地球の天使、ルミエールと行く、三百年後の未来

Taka123M

文字の大きさ
11 / 13

第11章: 敵の海底アジトへ

しおりを挟む
「タクミ!今の時代の海、なかなかきれいでしょう?」

「うん。ルミエール、僕たち、本当にイルカになった気がするね」

二人の周囲には、クリアな水が広がり、信じられないほど美しい海中世界が広がっていた。色とりどりの魚たちが群れをなして泳ぎ、まるで空中を舞う蝶のように優雅に動いている。青や黄色、赤、紫など、さまざまな色彩が織り成すその光景は、まるで水中の楽園だった。

二人は、最新型の水中バイクに乗り込み、東都湾の海底にある敵のアジトに向かって進んでいた。

「一応、彼の言う通り、光学迷彩で、イルカに擬態しているけど…あまり信用しないほうがいいわ。それだけでTOTOの海底アジトの防衛システムを突破できるなんて、バカみたいな話だし。」ルミエールが首を傾げる。「だいたい、あんなにペラペラ喋る凄腕のエージェント、見たことないわ」

タクミがくすくす笑う…あの時のルミエールに逆らえる人間なんているわけないのに!
「…この超音波駆動システムはほんとにすごい。ほとんど無音で動作するんだね。まるで魚のように水中を泳いでいるみたいだ。」と、水中バイクのテクノロジーに感心しながら言った。

「ええ、最新の技術を使っているから、環境にも優しいし、操作も簡単なの。」ルミエールが微笑んで答えた。

彼らが進む道の両側には、鮮やかな珊瑚礁が広がっていた。珊瑚は様々な形や色を持ち、幾何学的な模様を描いている。ミドリイシやウスコモンサンゴ、ハナガタサンゴなど、多種多様な珊瑚が一つの巨大なリーフを形成していた。小さなクマノミやスズメダイが珊瑚の間をくぐり抜け、遊び回っていた。

「見て、あそこにハナミノカサゴがいるわ。」ルミエールが指さした先には、美しいヒレを広げたハナミノカサゴが優雅に泳いでいた。

「本当に素晴らしい景色だね。自然とテクノロジーが共存する未来の海って感じがするよ。」タクミは感嘆の声を上げた。

その時、二人の周囲にイルカの群れが現れた。きっと仲間だと思ったのだろう。イルカたちは好奇心旺盛に水中バイクの周りを回りながら、楽しげにジャンプしていた。

「最高だね。ホント、気分がいいよ」タクミはイルカを見ながら、笑顔で言った。

「けど、そろそろ深海に潜らないといけない。イルカたちにはここでさよならしないとね」ルミエールは微笑みながら、外のイルカたちに手を振った。ルミエールが、水中バイクを急降下させる。

バイオルミネセンス技術によって、海底には幻想的な光が揺らめいていた。夜になると、この光は一層際立ち、海中はまるで星空のように輝く。発光するプランクトンやクラゲが淡い光を放ち、その光が水面に反射して、美しい光のカーテンを作り出していた。

彼らの前方に、東都湾の海底に広がる敵のアジトが見えてきた。アジトは巨大なドームで覆われ、その内部には高度なテクノロジーが駆使された施設が広がっていた。ドームの外壁には、酸素生成装置が設置されており、海水から直接酸素を抽出して内部に供給していた。

「この施設の周りだけ、まるで異次元空間に見える。」タクミは驚きの声を上げた。

「ええ、敵も最新の技術を使っているから、私たちも油断できないわ。ここからが本番ね。」ルミエールは緊張感を持ちながらも、決意を固めていた。

タクミとルミエールは、水中バイクを隠し、敵のアジトに接近した。二人は隠密行動を取りながら、巨大なドームの側面にあるメンテナンス用のハッチを見つけた。ルミエールがイヤリングに、「ミカミさん、ハッチをあけられる?」とつぶやくと、「そのくらいは大丈夫。任せときな」とミカミから返事が来る。すぐに、セキュリティシステムがハッキングされ、ハッチが開いた。

