アース ダンジョン核を持つ少女

生けもの

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2章 アースの学園生活

033 闘技大会 ノエリア&カーリーの特訓1

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 ~1週間前(代表戦 告知日)~

「メリアースいる?いるわよね!暇でしょ?暇よね!!」
「カーリーさん、そんな決めつけてはメリアースちゃんが困ってしまいますよ」
 いきなりドアを開けて一方的に決めつけるカーリーとその後ろからノエリアが顔を出した。
 部屋ではウルリカがアースの給仕という名の餌付けに一生懸命だ。

「私の部屋でもあるのに…」
 部屋の隅ではラウレッタがしくしくと涙を流していた。

「もふもふ、もふもふもふっふもふもふふ(暇じゃない、ワタシはお菓子を食べるので忙しい)」
「メリアース様はこう言ってます。とっとと失せろ!ウルリカとの語らいの時間を邪魔するな…と」
「食事の時間しかないでしょーが!メリアース、ぬぬぬのお菓子1週間奢るから私達に訓練を付けてちょうだい」
「もふふふもーふ!!(よろこんで!!)」

 メリアースが"ぬぬぬのお菓子1週間"で即了承した。

 遠征ではカーリーもノエリアも紋章を出現させていた。特にカーリーは紋章の出現で大幅パワーアップしたのを見せびらかしたくてうずうずしていた。

「でも、訓練と言ってもどこでやろうかしら?学園の訓練場は他の生徒も自由に出入りできるし、なにより周りには秘密にしておきたいのよね」
「そうですね、なによりメリアースちゃんをみんなの見世物にするなんて私にはできません!そこで私にいい考えがあるんです」
「いい考えですか?ノエリア様」
「ええ、セルシア侯爵家うちの訓練場なら情報は外部に漏れませんし、耐魔力構造ですからちょっとやそっとでは壊れません。なにより訓練の間ずっとメリアースちゃんと寝食を共にできるなんて…どこに課金したらいいのかしら」


 ー≪ノエリア侯爵家分館 特別訓練場≫ー

「という訳で代表戦までの間、侯爵家ウチの訓練場を使用します。学園の代表にならなければ、ノエリア侯爵家の娘として恥ずかしいですからね」
「「「ご立派です、お嬢様」」」 
 セルシア侯爵家の使用人一同がノエリアを絶賛した。


 場所も決まり、訓練に入る前にそれぞれの今の力量を見ておこうとなった。カーリーはよほど自身があるらしく真っ先に訓練場に入った。

「メリアース!遠征で生まれ変わった私の力をよっく見てなさい!!」
 カーリーが火炎鷹フレイムホークを5体出してドヤった。

「どお?今じゃ5体くらい簡単に出せるわ、それに威力だって凄いんだから」
 そう言うと訓練場にある的目掛けて攻撃した。火炎鷹フレイムホークのスキル『溶岩龍』で攻撃すると対魔処置をされた的が溶けた。

「ふふん、どお?紋章が発現したら魔力素体エレメントも5体まで出せるようになったし、威力も格段に上がったわ」
「…カーリーは寝る前に魔力は空になるまで使い切ってる?」
「はぁ?そんなことするわけないでしょう。魔力が枯渇したら頭痛と吐き気がものすごいんだから」
「でも魔力をもっと増やせば火炎鷹フレイムホークをもっと出せるようになるよ。このくらいは
…」
 そう言ってアースが火炎鷹フレイムホークを出す。その数なんと100体!!

 そばにいるだけで、ちりちりと肌が焼け、火の粉の爆ぜる音が聞こえてくる。
 カーリーは肌に現れた汗が熱気によるものが、圧倒な力に畏怖したものかわからなかった。

「火の鳥(ぼそっ)」
 火炎鷹フレイムホークの最上位スキルだ。火炎鷹フレイムホークが100体まとまって1匹の巨大な火の鳥を顕現させる。
 熱による継続ダメージを周囲に与え、炎が次々と飛び火して訓練場を火の海に変えてしまった。

 カーリーが今の自分とアースとの力量差を見せつけられ、先ほどまで粋がっていた自分を恥じた。

「カーリーとノエリアは今夜から、魔力がすっからかんになるまで魔力を使いきること。そうすれば毎日少しづつ魔力が増えるから」
「ええー、それどうしてもやらないとダメ?魔力枯渇は本当にしんどいんだけど…」
「カーリーさん、諦めてメリアースちゃんの言う通りにしましょう」

 その日からセルシア侯爵家 分館の客室では、ベッドの上に大の字に倒れた子爵令嬢とは思えないだらしない姿のカーリーを見る事ができた。


 カーリーの紋章を強化するにはこの訓練場をダンジョン『ゆりかご』と同じ状態にするのが一番となり、訓練場をアースの魔力で満たす事になった。
「じゃぁ、魔力を出すねー」

 アースが訓練場を魔力で満たした。ものすごく濃い魔力なのになぜか守られているような安心感のある、そんな場所が生まれた。

 今や崩壊で無くなってしまったダンジョン『ゆりかご』がセルシア侯爵家 訓練場に顕現した。

 カーリーが水の中を動いているような抵抗感を感じた。
「ここではただ動くだけで体力と魔力がどんどん無くなっていくのね」
 とカーリーが感想をもらした。


 ノエリアが発現した紋章は椿つばきのダンジョンの紋章だ。アースの魔力ではノエリアの紋章の強化が出来ない。

 アースがどうしようと悩んでいると訓練場の端に生えている樹が徐々に人の形を取りだし、見覚えのある少女が現れた。

「お久しぶりです、椿つばき様の命でお手伝いに来ました」
 『プラント』の 近衛ロイヤルガード 花ちゃんだ。

「お手伝い?なんで私たちがここで訓練をやっているって知ってるの?」
 カーリーがもっともな疑問をぶつけた。

「えと、ほっほら、虫の知らせというか、第六感と言うか…」
「本当は?さあ言いなさい!」
「えと、爺が戻って来て、話を色々聞いてたら面白そうだなぁと。で爺がダンジョンに帰ってくる前に街を監視…いえ様子を見るために自分の種子をばらまいて来たと言ってたので…」

 花ちゃんが”監視”と言いかけて、慌てて言い直した。一度捕獲された身としては監視をするのは無理のない事だろうとノエリア達は納得した。
 というか、色々喋ったら不味い事を喋りまくる花ちゃんだった。

「プラントの魔物は、椿つばき様を筆頭に全ての魔物がつながっています。ですのでこの花がこの訓練場に『プラント』を顕現させてあげましょう」
 そういうと、花を通して椿つばきの魔力が訓練場に充満し始めた。

 訓練場の地面から巨大な樹木が生えて来て、見上げるほどの大木がひしめき合う。
 さらに魔力溜まりがあちこちにでき始めると花ちゃんがスキルを発動する。

「創造ドライアード!」
 魔力溜まりにいくつものドライアードが出現する。ただ、ドライアードだけではいささか単調すぎて戦略性に欠ける。せめてあと1種類、別の魔物が欲しいと思っていると…

「花ちゃんだけじゃ、ちょっと心配ね」
 何処からか懐かしい声が聞こえた。声がする所を探すと、花ちゃんの肩にミニ華さんが現れた。

「え? 姉さま、どうして?」
「どうしてと言われても今も本体は椿つばき様の傍にいるわ、花ちゃんが椿つばき様と繋がっているなら、私とも繋がっているのは道理でしょ。(面白そう)だから来ちゃった」

 そう言ってミニ華さんもノエリアの訓練に協力してくれることになった。
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