鳴かぬなら

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最初はあんなに嫌だったホトトギスも、条件を聞けばいい事づくめ。金持ちではない俺にとっては計算してんのかって疑いたくなるくらいお財布に優しくて有り難い。
母親に至っては「ほんと綺麗な顔に産んで良かったわぁ～感謝なさいな。」と仰け反っておほほほと笑ってた。
だが、いい面ばかりに気を取られて、康太が言わなかった悪い面の事を忘れてた。後から考えたら敢えて言わなかったんだろうけど。
わざわざ自分で調べるという脳が無かった俺も俺だ。ちゃんと制度を知らなかった事をあんなに悔やんだことは後にも先にも無い。

学園に入学して3日でホトトギスになり、怒涛の日々が続いていた。
廊下を歩けば「姫！｣「姫！」と叫ばれ心労が溜まってく一方...
うぅ、男の俺がまさか姫と呼ばれる日が来るとは...しんどいぜ。

この学園では4月の前半は入学式や新しいホトトギスの任命などもありお祭り騒ぎになる。特に目玉なのが歓迎祭だ。え？歓迎会じゃないのかって？それは俺も知りたい。なんでも２、3年生が新入生をもてなすのだが、それがもうこの学園ならではというか、全員顔がいいからしょうがないんだけど祭りの間は先輩方と擬似カップルになりもてなされる...らしい。

俺もあまり知らない。