「入るわよ。気をつけて。」ルミエールがタクミに合図を送った。

二人はハッチから内部に侵入し、静かに進んでいく。通路の両側には高精度の監視カメラが設置されているが、ミカミのハッキングで一時的に無効化されている。彼らは警戒を怠らず、施設の奥へと進んだ。

「こっちに中枢コンピュータがあるはずだ。」タクミが手元のホログラム地図を確認しながら言った。レイヴンから手に入れたものである。

彼らが中枢コンピュータの部屋に近づくと、警備ドローンが現れた。ルミエールは素早くエネルギーシールドを展開し、ドローンの攻撃を防ぐ。

「タクミ、早く!」ルミエールが叫ぶ。

タクミはドローンに向けて小型EMP(電磁パルス)デバイスを投げつけ、ドローンを一時的に無力化した。「よし、今だ!」

二人は中枢コンピュータの部屋に突入し、タクミがコンピュータにアクセスした。彼はキーボードを素早く操作し、セキュリティプロトコルを突破していく。

「見て、これが中枢コンピュータのデータベースだ。」タクミがスクリーンに映し出される膨大なデータに目を見張った。

「ここに必ず、僕が仕込んだ自爆装置があるはずだ。」タクミがその位置を検索しようとしたそのとき、「動くな!手を挙げろ!」という声が二人の耳に届いた。

振り返ると、人の形をしたクローンロボットがレイガンを二人に突きつけていた。

「お前たち、どうやってここに入った?」タクミは、その細い目と、キーンと響く甲高い声に、覚えがあった。

「まさか…キクチ先生?」タクミが驚いてたずねる。

「キクチ先生?ホーホホ!私をそう呼ぶ相手と会うのは、二百年ぶり、いやそれ以上ぶりですね!」タクミこそ、キクチの「ホーホホ」を聞くのは久しぶりだった…相変わらずの、嫌な笑い方だ。

「で、あなたは誰なんです?」キクチは鋭い目でタクミをにらむ。

「タクミです…お久しぶりです、先生」タクミは反射的に頭を下げる。

「タクミ君?…そんなバカな!冗談は、その顔だけにしてください…きっと彼の顔を真似て、整形手術でもしたんでしょうけど。彼はとっくに死んでいますよ、ホーホホ!」

「…ギミックなのに、ここまで似てるとは」タクミは吐き気がしそうだった。生前の彼のストレスは、すべてこの男にあったと言っても過言じゃない。

「ギミック…ずいぶん失礼なものいいですね!」キクチが怒りをあらわにする。

「あ、いや。すいません、先生!」タクミがペコリと頭を下げる。

「タクミ、どうしたの、急に…こいつ、私達の敵なんだよ!」ルミエールは、タクミの反応にびっくりする。

「…わかってる。でも、僕の意識が言うことを聞かない。先生には逆らえないんだよ」タクミはかたまったまま、ずっと頭を下げている。

「ええ!なに、そのトラウマ…聞いてないよ!」ルミエールの顔がムンクの叫びになる。

「ホーホホ!なんだかよくわからないけど、タクミ君?は私の言うことを聞いてくれるようね。じゃ、これを、その女の手首と足首にかけなさい」

キクチがタクミに放り投げたのは、この時代のナノテクノロジーを駆使した拘束具だ。装着者の動きを完全に封じることができる。

「これを?待ってください!彼女は何も悪いことしてない、そんなことできません!」

「ホーホホ!私に逆らうと言うの、タクミ君。それじゃ、いつまで経っても博士号がとれないわよ…君はずっとマスターのままでいたいのかしら?」

「いえ…それは」タクミの中に葛藤がうずまき、その場にへたりこむ。

「私は別に、君がそのままでもかまわないんだけどね!ホーホホ!」キクチは、タクミの過去のデータをすでに呼び出していた。本物のタクミだとは思ってないが、それを演じているのは確かだ…なら、タクミの弱点をつく作戦を取ればいい。キクチはそうやって、ずっとタクミをコントロールしてきたのだ。

