能力者主義の世界で俺は無能なチート能力者

高桐AyuMe

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本編

Bクラス

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 BクラスがAクラスに宣戦布告した翌日。俺は昼休みになると、学校中を歩き回っていた。目的は情報収集。Bクラス側がどんな策を講じてくるのかをつかみに行ったのだが、
「おい、これ以上は立ち入り禁止だ」
Bクラスがある廊下に差し掛かると、屈強な男に道を塞がれ、そう言われた。
「何故だ?他クラスの近くの廊下を歩いてはいけないという校則はないはずだが…?」
「ああ、確かにな。だが、だが、歩いてもいいという校則もない」
「ただの屁理屈だ。言ってて恥ずかしくないのか?」
「なんとでも言うがいいさ。どっちにしても通すつもりはない」
「だったら、力づくで通るまでさ」
そう言って、俺は強引に男の横を通り向ける。
「通さないといっただろう」
そう言いながら、男も負けじと俺の前を再び取ろうとするが、俺はそのまま突っ切り、Bクラスに入る。するとそこには、一人の男が立っていた。
「おや、だれかと思えば、落ちこぼれの無能力者さんじゃないか。なんだ、偵察にでもしに来たのか?」
この余裕っぷり。間違いなくBクラスのリーダーだろう。
「悪いか?」
「ああ、はっきり言って気分が悪い。君のようなゴミがここのような聖域に入ると汚れてしまうからな」
「ゴミ、か」
「癇に障ったかい?」
「いや、実際役に立ってないからな。否定はしない」
「はっ、自己評価低いな」
「俺はそんな無駄話をしに来たわけじゃない。お前らはずいぶん余裕そうだな。そんなにも勝ちを確信しているのか?」
「答えてもいいが、先輩には先輩に対しての接し方があるんじゃないか?」
そう。この学校でも先輩、後輩の関係はあるものの、普通の学校とは違う。この学校には年齢の概念がない。現に、舞原は俺より年下だ。だが、この学校にはクラスランク制度がある。つまり、自分よりも上のクラスに所属している人物が先輩にあたる。そして、俺はFクラス。対してこいつはBクラス。俺が敬語を使わなかったのを気にしているようだ。中には敬語は要らないというやつもいるが、こいつはそういうわけではないようだ。
「知らねえな。それを言うくらいなら、聞かないほうがいい」
「ほう。いいのか。偵察に来たんだろ?」
「別に情報を絶対につかみたいわけじゃない。それに…、」
俺は目の前にいる、リーダーを鋭く睨みつけながら、
「自分より実力が下のやつに下げる頭はねえよ」
瞬間。目の前にいる男は笑い始めた。
「ハハハ、面白いことを言うね。どの口が言っているのかな無能力者さん。わかっているのか?能力者に勝てる者は能力者だけだということを。それに俺が一声かければ、お前なんて直ぐにつぶせるんだぞ」
俺はその言葉を聞きながら、踵を返す。
「時間の無駄だな。あと、」
俺はBクラスを去る直前、奴をあざ笑うかのように、嘲笑するように言ってやった。
「さっきの言葉、凄く小者っぽかったぞ」
「あ?」
そのまま俺は立ち去る。いわゆる宣戦布告をしたのだ。俺たちにとってあいつらは敵だ。俺は最後に狙うべき相手を確認したのだ。
「楽しみにしてる。せいぜい退屈しのぎぐらいにはなってくれよ?」
俺は本当の姿を一瞬見せながらそう言った。
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