アース ダンジョン核を持つ少女

生けもの

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2章 アースの学園生活

034 闘技大会 ノエリア&カーリーの特訓2

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 ー≪セルシア侯爵家分館 特別訓練場≫ー

 花ちゃんと華さんの協力で、訓練場を2つに分けて互いに魔力素体エレメントを出すことになった。そしてカーリーとノエリアはそれをひたすら倒し続けるのだ。

「花ちゃん、いくわよ」
「はい、姉様」
 花ちゃんと華さんが椿つばきの魔力を借り受けて訓練場を疑似『プラント』を顕現させる。さらにあちこちにできた魔力溜まりに大量のドライアードとトレンテートを出現させた。
 即席とはいえ、本物のダンジョンの魔物集団が出来上がった。

「ふふん、どお?私と姉様と椿様の合体作品は」
 花ちゃんが出来上がった擬似『プラント』にとても満足している様子だった。

「この重圧、確かにあの遠征で感じてたものと同じだわ。この目で見ても信じられない」
「疑似とはいえ、こんな街のど真ん中にダンジョンを顕現させるなんて…お父様に知れたらどうなるか」

 カーリーもノエリアも目の前で起こった事を信じられずにいた。
 しかし、次の瞬間、更に信じられない事が起こった。

「魔力を沢山出して、溜まった魔力のところに魔力素体エレメントを出す… うん、わかった!!」

 何やら独り言を呟くと、アースが訓練場を隅々まで魔力で満たし始めた。

 本来見えないはずの魔力が、アースの体から吹き出しているのをその場にいた全員が幻視した。
「嘘、私たちのダンジョンが押されてる?」
「あらあら、このままではゆりかごに塗り潰されちゃいますね」
「ストップ、ストップ!これ以上されたら訓練場が全部ゆりかご化しちゃうわ」
「ん?もういいの?」
  花ちゃんの悲痛な訴えでアースが魔力を止めた。
 
 そして訓練用の魔力素体エレメントを出す段階で信じられない事をノエリアに聞いてきた。
「ノエリア、どの子がいい?」
「どの子とは?メリアースちゃんはそんなに色んな魔力素体エレメントを出す事ができるのですか?」
「うん、みんないう事をよく聞くいい子ばっかりだよ」
 
 ノエリアが自分のを客観的に見て、何が足りないかを分析する。

「私が苦手にしてるのが泥臭い戦いです。戦略もなにも関係ないただひたすら戦う…これまでは、戦う前に結果までをシミュレートして負けない戦いばかりしてきました」

 ノエリアの言葉を聞いたアースがそれじゃぁと決めた訓練メニューが”炎蜥蜴サラマンダーをひたすら倒す”だった。


 ◇ノエリアの特訓◇

 ノエリアの紋章を強化するため、訓練場に『プラント』を顕現させる。
「…準備OK。いつでもいいですよメリアースちゃん!」
 訓練場に充満した魔力に常に抗わないといけないため、意識して魔力を放出し続ける。例えるなら水中で水を飲みそうになった時に必要以上に空気を吐き出すような感じだ。

 その場にいるだけで魔力を消費していく状況に加え、これからアースが出す魔力素体エレメントを倒し続けなければいけない。
 文字通り最後の1滴まで魔力を絞り出す特訓の開始だ。

 アースが炎蜥蜴サラマンダーを3匹出した。それを見たノエリアは少し拍子抜けをした。アースならいつものように度肝を抜くような大量の炎蜥蜴サラマンダーを出してくると思ったからだ。

炎蜥蜴サラマンダー 】ランク:2 タイプ:蜥蜴 創造魔力:28

 ノエリアが飛沫蜂スプラッシュビーを3匹だして特にひねりもなく炎蜥蜴サラマンダーを攻撃した。

飛沫蜂スプラッシュビー】ランク:2 タイプ:蜂 創造魔力:8

 飛沫蜂スプラッシュビーはランク2の魔力素体エレメントの中では断トツで魔力効率が良い。火属性の炎蜥蜴サラマンダー なら有利属性の飛沫蜂スプラッシュビーを同数出せば相打ちが狙える。消費魔力で言えば3倍以上効率がいいのだ。

 全ての炎蜥蜴サラマンダーが倒されると、アースが倍の6匹の炎蜥蜴サラマンダーを出した。そしてノエリアがまたもや同数の飛沫蜂スプラッシュビーを出して倒す。

 その次は12匹、24匹とアースが倍々に数を増やしていく。

 特訓を開始してから30分がたった頃、訓練場は炎蜥蜴サラマンダー飛沫蜂スプラッシュビーで埋め尽くされるほどになっていた。 その数は互いに6000を超えていた。

「次行くよー!」
 アースが炎蜥蜴サラマンダーを出した。その数は軽く1万を超えている。
 ノエリアの視界を埋め尽くすほどの炎蜥蜴サラマンダーが出現した。そしてそれを倒すために飛沫蜂スプラッシュビーを出そうと身構えてノエリアが倒れた。

 魔力枯渇だった。

「お嬢様ぁ~~!!」
 急いでセルシア家の使用人たちがノエリアを医務室に運んだ。

 そしてアースはというと…
 ぐぅ~~~
「お腹空いた…」


 ◇カーリーの特訓◇

 カーリーの紋章はアースの魔力で発現したものだ。その為、訓練場にアースが魔力を満たした。
「もういい、もういい。メリアース、あまり張り切らないで。もう十分だから」

 アースが必要以上に訓練場に魔力を充満させたため、カーリーがすでにへとへとだ。それを見たアースが”手加減をする”という事を覚えた。
 ノエリアが水中ならカーリーは台風の中を風上に向かって歩く感じだ。一瞬でも気を抜くと途端に吹き飛ばされる暴風の中にいる様で、足に力を入れてその場に踏ん張った。

 しかしへとへとだろうが、花ちゃんと華さんは手加減をしてくれない。

「来なさい! 使徒 ドライアード」 
「いらっしゃい、 使徒 トレンテート 」
「全部燃やし尽くしなさい!火炎鷹フレイムホーク!」

 花ちゃんと華さんの魔力で強化されたドライアードとトレンテートがカーリーに迫る。
 遠征では 使徒 トレンテート1体すら燃やせず、完敗した苦い記憶が蘇る。

「私だってあれからずっと訓練して来たんだから!!」
 火炎鷹フレイムホークの溶岩龍にトレンテートとドライアードがまとめて燃やし尽くした。

「うそ、ダンジョンの時は姉さまのトレンテートに阻まれてたのに…」
「ふふん、このカーリー様を見くびって貰ったら困るわ、日々常に成長してるんだから!!」
「…胸は成長してないようだけどね」
「うっうるさいわね、私はこれから成長す…」

 花ちゃんと言い合ってる途中でカーリーが倒れた。アースの魔力の影響で紋章が活性化していたようで、たった一回の攻撃に全ての魔力を使い切ってしまったのだ。

「な~~んだ、強かったカラクリはこれかぁ、倒しきれなかったらダメじゃん」
「でも、あの威力は脅威ですよ、胸囲はないですが。くすくす…」

「…………」
 花ちゃんがなんとも表現できない顔をしていた。
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