「そんな!故郷の家族は、それだけが楽しみで、僕を…」タクミが頭を抱えてうずくまる。

「ホーホホ!なら、その女を拘束しなさい!ここは私の研究室!あなたがここの研究員なら、今この場でその女を取り押さえるのが義務!侵入者を早く拘束しなさい!」

「あ、はい!すぐに…」と言って、タクミはその拘束具を手に取り、ルミエールを見る。ルミエールは驚愕の表情でタクミを見つめていた。

「タクミ!やめて!正気を取り戻して!」ルミエールの目に涙を浮かんでいる。彼女がその気になれば、キクチを瞬殺できる…天使の任務を優先すれば、そうすべきだってこともわかってる。でも、それじゃタクミが救われない…タクミを助けたい!だって、私はタクミを…

ルミエールの声を聞いて、タクミははっと我に返る。「今、ボクは何をしようとしたんだ…」タクミが、キクチをきっとにらむ。

「ホーホホ!それで、その女を早くしばりなさい!そうしたら、あなたを博士にしてあげるわ!」

「ホントですか!」タクミが再び、拘束具を手に取り、ルミエールを見る。

「お願い、タクミ!やめて!」ルミエールが渾身の力を込めて叫ぶ。

「もう終わりだ…この世界の『非法』の輩を、僕が逮捕する!」タクミがルミエールに近づく。

「…え?『非法』の輩?」ルミエールがキョトンとしてタクミを見る。タクミはキクチに見えないようにウィンクして、ルミエールに迫る。

「ホーホホ!タクミ君!それこそ、うちの研究員にふさわしい姿ね!あなたが最初からそうしていれば、すぐにあなたの理論、認めてあげたのに…実際、素晴らしい理論だし。ドクターどころか、うちの教授にだって推薦していいくらいよ!」

「本当ですか!ありがとうございます!」タクミはキクチに深々とお辞儀をする。

「ホーホホ!じゃ、その女を早くしばってしまいなさい!ホーホホ!」キクチが高笑いを上げる。で、ついに、手を広げ、天を見上げた。やつのお決まりの勝利のポーズだ。このすきをタクミは見逃さなかった。

「はい!」といってルミエールに向かう…と見せかけて、キクチの足元にかけより、その両足首に拘束具をしっかりはめる。驚いたキクチが、バランスを崩して倒れる。タクミはすぐに、その両手首にも拘束具をはめる。

「え?なになになに?なにコレー!」と言って、キクチはバタバタもがきはじめる。

「…ルミエール、大丈夫?」タクミがルミエールに微笑む。

「大丈夫だけど、あなた…」とルミエールが言いかけるのをタクミが制止する。「まだ、終わってない」と言って、タクミは再び、キクチに近づく。そして、彼の胸のパネルをあけて、ホログラムを呼び出す。「な?なに?タクミ君、あなた、私になにする気?」キクチが暴れる。タクミはそれにかまわず、キーを打ち込んでいく。研究室でパソコンを開くときに使っていたIDを打ち込むと、「最終日」のフォルダーが現れる。タクミはそこを開き、「END.exe」をクリックする。すると、パスワードの入力画面が出る…タクミは、大きく深呼吸して、「これで終わりだ!」と力強く叫び、そこに「キツネ目くそメガネ!」と入力する。するとキクチが「ギエー!!」という絶叫とともに、その動きをパタリと止める。すべての機能が停止したキクチは、歪んだ顔をむき出しにしたまま、虚ろな目で天を仰いでいた。醜い彫刻のようなその姿を、タクミは哀れに思った。

キクチを倒したタクミは、すぐさま、ルミエールに駆け寄る。顔の近くまで来るタクミに、ルミエールはどきりとした。

「ルミエール!何してんの?早く!ミカミくんに権限を握らせないと・・この世界がパニックになるよ!」

「そうだった」と、ルミエールが気を取り戻す。しかし、イヤリングをひねる前に、ミカミの声がした。「心配しなくていい。ハッチを開けてからの間、ずっと、見てたよ…もう、すべての権限はオレの手にある。」

