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星の痣(続き) 夕島 流星 視点
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触れたとき、頭の中で爆発が起きたかと思った。
熱い。痛い。なのに、懐かしい――いや、これは“記憶”だ。俺のものじゃない。けど、確かに俺たちの血の中に眠っていたもの。
姫奈――彼女の名も、さっき流れ込んできた記憶で初めて知ったのに、不思議としっくりきた。
「俺たちは……織姫と彦星の……」
呟きかけて、口をつぐんだ。そんなバカな。そんな伝説みたいな話、あるわけない。
けど、手の甲に五芒星を描いたとき、現実は否応なしに変わった。
眩い光。次の瞬間には、俺の体は異世界の衣に包まれていた。
紫を基調に、若草色のラインが走る長衣。下から袴のような動きやすい生地がのぞく。手には、漆黒の鞘に収められた一振りの刀――
「月星刀」だと、どこかでわかっていた。
柄を握ると、熱が走る。構えを取れば、風が動いた。
不思議なことに、型も技も、すべてが自然に体に馴染んだ。
「……まるで、最初から俺たちはこうだったみたいだな」
姫奈が戸惑いながらも、頷いた。その目には、怯えと……少しの決意があった。
俺たちはもう一度、同時に五芒星を描いた。
衣が光とともに溶け、元の制服姿に戻る。
……それからだった。
世界の裂け目から、闇が“滲み始めた”のは。
人の姿を模したそれは、まだ影に潜みながらも、確実にこの世を侵食している。誰も気づかないうちに。
けれど、俺たちだけは知っている。
星の夜に、闇は目を覚ます。
熱い。痛い。なのに、懐かしい――いや、これは“記憶”だ。俺のものじゃない。けど、確かに俺たちの血の中に眠っていたもの。
姫奈――彼女の名も、さっき流れ込んできた記憶で初めて知ったのに、不思議としっくりきた。
「俺たちは……織姫と彦星の……」
呟きかけて、口をつぐんだ。そんなバカな。そんな伝説みたいな話、あるわけない。
けど、手の甲に五芒星を描いたとき、現実は否応なしに変わった。
眩い光。次の瞬間には、俺の体は異世界の衣に包まれていた。
紫を基調に、若草色のラインが走る長衣。下から袴のような動きやすい生地がのぞく。手には、漆黒の鞘に収められた一振りの刀――
「月星刀」だと、どこかでわかっていた。
柄を握ると、熱が走る。構えを取れば、風が動いた。
不思議なことに、型も技も、すべてが自然に体に馴染んだ。
「……まるで、最初から俺たちはこうだったみたいだな」
姫奈が戸惑いながらも、頷いた。その目には、怯えと……少しの決意があった。
俺たちはもう一度、同時に五芒星を描いた。
衣が光とともに溶け、元の制服姿に戻る。
……それからだった。
世界の裂け目から、闇が“滲み始めた”のは。
人の姿を模したそれは、まだ影に潜みながらも、確実にこの世を侵食している。誰も気づかないうちに。
けれど、俺たちだけは知っている。
星の夜に、闇は目を覚ます。
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