の先輩方が自分のペアに話しかけ始めた。

「やぁ、君と僕は今日から一心同体だ...♡」
「っ!は、はい...♡」

「.........俺と来い。」
「よろしくお願いしますぅ///」

いやいや、まって会話おかしくないか?
そんなプロポみたいな感じなの?え、てか一心同体ってなんだよセクハラ?
俺は唖然としながら周りの会話を聞いていた。目の前に人がいることを忘れて

「おい」
ひぇぇ、この学園大丈夫か?え、俺間違えてBL学園に入学した?
「おい、」
いやぁ~、姉ちゃんが見てた漫画でこんな展開あったけどまさか自分g
「宮村祐希!」
「ひゃいいいいい!ナンデショウカ!!!」
「先程から呼び掛けている。無視をするな。」
「あっ、すみませ...ってちっか、近いっすよ!?」
ボーッとしてたらいきなり大声で話しかけられびっくりして前を向くと見蕩れるくらい整った顔が目の前にあったんだ、そりゃびっくりする。

「君が今年のホトトギスだろう?やるじゃないか、新入生でホトトギスになるのは8年ぶりだぞ。」
「え、あ、はぁ、どうも?」

いきなりなんなんだこいつ、偉そうやな。

「歓迎祭に新入生のホトトギスがいる場合、ペアは生徒会長と決まっている。幸運だな。たっぷり可愛がってやるからな。」
会長はそう言うと整った顔からは想像も出来ないくらい怖い顔で笑った。
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