「ホント!じゃ、任務完了だね!」二人が手を取り合って喜ぶ。

「タクミ、オレは嬉しい…お前の弱点、前から知ってたからな。キクチは、お前の足元にも及ばないクズだ。なのに、お前はあいつに、いつもヘコヘコしてた」

「情けなかったよ…今思うと。けど、君だけはずっとボクの友達でいてくれた」

「当たり前だ!そんなことでお前の株は下がらない。お前はホントに、オレの…」その瞬間、ミカミが異変を察知した。「早くそこから出たほうがいいぞ!キクチのやつ、自分が機能停止したら、全員巻き込むつもりだったらしい…ちょっと気づくのが遅かった」

「え?」といった瞬間に、大きな爆発音が鳴り、二人が床に倒れ込む。
施設内に、緊急アラートが鳴り響く。「総員に告ぐ。自爆装置が作動した。施設内にいる者は、五分以内に半径1キロメートル圏外に避難せよ。」と警告が出される。

「五分以内!」二人は大慌てで、もと来た道を引き返す。

「・・こっちの自爆装置は計算外だった」タクミが走りながらつぶやく。

「急いで、タクミ!」ルミエールが叫びながら、水中バイクのある場所へ向かって走る。

「ここから出ないと!」タクミも必死にルミエールに続く。

二人は障害物を飛び越えながら、激しく揺れる施設の中を駆け抜けた。水中バイクのあるハッチにたどり着き、急いでバイクに乗り込む。

「準備完了。行くわよ!」ルミエールがエンジンを起動し、バイクを全速力で発進させた。

水中バイクは高速で進み、周囲の海洋生物や景色が一瞬で流れ去る。彼らは必死に時間と戦いながら、施設から離れていく。

「あと少しだ!」タクミがホログラムマップを確認しながら叫んだ。

二人が爆発半径外に出た瞬間、後方で巨大な爆発が起こり、衝撃波が彼らを襲った。水中バイクの中で、タクミの体が跳ね上がり、天井に頭を強く打ちつける。「イタッ!」と言って倒れ込むタクミをルミエールが抱きかかえる。「私にしっかり捕まってるのよ!」ルミエールが叫び、バイクのコントロールを必死に維持する。水上に勢いよく浮上した水中バイクの後に、破壊された施設のがれきが宙に漂う。水中バイクが水面に勢いよく叩きつけられる。今度はその衝撃で、バイクが大きく揺れ、二人の体が宙に投げ出された。

タクミとルミエールは、水面に叩きつけられる。が、何とか息を整え、水に浮かんだまま周囲を見渡した。破壊された施設のがれきが浮遊している。二人は漂流するがれきの一つに二人でしがみつく。海面には青い空が広がり、静けさが戻ってきた。

「タクミ、大丈夫?」ルミエールはタクミの顔を心配そうに見つめた。

「なんとか…」タクミは息を切らしながら笑顔で答えた。

二人のずぶぬれになった顔が、すぐ近くにあった。「タクミ…あなた、いつ、トラウマを克服したの?」タクミに、ルミエールがたずねる。「ついさっき。ルミエールが、正気を取り戻して!と本気で叫んでくれたから。それが僕の心に響いた…で、キクチ先生とか、博士号とか、どうでもよくなった」タクミがにたりと笑う。「良かった!私、タクミがホントに寝返ったかと…」ルミエールの目に大粒の涙が浮かんだ。

「心配かけてゴメン、ルミエール。…ありがとう」と言って、タクミがルミエールの頬にキスをする。ルミエールの顔面が真っ赤に燃え上がる。それは水辺線の彼方に沈む夕日と同じくらい真っ赤だった。

その様子をじっと観察していたミカミは、「なんで、リンクを切らないんだ…他人のロマンスをピーピングする趣味はオレにはないんだけど…ま、いいか。罰として、救助艇が着く時間を、五分、遅らせてやる…それで許してやろう」と言いながら、二人の様子を笑顔で見守っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

処理中です...